坐骨神経痛を2つのポイントから考える

お尻から足にかけての痺れ、歩く時に力が入らない、痛くて座っていられないなどの症状を訴える方はいませんか?
坐骨神経痛は坐骨神経の狭窄によって起こるとされますが、原因不明の場合が多いです。
 
そのため、痛み止めや湿布薬での対症療法となりやすいですが、リハビリによって改善できる症状も多くあります。
 
今回は、軟部組織由来の坐骨神経痛による症状の理解と原因、評価するポイントについて2つまとめてあります。
 
 
<坐骨神経痛とは?>
 
坐骨神経痛とは、坐骨神経の分布域に放散する神経痛で、神経の走行に沿って疼痛を感じます。
坐骨神経の走行路に近接する腰椎下部の椎間板ヘルニアや腫瘍による神経の圧迫などで起こり、好発部位はL4〜S1の障害が多く認められます。
 
病院では、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を疑って検査しても画像上はなにも原因がわからない場合があり、原因がはっきりしない臀部から足にかけての痛みのことを総称して坐骨神経痛として診断されることもあります。
また、手術によってヘルニアなどによる神経の圧迫は取り除かれているはずなのに症状が改善しないこともあります。
 
この場合、上記疾患の疑いはないので坐骨神経が走行している部位のどこかでなんらかの要因によって神経が障害されていることが考えられます。
筋肉の柔軟性低下、筋緊張増加による圧迫や筋肉同士の癒着、関節の可動性が悪いことで筋肉の動きが悪くなっている、または硬くなっていることで坐骨神経に対して刺激を与えており、坐骨神経痛様の症状が出ている可能性があります。
 
   
<坐骨神経の走行分布>
 
坐骨神経は足先に向かって走行しており、脛骨神経と総腓骨神経に分かれます。大腿後面の筋、下腿と足部の全ての筋、および下腿と足部のほとんどの皮膚に分布している神経です。
 
 
<坐骨神経痛の症状>
 
代表的な症状としては、以下のような症状が挙げられます。
・腰、臀部、大腿、下腿、足部の片側に痛みや痺れが出る。
・座っていると上記部位に痛みが出る。
・臀部から足にかけて力が入りにくい感じがする。
・歩くと上記部位が痛い。
 
痛みの部位、異常感覚、筋力低下が起きている部位と画像上認められている神経所見と一致していない場合は軟部組織由来の原因が考えられます。
 
<軟部組織由来の坐骨神経痛を起こす原因>
   
〔股関節の可動性低下〕
 
痛みが出現するのは、大腿後面の股関節に作用する筋群なので当然股関節の可動性も影響します。
股関節の可動性が悪いと、股関節の筋群の柔軟性低下や筋同士の滑走性低下により神経の動きも悪くなることが考えられます。
 
また、坐骨神経は梨状筋の下を走行しており、梨状筋は股関節に停止を持ち、直接股関節に作用する筋肉であるため、股関節の可動性の悪さは梨状筋へも影響を与えます。
 
ポイントは、回旋制限の有無を評価してみると良いです。
 
〔筋肉による影響〕
 
坐骨神経の走行に沿った部分にある筋肉の柔軟性低下、筋肉同士の滑走性の低下があると直接神経を圧迫することもあるし、二次的に神経の動きが悪くなり慢性的なストレスで痛みが出現することも考えられます。
 
筋肉はバラバラに存在しているわけではなく、互いに重なるようにして位置しています。
しかし、筋肉が重なっている部分で炎症や廃用によって癒着が起こると、本来滑り合うことでスムーズに運動ができるはずが、滑らなくなることで2つの弊害が考えられます。
 
・筋肉同士が滑らないために過剰に筋収縮を起こす。
・当然、神経と他組織とも滑りあう必要があるので神経にも負担がかかる。
 
坐骨神経領域で問題となりやすい重なり合う筋肉は、6組あると考えています。
 
・梨状筋-中臀筋、小臀筋
・大臀筋-ハムストリングス
・大腿二頭筋-半腱・半膜様筋
・大腿二頭筋-腓腹筋外側頭
・腓骨筋-長趾伸筋
・長趾伸筋-前脛骨筋
 
<まとめ>
・軟部組織性の坐骨神経痛を診る際のポイントは以下の2つ。
・股関節は、特に回旋制限の有無を評価してみる。
・6組の坐骨神経の走行に沿った筋肉同士の滑走性の低下を、評価してみる。
 
2つのポイントだけでも継続してみていくと、症状と筋肉の関係性が徐々に分かってきますので、評価してみて下さい。

 

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