ハイハイは本当に必要?

こんにちは、理学療法士の中山です。

成長過程においてハイハイのような交互運動は
歩き動作の前段階として重要とされています。

しかし、近年では生活の洋式化に伴い
ハイハイをとばして、つかまり立ちや
つかまり歩きをするこどもが増えています。

このような実態がある中、果たして
ハイハイは本当に必要なのでしょうか?

今回はそのハイハイの必要性について
一緒に見ていってみましょう。

〔ハイハイの重要性〕

こどもは成長過程で寝返り→四つ這い(ハイハイ)
→つかまり立ちの順番で動作を獲得していきます。

この寝返り→つかまり立ちの間にハイハイがあるのは
そのあと獲得する予定の歩き動作の獲得のためとされています。

この過程から見てみると、ハイハイは
絶対に欠かせない動作かのように思われますが、
欧米のような洋式生活がメインの国では
日本のこども達と同じくハイハイをとばして
立ち上がりを行うこどもは珍しくないそうです。

かと言って、このような状態が
特に問題視されているわけでもないので、
運動能力的にハイハイをせずつかまり立ちに
移行していること自体は重要な問題ではないようです。

〔じゃあハイハイはしなくてもいい?〕

だからと言って、ハイハイが不必要である
ということではありません。

先にも少し書きましたが、ハイハイは歩き動作の前段階でもあり、
言い換えると、これは運動の基礎ということでもあります。

どうして、ハイハイが運動の基礎なのかというと、
ハイハイでは手足の筋肉が多く使われることと、
その多くの筋肉をうまく連動させて
使うことを学ぶことが出来るからです。

特に、立ち上がってからバランスをとったり
身体をスムーズに動かすために必要な
腕ー体幹ー足の筋肉の動きはとても重要な要素です。

以上のことから、運動面においては
やはりハイハイは重要性が高いと思われます。

〔ハイハイを効率良く行う方法〕

ハイハイを行うと際、ただやるよりも
その動きに合わせて筋肉を使いやすく
サポートしてあげるとより効率的になります。

ハイハイで使ってあげたい筋肉の場所は
次の画像の部分です。

具体的には脇から指3〜5本分下、
おへそから指2〜4本上、
ソケイ部のやや内側です。

この部分を1箇所あたり10秒ほど
軽くさすってあげることにより
その部分の筋肉がより使われやすくなります。

一応、具体的な位置を書きましたが、筋肉の場所は
こどもの身体の大きさにより位置が少し変わったりします。

筋肉自体はだいたいその辺にあるので、さする場所自体は
多少適当にやって頂いてもそれほど問題はありません。

また、赤ちゃんよりもっと年上の
こども達でもハイハイは優秀な運動です。

ぜひ、試してみてください。

PS:

欧米のこども達はハイハイを全くしないわけではなく、
つかまる場所がないところでは
土足で歩く床の上などでもハイハイをして
移動しているそうです。
(衛生的な問題についてはここでは議論しません)

生活の様式に差はあれど、発達過程においては
やはりハイハイという動作は万国共通のようです。

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中山照教

理学療法士
JCMA認定体軸セラピスト
パームセラピスト