猫背解消のために肩甲骨を寄せてはいけない理由

鍼灸師・パーソナルトレーナーの柴です。

「猫背解消には肩甲骨を寄せること」
これはよく耳にする事ですが、
実はこれをやると逆に猫背を助長してしまう事を、あなたは知っていましたか?

猫背を解消するには肩甲骨ではなく、全く関係なさそうに感じるある部位を動かす事が効果的なのです。

肩甲骨を寄せると猫背を助長してしまう理由、そして猫背解消に効果的なある部位とは一体どこなのか?
一緒に確認していきましょう。

[肩甲骨を寄せると猫背を助長する]

猫背の人は胸の大胸筋が固まり、肩が前に引っ張られています。
イメージ的には巻き肩みたいな感じです。
そのため、逆に肩甲骨を寄せれば良いみたいな発想になるのですが、それだと猫背を助長してしまうのです。
何故なら、肩甲骨を寄せる筋肉は肩を上げる筋肉だからです。

肩甲骨の間にある菱形筋は肩甲骨から背骨に向かって斜め上に走行していて、菱形筋は反対側の首の板状筋と繋がりがあります。
そのため肩甲骨を寄せて菱形筋を鍛えると、板状筋も働き肩が上がってしまうのです。

そして胸郭はこのように鳥かごのようになっていて、
肩が上がると肩甲骨がこの胸郭のラインに沿って上がります。
すると肩は前にいくため猫背になってしまうのです。

これを解決するには、胸の真ん中をほぐすのが効果的です。

[猫背を解消するなら胸の真ん中をほぐす事]

猫背になると胸の大胸筋や、背骨を丸める腹直筋、
頭を前に引っ張る胸鎖乳突筋が固まるのですが、
これらをまとめて緩めることができるのが胸の真ん中です。

胸の真ん中の筋膜はこれら全てと繋がってるので、ほぐすとまとめて緩ませる事ができます。

そしてそこから更に、股関節を動かすとより効果的です。

[股関節を動かすと更に効果的]

冒頭に書いた全く関係なさそうに感じるある部位とは股関節のこと。

猫背の人は背骨が丸まり、股関節が前に移動しているため股関節に乗って立つ事ができません。
股関節には体幹のインナーマッスルである大腰筋があり、この筋肉は体幹を安定させつつ姿勢を保持する働きがあるので、
良い姿勢を保つには大腰筋をきちんと働かせる必要があります。

そのため股関節を動かすことは、猫背解消には必要不可欠なことなのです。

[猫背を解消する2つのワーク]

猫背を解消するには胸の真ん中ほぐしと、股関節を動かす体操が効果的です。胸の真ん中ほぐしで大胸筋・腹直筋・胸鎖乳突筋を緩めて、股関節を動かす体操で大腰筋の働きを高めていきます。

肩甲骨を寄せるのと2つのワークでどのような違いがあるのかを確認するために、まずは肩甲骨を寄せて力を入れてみてください。
そしてその後、後屈をおこなっていきましょう。何故かというと、猫背の人は背骨が丸まっているため、逆に反っていく後屈が苦手なためです。

これで今のやりやすさを覚えておいてください。

次に2つのワークをおこなっていきます。

〈①胸の真ん中ほぐし〉

1.胸の真ん中に指をあてる。
2.指で圧をかけながら上下に動かしほぐしていく。

〈②股関節を動かす体操〉

1.足を腰幅に広げ、つま先を前に向ける。
2.鼠径部(恥骨の横)を触りながら股関節を曲げてお尻を後ろに引く。この時裏ももが伸びているのを感じる。
3.股関節を伸ばして元の体勢に戻る。
4.これを10回繰り返す。

詳細なやり方は動画でご確認ください。
無料動画

では再度後屈をしていきましょう。

いかがでしょうか?2つのワークの後の方がやりやすいと思います。

このように猫背解消には、肩甲骨を寄せるよりも、

胸の真ん中をほぐすことと股関節を動かすことの方が効果的なので、お悩みの方はぜひ2つのワークを実践してください。

[まとめ]

・肩甲骨を寄せると菱形筋から板状筋が働き、肩が上がって猫背を助長する。
・胸の真ん中をほぐすと大胸筋・腹直筋・胸鎖乳突筋が緩んで背筋が起きる。
・股関節を動かすと大腰筋が働き、良い姿勢を作る事ができる。
・2つのワークで猫背が解消される。

 

 

 

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横浜鶴見・蒲田を拠点に活動するパーソナルトレーナー。
痛みのない動ける身体を作るための方法を発信中。
鍼灸師/NSCA認定パーソナルトレーナー/JCMA認定体軸セラピスト