「立甲が出来ないんですよね…」
肩甲骨を立てる立甲。
初めて永井選手のコンディショニングサポートをしたとき、
このように現状を話してくれました。
担当しているアスリートの現状とイメージしているプレーに対しての差を埋めるトレーニング指導が出来るからです。
永井選手のプレーのイメージは、やはりドリブルでしょう。
このドリブルを支えていたのは、「脇」です。
永井選手はフォワードですので、ディフェンダーはドリブルを警戒してすぐに身体を当ててきます。
そのため、永井選手は身体を当てられても倒れないようにチーム練習の後に筋トレをするようになったと言います。
筋トレをしているときは、
・身体が大きくなっていると感じる。
・筋肉痛があると、まだまだ使えていない筋肉があったと感じる。
など、色々と変化を感じることがあり、それがいい方向に成長していると思っていました。
しかし、振り返ってみるとアウターマッスル主体の動きをする筋トレをしてしまい、
徐々にイメージ通りのパフォーマンスから遠ざかってしまいました…
しかし、体軸のトレーニングではインナーマッスル主体の動きをするトレーニングにしたことで、
全盛期のときに使っていた筋肉を主体に身体を動かせるようになったため、
当時の感覚を思い出すことができたのです。
練習でディフェンダーに身体を当てられそうになっても考える前に手で相手を押さえていたり、
相手に身体を当てられても相手の力をいなす動きが出来ていたことに永井選手は驚いていました。
特に相手を押さえるときには力をそんなに入れていなくても押さえることが出来ていたのですが、
これはインナーマッスルの前鋸筋を主体に使うことが出来ていたからです。
前鋸筋を主体に使うことが出来る前はアウターマッスルの三角筋を主体に使っていたため、
立甲をしてもらっても肩が上がってしまったり、肩甲骨同士が寄ってしまい上手く出来ていませんでした。
立甲をしながら動かしてもらい、角度によっては立甲が出来ていたのは、
その角度のときだけ前鋸筋が主体に使えていたからです。
私が永井選手の立甲を見て全く問題ないと感じた理由の1つは、
このように少しでも前鋸筋を主体に使う感覚が残っていたからでもあります。
今回は前鋸筋(脇)を主体に使いやすくするためのワークを紹介します。
まず、両腕を上げて上げやすさを確認して行います。
1. 右腕を上げ、右脇に左手の親指を入れて脇をつまむ。
2. 左手で右脇をつまみながら、右腕を前後10回ずつ回す。
[注意点]
右肩が上がらないようにする。
右脇を支点に腕を回す。
3. 左腕も同様に行う。
再度、両腕を上げます。
いかがでしょうか?
腕を上げるとき、肩が上がってしまう人はアウターマッスルの三角筋を主体に使っているのですが、
脇を支点に腕を上げるとインナーマッスルの前鋸筋を主体に使えています。
今回紹介したワークは前鋸筋を主体に使えるようにするためですので、
ぜひ継続してほしいです。
前鋸筋を主体に使えるようになると静止した状態での立甲は簡単に出来ると思いますが、
・前鋸筋の効果をさらに高めたい。
・サッカーの場面でどのように使えるのかを教えてほしい。
などなど、このように思った方のために来年1月にワークショップを開催しますが、
下記PDFでもワークなどを紹介しているので、是非ダウンロードして実践してみてください。
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