揉んでほぐしてみたり、筋肉のトレーニングをしても、肩の動きが良くならない…
そんな悩みは、当然かもしれません。
なぜなら、肩の動きを良くするためには、脇の下の筋肉である前鋸筋をトレーニングする必要があるからです。
トレーニングというと、「鍛える」という捉え方になることが多いですが、実は前鋸筋の
トレーニングでは「鍛える」よりもまずは「使える」ようになることが大切です。
前鋸筋を鍛えるのではなく使うとはどういうことか、前鋸筋がなぜ必要なのかも整理しながら解説していきましょう。
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前鋸筋をなぜ使うのか
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前鋸筋が着目されてきましたが、その1つの大きな要因は、「立甲」だと思います。
立甲は字のごとく、肩甲骨が立っている状態です。
チーターをはじめとした四足動物をイメージしてもらうとわかりやすいです。
この立甲をするときに重要となる筋肉が「前鋸筋」となります。
そして、立甲をすることの最大のメリットは、腕の土台である肩甲骨と体幹である胸郭をつなぐ前鋸筋を使うことで、肩の動きが最適化できることにあります。
ただ、前鋸筋だけ使えても肩の動きが良くなるだけで、
本来の身体全体の動きを考えれば、肩以外の動きも一緒に良くなるのが理想です。
その視点から前鋸筋を考えると、
前鋸筋とつながりがある腹斜筋ー腹横筋ー横隔膜ー大腰筋の一連の筋肉のつながりが一緒に使えることで、
肩だけでなく体幹から足までの機能的なインナーマッスルが使われ、身体全体の動きを良くすることができます。
前鋸筋を使う本当の理由は、この全身のつながりをしっかりと作るためにあるのです。
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全身がつながる前鋸筋の理想のトレーニング
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前鋸筋を使うトレーニングの本質は、前鋸筋ー腹斜筋ー腹横筋ー横隔膜ー大腰筋を一緒に使い、全身をつなげて使うことにあります。
これらの筋肉を一緒に使おうと思うと、個々で筋肉を意識することはなかなか難しいですが、これらの筋肉が関連するクロスポイントと呼ばれる筋肉の交差点を使うことで、このつながりを使うことができます。
そのクロスポイントは、脇とみぞおちです。
この脇とみぞおちを使った前鋸筋トレーニングを2つ紹介します。
<前鋸筋トレーニング1:ショルダーリフト>
1.膝を曲げた仰向けで両手を天井に伸ばす
2.そのまま両手を伸ばす意識で上体を軽く起こす
(イメージは脇から引っ張られる感覚)
<前鋸筋トレーニング2:アッパーツイスト>
1.膝を曲げた仰向けで両手を天井に伸ばす
2.両手を合わせたまま右(左)の腕を脇からさらに伸ばす
3.両手が離れないようにしていると右の腕を伸ばすことで左(右)に回旋する
4.次に左(右)の腕を脇からさらに伸ばすようにして右(左)に回旋していく
5.左右交互にする。
(両手位は離さないように注意する。みぞおちは軽く丸めてみぞおちまでひねる感じにする)
この2つのトレーニングは脇から伸ばすようにすることで前鋸筋を優位に使うことができます。
脇から伸びる意識で上体を起こしたり回旋したりすることで、
前鋸筋をより使うことができるわけですが、
例えばこのときに、足が開いたりお尻が浮いたりすると、
そけい部がうまく使えていないことになります。
余裕があれば、状態を起こしたり回旋したりするときに、
そけい部を軽く締めるように閉じたりすることで、さらに全身をつなげることができます。
ここまでできると、前鋸筋を使う本当の意味が出てくるのです。
実際にやってみるとわかると思いますが、この2つのトレーニングは「鍛える」というよりも「使う」という感覚が強いです。
ただ、使うだけなのにかなり難しく感じたり、意外と疲れたりすると思います。
それほど、ほとんどの人は前鋸筋を本当の意味で使うことができていないことが多く、
使えないのに鍛えることなんてできないからこそ、まずは前鋸筋トレーニングは使えるようになるところから始めて欲しいです。
今回、前鋸筋がなぜ必要なのかということから、前鋸筋を使うとはどういうことなのか、トレーニングはまず使えるようになることから、ということを話しました。
ぜひまずは前鋸筋を使えるトレーニングから始めてみてください。
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記事執筆:吉田
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