逆効果!ドローインは腰痛を引き起こす

こんにちは。
鍼灸師・パーソナルトレーナーの柴です。

体幹の安定性を高めてスポーツパフォーマンスをあげたり、
腰痛の予防緩和につながると言われている、
お腹をへこませるエクササイズの「ドローイン」

ですが、実は言われてるような効果はあまり望めません。

むしろやり過ぎると逆効果になる可能性があります。

 

何故ドローインは逆効果なのか。
そしてどうやったらその効果を高める事ができるのか。
一緒に確認していきましょう。

[ドローインは逆効果になる理由①]

特によくないのはドローインでお腹をへこませたままキープする事。
これをするとインナーマッスルの腹横筋が過緊張状態になります。

腹横筋は腰の脊柱起立筋と筋膜で繋がっているため、
腹横筋が緊張すると脊柱起立筋も緊張して固めるのです。

腰痛の人は脊柱起立筋がすでに固い人が多いため、
そこで更に腹横筋を固めてしまうと、
より脊柱起立筋が固まってしまうため、腰痛が悪化する可能性があります。

 

 

そして逆効果になるもう1つの理由は、
ドローインをすると体幹が不安定になるからです。

[ドローインは逆効果になる理由②]

体幹が安定すると言われているドローインは、
なぜ体幹を不安定にしてしまうのか。

その理由は、耐震構造の考え方の1つに建物の剛構造と柔構造のというものがあるので、それを例にして解説します。

ではまず剛構造と柔構造の特徴から。

〈剛構造の特徴〉
地震が起きても建物自体は変形せず、建物全体が揺れる。

建物の高さを高くするほど上層部の揺れは激しくなり、
揺れる力によって建物が折れる可能性がある。

〈柔構造の特徴〉
地震が起きても建物自体が柔らかくたわみ、
下の階から上の階へと順に揺れる。

たわみが地震の揺れを吸収するので骨組みにかかる負担が少なく、
建物が折れにくい。

引用元:「建築のすべてがわかる本」 藤谷陽悦 他著より

剛構造と柔構造にはこのような特徴があり、
剛構造になると衝撃を吸収できないため倒壊の危険性が高まり、
柔構造だと衝撃を吸収できるため倒壊の危険性が低くなります。

そしてこの考え方は人間の身体にも当てはまることです。

お腹をへこませたままキープすると、
体幹を固め剛構造型の体幹にしてしまいます。

剛構造になれば衝撃を吸収できないため、
コンタクトスポーツであればすぐに倒されてしまいますし、
日常であればちょっとした衝撃でフラついたり転倒してしまうのです。
そしてそれが原因で腰痛を引き起こしてしまう可能性もあります。

このようにドローインは、
パフォーマンスを下げてしまう可能性があるので、
そうならないためにはドローインをやめておく事ですが、

それだけでなく、もう一つ大事な事があります。
それは動きながら体幹を安定させる事です。

これができると柔構造型の体幹にする事ができます。

[柔構造型の体幹にする]

じっと固まって生活している人は少ないですよね。
何かしらが原因で寝たきりになってない限り、
ほとんどの人が毎日動いています。
スポーツをやっている人であれば尚更です。

ですので、いかに動きながら体幹を安定させられるか。

柔構造型の建物のようにたわみながら衝撃を吸収できるかで、
体幹の安定性が変わってくるのです。

そしてその動きながら安定させるためのポイントは、
股関節・背骨・脇の3つにあります。

股関節には大腰筋。
背骨には横隔膜や多裂筋。脇には前鋸筋があり、
この前鋸筋は脇腹を介して腹横筋と繋がり、
そして大腰筋・横隔膜・多裂筋・腹横筋は股の骨盤底筋群とも繋がります。

このように3つのポイントは
体幹のインナーマッスルを使うスイッチのような場所なのです。

そしてこれらを様々な動きに合わせて使えれば、
体幹のインナーマッスルを固める事なく程よい緊張感で使えるため、
衝撃を上手く吸収できる柔構造型の体幹にする事が出来ます。

[柔構造型の体幹を作る3つのワーク]

股関節を動かす体操で大腰筋、
背骨を動かす体操で横隔膜や多裂筋、
脇の筋肉を動かす体操で前鋸筋の働きを高めて、
柔構造型の体幹を作っていきます。

ドローインとの違いを確認するために、
ドローインをしたままプランクで胸に足を引きつける動きを何回かやって、体幹の安定感や腰の突っ張り感を確認しておきましょう。

次に3つのワークをおこなっていきます。

〈①股関節を動かす体操〉

1.足を腰幅に広げ、つま先を前に向ける。
2.鼠径部(恥骨の横)を触りながら股関節を曲げてお尻を後ろに引く。この時裏ももが伸びているのを感じる。
3.お尻のほっぺと裏ももの境目(坐骨)を触りながら元の体勢に戻る。
4.これを10回繰り返す。

詳細なやり方は動画でご確認ください
→ https://youtu.be/beEC_45Nv3M

〈②背骨を動かす体操〉

1.椅子、もしくは床に座る。
2.へそから指4本上のみぞおちと反対側の背骨を触る。
3.みぞおちの力を抜きながら、背骨を前後左右回旋と各3~5回ずつ動かす。

こちらも、詳細なやり方は動画でご確認ください
 https://youtu.be/TZDr1ZVrxW8

〈②脇の筋肉を動かす体操〉

1.手の平で脇の下を触る。
2.そのまま腕を前後に5回ずつ回す。

こちらも、詳細なやり方は動画でご確認ください
→ https://youtu.be/rAkCAfS3zsY

では今度はドローインをせず、
刺激した3つの部位を意識しながらプランクで胸に足を引きつけましょう。

いかがでしょうか?

ドローインをしていた時より安定し、
腰の突っ張り感も軽減していると思います。

このようにドローインは逆効果になるため、
スポーツのパフォーマンスを上げたり腰痛の予防緩和をしたい人は、
3つのワークを継続的に実践してください。

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柴雅仁のブログはこちら
https://selfcare-lab.com

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