良い姿勢はカラダに悪い姿勢

子どもの頃や社会人になってからも、「背筋を伸ばせ」と、言われたことありませんか?

実は、世間一般的に言われる、いわゆる良い姿勢が必ずしも身体にとっても良い姿勢だとは限らないのです。

様々なライフスタイルがあるかと思いますが、生活の中で腰痛やふくらはぎの痛みや疲れなどの症状を感じ、良い姿勢を心がけようとすることが、かえって逆効果になっている場合もあるのです。

一体どういうことか一緒に見ていきましょう。

<良い姿勢の弊害>

背中がピンっと伸びた状態がいわゆる良い姿勢と言われています。

これは、背骨の中でも背中部分にあたる胸椎が真っ直ぐになることを指します。
背骨は首の頚椎(けいつい)、背中の胸椎(きょうつい)、
腰の腰椎(ようつい)の大きく分けて3つからなります。

合計24個もの背骨が連なって背骨を構成しています。

これらを横から見ると、頚椎と腰椎は前へ、胸椎は後ろへカーブを描くことで、全体で見るとS字状のカーブとなっています。

これには理由があり、この形だからこそ体にかかる衝撃を吸収、手足へ分散し、一箇所に負担が集中しないようになっています。

良い姿勢では、胸椎が真っ直ぐになり、S字が崩れるため、体にかかる負担が大きくなってしまうのです。

つまり、良い姿勢が腰痛などの症状を作り出してしまう要因になるのです。

<姿勢と呼吸の関係>

良い姿勢では、胸椎が真っ直ぐになり、背中にある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)という筋肉が緊張します。

すると、脊柱起立筋とつながりのある、

肩甲骨と背骨の間の菱形筋(りょうけいきん)も緊張し固くなると、あばら骨で構成される胸郭(きょうかく)は広がりにくくなり、呼吸しにくくなります。

具体的には、あばら骨の前側、みぞおちにある横隔膜(おうかくまく)が働きにくくなります。

横隔膜は呼吸に働くだけでなく、腰を守るためにも働くのです。

横隔膜が働くとお腹の方向へ下り、それによって腹圧がぐっと高まり、腰が安定するのです。

反対に呼吸が上手くできず、横隔膜が働いていない状態は腹圧が低く、腰が不安定ということ。

その結果、腰痛になる可能性があるのです。

<体にとっての良い姿勢>

では、どんな姿勢が良いのかと言うと、みぞおちを少し丸めた姿勢です。

それによって、胸椎は適度に丸みを帯び、脊柱起立筋、菱形筋も緩むため、呼吸を邪魔することもありません。
ですが、日頃から良い姿勢を意識していた方は横隔膜が固まっている可能性があるため、まずはほぐしてあげることが必要です。

以下の運動の前後で呼吸のしやすさを比較してみてください。1.椅子にすわってみぞおちを押さえる。

2.押さえたまま、体を曲げ伸ばしする。
3.押さえたまま、体を左右へひねる。

4.それぞれ、10回ずつ行う。

運動後は呼吸がしやすく、深く息を吸える感じがあるはずです。

<まとめ>

・一般的な良い姿勢が腰痛の原因かもしれない。
・背骨は真っ直ぐではなく、S字カーブを描いた状態が良い状態。
・良い姿勢を意識することは呼吸を浅くする。
・呼吸が浅くなると横隔膜が固まる。
・横隔膜が固まると腹圧が低くなる。

いかがでしたか?

子供の頃から思い込んでいた良い姿勢が体にとっては悪い影響もあ
るということを頭に入れ、過ごしてみてください。

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理学療法士 松井 洸

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