骨盤を使ってこどもの足腰を強くする

こんにちは、理学療法士の中山です。

力を入れるとき、いまいち踏ん張りが効かなかったり
りきむ余りに転んでしまうことってありませんか?

こういうこどもって、
よく体格が小さいからしょうがないとか
運動のセンスがないんだ、、、
などと決めつけられがちですが実はそうじゃないんです。

身体の使い方を覚えれば、どんなこどもでも
足腰の強いこどもになれる可能性があります。

そのヒントが「骨盤」にあります。

足腰の強さと骨盤にいったい
どんな関係があるのでしょうか。
一緒に見ていってみましょう。

〔足腰の強さの秘訣は骨盤にある〕

正確には骨盤周りの筋肉です。

骨盤の底には骨盤底筋(こつばんていきん)と
呼ばれる筋肉があります。

この筋肉は

・内臓を支える
・トイレの我慢
・腹圧を作る

などの役割がある筋肉です。

足腰の強さという面において言えば
腹圧を作るという役割が大きく関わっています。

〔腹圧はどうしてそんなに重要なの?〕

もし、骨盤底筋の効きが弱く
腹圧を保つことができなければ、
体幹を安定して支えることができません。

体幹の安定性が崩れてしまうと、
その崩れを直そうと、前ももの筋肉である
大腿四頭筋という筋肉が働くようになります。

しかし、この筋肉は強い力を出すことには適していますが
身体のバランスを保つことには不向きな筋肉です。

そのため、体幹の安定性が崩れ、
前ももの大腿四頭筋が腹圧の代わりに働こうとすると
より身体のバランスをとりにくくなり
こけやすくなってしまうのです。

〔腹圧が弱いと他にもこんなことが〕

また、腹圧が弱いと、下半身と上半身を繋ぎ、
踏ん張りを効かせてくれる大腰筋という
筋肉の働きも落ちてしまいます。

大腰筋の働きが落ちてしまうと、
股関節が使いにくくなり、
上半身ー下半身の連動も落ちてしまうため
踏ん張りはより効きにくくなってしまいます。

また、踏ん張りの際に膝から下の
筋肉ばかりを使うようになるため、
筋肉や関節に余計な負担をかけやすく
ケガのリスクを高めてしまいます。

これらの問題を解決するためには、
やはり骨盤底筋をうまく機能させてあげる
ことが望ましいでしょう。

次に、骨盤底筋をうまく使えるようになる
体操を紹介しますので試してみてください。

〔骨盤底筋が使いやすくなるおじぎ体操〕

・立った状態で、肩幅程度に足を開く。
・足の付け根(ソケイ部)に手を置く。
・お尻を後ろに突き出すようにしておじぎをする。
・裏ももの伸び感を感じたら、お尻を締めるようにして身体を起こす。
・これを5回行う。
 
動画はこちら
http://youtu.be/LOyPQF7EGmA

この体操では骨盤底筋だけでなく、
上半身ー下半身を繋いでくれる
大腰筋も使いやすくすることができます。

骨盤底筋を使えるようにし
腹圧を作ってあげることによって
踏ん張りが効きやすくなったり、
ころびにくくもなります。

また、踏ん張りが効きやすくなったり結果、
力が出しやすくなり、足が速くなったり
からだが疲れにくくなったりもする効果も期待できます。

体格や運動センスを理由に運動を諦めてしまう
こどもがいますが、実際にはからだの使い方ひとつで
運動能力は変えられます。

ぜひ、試してみてください。

The following two tabs change content below.

中山照教

理学療法士
JCMA認定体軸セラピスト
パームセラピスト