大腿四頭筋は鍛えるべきか、鍛えないべきか

膝が痛い=膝の筋力が弱い、と考えて、前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛えていませんか?

もちろん、大腿四頭筋を鍛えることも大事ですが、それによって膝の痛みを強くしてしまうことも知っておく必要があります。

良かれと思って鍛えていることが、かえって膝を痛くしてしまっては本末転倒ですよね。

どういった場合に鍛えると良くないのか、
どういった場合に鍛える必要があるのか。
具体的にどういうことか一緒に見ていきましょう。

<筋トレは大腿四頭筋を緊張させる>

本来、筋肉の役割としては、関節を安定させる、関節を動かすといった役割を持っています。
そのため、筋力が弱くなることで、関節の安定性が低くなり、

筋力をつける必要があるといった考えになるのだと思います。

しかし、これは筋肉の状態を考えていません。

そもそも、膝が痛い方というのは、

関節をかばって筋肉がガチガチに緊張していることが多いです。

つまり、常に筋肉に力が入って収縮しているということ。

そのような状態で筋トレをするとどうなるでしょうか?
一般的に言う筋トレは、
筋肉を強く収縮させるイメージがあるかと思いますが、
既に緊張が高い筋肉に対して筋トレすると、
必要以上に緊張を高めてしまうことになります。

もちろん、ある程度の大腿四頭筋の緊張は膝にとっても必要ですが、

必要以上の緊張は害となることもあるのです。

緊張が高くなった筋肉によって、膝関節の動きが悪くなったり、
筋力が発揮しにくくなったりし、その結果、膝の痛みがより強くなってしまうのです。

<大腿四頭筋の緊張は股関節も悪くする>

前ももの大腿四頭筋は、

股関節と膝関節にまたがっている二関節筋(にかんせつきん)という筋肉です。

メインの役割は、膝を伸ばすことですが、
太ももを持ち上げる股関節の屈曲(くっきょく)という動きにも働きます。
大腿四頭筋の緊張が高いと、膝へ影響を与えるだけでなく、股関節に影響を与えるのです。
股関節は大腰筋(だいようきん)
というインナーマッスルが働くことで股関節は安定しますが、
大腿四頭筋が緊張が高すぎると大腰筋の働きを邪魔するため、
股関節が不安定となります。
その不安定性を補うために、
さらに大腿四頭筋の緊張が高まるという悪循環が生まれてしまうのです。

その結果、

ますます膝も股関節も固まってしまうのです。

<裏ももを鍛える>

前ももの大腿四頭筋に対して、
裏ももはハムストリングスという筋肉があります.
ハムストリングスは、内ももの内転筋(ないてんきん)から股関節の大腰筋へとつながりを持っています。
そのため、ハムストリングスの緊張が大腰筋にも伝わります。
先ほど、大腿四頭筋の緊張が高すぎると、大腰筋の働きが弱くなり、股関節も膝関節も動きが悪くなってしまうと言いました。
この時、裏もものハムストリングスも働きが弱くなっています。
なぜなら、
大腿四頭筋とハムストリングスは互いに関係しあって、逆の働きをするようにできているからです。

たとえば、

大腿四頭筋が緊張するとハムストリングスは働きを弱め、大腿四頭筋が緩むとハムストリングスが緊張を高めるといった具合です。

つまり、大腿四頭筋を鍛えるなら、

ハムストリングスも同時に鍛えないと、
大腰筋、ハムストリングスの働きをどんどん弱め、
膝の痛みを作ってしまう可能性があるということです。
ハムストリングスが働いていれば、

大腿四頭筋を鍛えても必要以上に緊張が高くなってしまう可能性も低いです。

次の運動前後で、膝の痛み、前ももの固さをチェックしてみてください。

1.肩幅に足を開いて立つ。
2.そけい部(ビキニラインの真ん中)をさわる。
3.そこを支点に体を前へ倒し、お尻を後ろへ突き出す。
4.元の姿勢に戻る。

5.2~4を10回程度繰り返す。

体を倒した時にハムストリングスが働いてくれるため、運動後は大腿四頭筋の緊張が緩み、大腿四頭筋とのバランスが取れた状態になるので、痛みが和らぐ、固さが取れるといった効果が得られます。

<まとめ>

・大腿四頭筋を鍛えることが必ずしも良いわけではない。

・膝痛がある方はそもそも大腿四頭筋が緊張している。
・大腿四頭筋は股関節、膝関節にまたがっているため、股関節も固くなる。
・ハムストリングスは大腰筋とつながっている。
・大腿四頭筋とハムストリングスは互いに関係しあっている。

・ハムストリングスを鍛えて、大腿四頭筋が緊張しすぎないようにする必要がある。

いかがでしたか?

鍛えることが必ずしも体にとって良いことばかりではなく、かえって逆効果となることもあると知っておく必要があります。

大腿四頭筋を鍛えることが悪いわけではなく、状況を考えて鍛えるべきということです。

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 理学療法士 松井 洸

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