理学療法士の松井です。
高校サッカー界ナンバー1センターバックと呼び声高い、
関川郁万選手は右膝半月板の手術で半年もプレーから離れていましたが、
復帰後には術前よりプレーに磨きがかかっていたとニュースで見ました。
しかも、すごいイケメンで、顔も良いのに
スポーツもできて反則だと一瞬イラっとしました。笑
ですが、関川選手の一言に一流の選手は身体の感覚もやはり一流だと思い知らされました。
「頭からお腹まで1本の芯が通っているイメージで姿勢を意識した」
この言葉に復帰後でも前以上のプレーができた理由があります。
これが膝とどう関係するのか、一緒に見ていきましょう。
<1本の芯が通っている状態とは>
関川選手が言っていた「1本の芯が通っている」とは、
言い換えると体幹が安定した状態のことです。
どの筋肉を使えば安定するかと言うと以下の4つです。
・横隔膜(おうかくまく)
・腹横筋(ふくおうきん)
・多裂筋(たれつきん)
・骨盤底筋(こつばんていきん)
これらは体幹を上下前後から挟み込む形になっています。
4つの筋肉が活性化すると、その中心に芯が通ったような感覚が得られるのです。
<体幹の安定性と膝の関係>
体幹が不安定の場合、
膝は安定性を作るために周囲の筋肉を緊張させます。
体幹が安定していれば、
膝の筋肉は安定性を作るために筋肉の緊張を高める必要がなく、
膝本来の動きを作ることができるため、怪我をしにくくなります。
また、怪我をした膝には、
今まで以上に体幹の安定性が必要なので、1本の芯を作ることが重要なのです。
<筋肉のつながりから見る膝との関係>
体幹が安定すると、ある筋肉のつながりを介して膝の動きが良くなります。
先ほどの4つの体幹筋は、背骨の前側についている大腰筋(だいようきん)とつながっています。
さらに、大腰筋はハムストリングス、内転筋(ないてんきん)、
膝窩筋(しつかきん)、後脛骨筋(こうけいこつきん)につながっています。
これらはインナーマッスルのつながりで、関節が安定するには必須の筋肉です。
体幹の安定性に加え、膝自体の安定性も高まるため、負担なく膝が動くことができるのです。
<体幹を安定させるワーク>
これらの筋肉を活性化させ、体幹を安定させるには以下のワークがおすすめです。
ワークの前に前屈、後屈で体幹の動きや柔軟性、膝の動かしやすさをチェックしてください。
1.座る、または立ってみぞおちをさわる。
2.さわったまま、体幹を曲げ伸ばし。
3.さわったまま、体幹を左右へひねる。
4.さわったまま、体幹を左右へ倒す。
5.それぞれ10回ずつおこなう。
ワークの後は、体幹の動きが良くなるのはもちろん、膝の動きも良くなっていませんか?
<まとめ>
・体幹が安定すると膝の動きが良くなる。
・体幹が不安定だと、必要以上に膝が緊張してしまう。
・腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋が活性化した状態が体幹が安定した状態。
・体幹筋は筋肉のつながりを介して、足までつながっている。
姿勢が良くなったから膝が良くなったのではなく、姿勢が良くなった背景に何があるのかを考えることが重要です。
今回の場合、姿勢と膝が良くなっているので、それらに共通するのは何か?と考えてみると良いですよ。
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