踏ん張らなくても踏ん張れるワケ

膝に力を入れて歩くと良い。

足の裏で踏ん張って歩くのが良い。

このような考えで歩く、または走っていませんか?

踏ん張ると言うと、力が入るから良いとおもうかもしれませんが、踏ん張りすぎると膝や腰の痛みを起こす原因にもなります。

実は踏ん張らなくても踏ん張れるのです。

矛盾したように聞こえますが、大事な考え方。

一体どういうことか一緒に見ていきましょう。

<踏ん張っている時の身体の状態>

踏ん張るというのは、恐らく足の指や足首、膝に力を入れ、地面を押すことを指しています。

やってみると分かりますが、自分でも力が入った感覚が実感しやすいため、それが良いものと思ってしまうのです。

しかし、それが本当に良いかと言うとそうでもなく、痛みの原因になりかねません。

この時、力が入りやすいのは以下の筋肉。

・前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

・すねの前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
・指を曲げる足趾屈筋(そくしくっきん)
・ふくらはぎの下腿三頭筋(かたいさんとうきん)

それぞれ体の前側、後ろ側の筋肉とつながっており、これらが緊張するとつながっている筋肉も緊張させます。

これらはアウターマッスルという、いわゆる身体の表面の大きな筋肉で、緊張しすぎて固まると身体の動きも固くぎこちないものとなります

つまり、踏ん張ることは力が入った感覚は得られやすいですが、身体の前側と後ろ側を固めてしまい、それが膝や腰の痛みを起こす原因になるのです。

<踏ん張らずに踏ん張る>

冒頭で述べた通り、実は踏ん張らなくても踏ん張れます。

言い換えると、大腿四頭筋や下腿三頭筋に必要以上に力を入れなくても、足が安定した地に足が着いたような感覚は得られます。

そのためには、アウターマッスルとは反対に身体の奥にあるインナーマッスルのつながりを活性化させること。

足のインナーマッスルは以下の通り。

・ふくらはぎの奥の後脛骨筋(こうけいこつきん)

・膝裏の膝窩筋(しつかきん)
・内ももの内転筋(ないてんきん)
・裏もものハムストリングス

・みぞおち〜そけい部(ビキニラインの真ん中)の大腰筋(だいようきん)

これら足のインナーマッスルが活性化することで、関節が安定するため、必要以上に力を入れなくても安定した感覚が得られます。

そのおかげでアウターマッスルは適度に緩み、スムーズに関節を動かしてくれるため、地に足が着いた感覚がありながらも楽に歩けます。

 
<インナーマッスルを活性化する運動>

以下の運動前後で歩く、または走った感覚の違いを比べてみてください。

・股関節スクワット

1.肩幅に足を開いて立つ。
2.そけい部をおさえる。
3.そけい部を支点に体を前に倒しつつ、お尻を後ろへ突き出す。
4.元の姿勢に戻る。

・足の裏叩き

1.内くるぶしの真下の足の裏をさわる。
2.片手でグーを作ってそこをトントンと叩く。

これらでインナーマッスルのつながりが活性化され、運動前より踏ん張らなくても地に足が着き、楽に歩けるはずです。

<まとめ>

・踏ん張りすぎると膝や腰を痛める可能性がある。

・踏ん張ると身体の前側、後ろ側を固める。
・インナーマッスルのつながりを活性化させると、踏ん張らなくても地に足が着いた感覚を得られる。

踏ん張った方が力が入った感覚が得られるため、そうやって歩くのが良いと思い込みがちですが、本当に良いのが疑う視点も必要です。

是非、今回の記事を参考にしてみてください。

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理学療法士 松井 洸
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