こんばんは。理学療法士の松井です。
ブログを始めて約1年半になりますが、それがきっかけで多くのセラピストやトレーナーの方と交流持つことができました。
中にはスポーツ選手を多く見ておられる方もいますが、サッカーをする方に多いグローペイン症候群(そけい部痛症候群)と呼ばれるものがあります。
そけい部とは股関節の前側、ビキニラインの真ん中あたりです。
もし、この部分の痛みをなくすために、そけい部周囲の筋肉をほぐしたり筋トレをしても痛みが良くならない方は、
足首の硬さがそけい部の痛みに関わっているかもしれません。
他にも、背骨の動きが影響しているかもしれません。
そして、これらの事を知らないために、痛みを抱えたままの選手が意外と多いのです。
いったいどういうことか、一緒に見ていきましょう。
<なぜ、そけい部痛が起こるのか>
なぜ、そけい部に痛みが起こるのかと言うと、まずそけい部に負担がかかるような動きや姿勢があることが考えられます。
サッカーをしている方に多いと言うのも、繰り返しボールを蹴るという動きがそけい部周囲に負担をかけているのです。
ボールを蹴る際、足を後方に振りかぶると、腹筋から太ももの前側の筋肉が伸ばされます。
蹴る瞬間、伸ばされた筋肉は力を発揮する必要があるため、急激に縮みます。
伸ばされる動きと縮む動きが急激に何度も繰り返された結果、そけい部周囲の筋肉には大きな負担が加わるのです。
サッカーをしていない方でも、股関節が固い人だとこの痛みはよくあることです。
例えば、歩くという動きは伸ばされる動きと縮む動きが何度も繰り返されるので、そけい部周囲の組織に負担が加わるのです。
これらのことを考えると、そけい部周囲に負担がかからないような体の使い方が重要となるのです。
<そけい部から足首までの筋肉の繋がり>
そけい部には、股関節を安定させる重要な役割を持つ、大腰筋が付いています。
大腰筋が働いていることで、股関節を安定させたまま動かすことができるので、
大腰筋が働いていない状態では股関節にかかる負担は大きくなるということになります。
大腰筋は、
・内ももの内転筋
・裏もものハムストリングス
・膝裏の膝窩筋
・ふくらはぎの後脛骨筋
これらのそけい部から足首まで筋肉によって繋がっています。
大腰筋が硬くなったり機能が低くなったりすることで、筋肉の繋がりを介して他の筋肉も硬くなってしまいます。
つまり、大腰筋だけほぐしたり鍛えても他の筋肉まで硬くなっているので、
すぐに元に戻ってしまったり改善が不十分となってしまうのです。
ポイントとしては、筋肉には必ず、対になるものが存在します。
大腰筋の太ももを持ち上げる動きに対して、太ももを後ろへ動かす役割を持つ筋肉が存在します。
それがお尻の付け根から膝の裏側まで付いているハムストリングスという筋肉です。
大腰筋とハムストリングスは骨盤を介してお互いに関係し合っています。
さらに、ハムストリングスは足首の後脛骨筋に繋がっているので、
後脛骨筋を緩めることで大腰筋とハムストリングスも緩めることができ、それぞれの働きも高めることができます。
そけい部の痛み、裏ももとふくらはぎの硬さをチェックしてから以下の運動を試してみてください。
1.ふくらはぎの内側と骨の間を押す。
2.内くるぶしから膝の近くまで間をたどっていく。
3.たどりながら足首を左右へ回す。
4.特に硬さや痛みを感じる部位を中心的におこなう。
もう一度チェックしてみると、そけい部の痛みは改善、裏ももは適度な張りができてふくらはぎのは柔らかくなっているはずです。
<股関節と腰と骨盤の関係>
股関節運動では、太ももの大腿骨という骨が主に動きますが、なにも大腿骨だけが動くわけではありません。
大腿骨と一緒に骨盤と腰の背骨も動くことで、大きな動きを可能とし、そけい部にかかる負担を減らしています。
そけい部の痛みをチェックして以下の運動を試してみてください。
1、肩幅より少し広く足を開いて立つ。
2、胸の前で合掌する。
3、そのまましゃがむようにお尻を床へ近づける。
4、合掌した指先を見たまま天井に向かって手を伸ばして立ち上がる。
5、手を体の横へ開き、かくんと膝の力を抜く。
もう一度、そけい部の痛みをチェックすると改善しているはずです。
この運動によって、大腰筋が優位に働き、大腿骨と一緒に骨盤と腰の背骨が動きやすくなります。
<まとめ>
・そけい痛はそけい部周囲の筋肉が伸ばされたり縮んだり、繰り返されるストレスが原因
・そけい部周囲の筋肉が硬く股関節の動きが悪いと、鼠径部への負担は大きくなる。
・大腰筋は足首の後脛骨筋まで繋がりを持つ。
・大腰筋はハムストリングスと関係し合っている。
・股関節の運動は、大腿骨と骨盤と腰の背骨の動きが組み合わさって起こる。
そけい部痛でお悩みの方は、今回ご紹介した運動を是非お試しください。
筋肉のつながりと、それを踏まえた運動を是非試してみてください。
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