良い姿勢って言うとどんな姿勢を思い浮かべますか?
背中を真っ直ぐにして肩甲骨を寄せた状態って思った人は残念。
実は姿勢を真っ直ぐにしてしまうとかえって身体に負担が大きく、疲れやすくなってしまうのです。
むしろ、少し背中を丸めた猫背気味の方が良かったりします。
今回は、普段どのような姿勢をしたらいいのか。
なぜ、背中を丸めた方がいいのかお伝えしていきたいと思います。
胸を張る、背筋を伸ばすことのデメリット
良い姿勢と言えば、肩甲骨を寄せて背筋を伸ばし、胸を張る姿勢だとほとんどの人が思っています。
たしかに、胸を張って、背筋が伸びていれば綺麗な姿勢に見えるかもしれませんが、それは見た目だけです。
実際に肩甲骨を寄せるようにして胸を張ってみてください。
そして、その状態のままバンザイをしてみましょう。
次に、肩甲骨は寄せず胸も張らずに楽にした状態でバンザイをしてください。
きっと後者のほうがバンザイがしやすいです。
しかも、人によっては肩甲骨を寄せて胸を張りながらバンザイをすると、腰や背中に痛みや違和感を感じたと思います。
胸を張ると、身体が動きにくいだけでなく、痛みや違和感まで出てくるのです。
いくら見た目が良く見えても、身体の動きには適さない姿勢ということになります。
胸を張ると動きにくくなる理由
胸を張って背筋を伸ばす姿勢が、動きにくさや違和感を与えてしまうのは、その使う筋肉にあります。
この姿勢は肩甲骨を寄せてしまう姿勢ですが、このときに使う筋肉を考えていきましょう。
まず、肩甲骨を寄せる動きで使う筋肉は背骨と肩甲骨をつなぐ僧帽筋と菱形筋です。
肩甲骨を寄せることでこの2つの筋肉が過度に働きます。
そして胸を張ることで脊柱に沿って走る脊柱起立筋も過度に働いてきます。
これらの筋肉はお互いに関係を強めて働きますが、僧帽筋は肩の筋肉である三角筋と連動して働くという特徴があります。
この三角筋は肩の上にある筋肉で、僧帽筋と三角筋が過度に働くことで肩が上がっていきます。
この筋肉は肩を動かすためには必要な筋肉ですが、いわゆるアウターマッスルと呼ばれる筋肉で大きな筋肉になるため、関節への負担や疲労も大きくなってしまいます。
アウターマッスルを活かすためには、ベースとなるインナーマッスルを使っている状態になる必要があり、そのためにもいつもの姿勢でインナーマッスルが使えている状態が理想なのです。
本当に良い姿勢とは
では、本当に良い姿勢とはどういうものなのか。
それは体軸筋と呼ばれる全身のインナーマッスルをバランスよく使っていくということです。
体軸筋をバランスよく使えるようにすると、肩甲骨は寄らず、みぞおちが少し丸まる姿勢になります。
良い姿勢をするときに胸を張って背筋を伸ばし肩甲骨を寄せてしまう人からすると、少し猫背になる感覚ですが、体軸筋を優位にすることで、肩甲骨の裏側から肋骨についている前鋸筋、そこから繋がる腹斜筋や腹横筋などの体幹の筋肉が使われます。
いわゆる体幹のインナーマッスルが働くため、腹圧も上がりやすくなり、過度な力を入れたくても猫背にならない姿勢で保つことができます。
見た目ではなく、身体が動きやすい、いわゆる機能的な姿勢は体軸筋を優位にしなければいけません。
体軸筋を優位にするというと難しく感じますが、今回は1つおすすめのエクササイズをお伝えします。
良い姿勢になるためには、前鋸筋や腹斜筋、腹横筋、横隔膜といった体幹につながるまでの筋肉を使う必要があり、これは脇とみぞおちを意識するエクササイズで使うことができます。
脇とみぞおちを使うワークは以下の通りです。
脇とみぞおちを使うワーク
準備:脇の後ろとヘソから指4本上のみぞおちを触って意識付けをする
1.膝を曲げた仰向けで両腕はまっすぐ天井に向かって脇から伸ばす
2.頷くように頭を持ち上げる
3.伸ばした腕をさらに脇から伸ばすようにして上体を持ち上げる(このときみぞおちを少し丸めたままにする)
4.ゆっくり戻す。
動画はこちら
このエクササイズをした後に鏡で姿勢を見てみてください。
おそらく感覚としては猫背のようですが、見た目は自然と真っ直ぐな姿勢できれいに保てていると思います。
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