こんにちは
理学療法士の松井洸です。
速く、楽に走りたい!
これはどの競技においても言えることですが、
身体の使い方を間違えると膝を痛めてしまいます。
膝を痛めない走り方で重要なのが「股関節」です。
一体どういうことか一緒に見ていきましょう。
<膝を痛める走り方>
股関節は上半身と下半身を繋ぐ関節であるため、
ここを上手く使えるかどうかが要になります。
しかし、膝を痛める人の走り方は、
膝がメインに動いて走っています。
膝がメインになると上下に飛ぶような走り方になり、
前へ進みにくくなってしまいます。
膝は股関節と違って前後に大きく動く構造ではないため、
膝で走ると前には進みにくくなるのです。
その結果、
膝の筋肉が必要以上に働きすぎて負担が強くなり、
膝の動き自体も悪くなってしまいます。
この時、前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、
外ももの腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が働き、
これらは膝だけでなく股関節にも付いています。
そのため、膝だけでなく股関節の動きも悪くしてしまいます。
また、大腿四頭筋はすねの前脛骨筋(ぜんけいこつきん)とのつながり、
腸脛靭帯は腓骨筋(ひこつきん)とのつながりがあります。

このつながりによって、足全体の動きを悪くしてしまう可能性があります。
<股関節が上手く使える走り方>
膝ではなく、股関節がメインに動いて走っています。
股関節は前後に大きく動くので、
前へ進むには適しており、膝の筋肉への負担は少なくて済みます。
この時、裏もものハムストリングス、
内ももの内転筋(ないてんきん)が働きます。
これらは大腿四頭筋と腸脛靭帯とは反対の働きを持ちます。
筋肉には反対の筋肉の働きを弱める特性があり、
それによってハムストリングスと内転筋が働くと、
大腿四頭筋と腸脛靭帯はゆるみます。
ハムストリングスはふくらはぎの下腿三頭筋(かたいさんとうきん)、
内転筋は膝裏の膝窩筋(しつかきん)、
ふくらはぎの奥の後脛骨筋(こうけいこつきん)とつながりがあります。
ハムストリングスと内転筋を上手く使えると、
膝への負担が減るだけでなく、
筋肉のつながりによって足全体を使って走ることができるのです。
また、ハムストリングスと内転筋は、
股関節のインナーマッスルである大腰筋(だいようきん)ともつながりがあります。

インナーマッスルは関節を安定させる役割があり、
大腰筋が働くことで股関節が安定しつつ、
ダイナミックに動くことができます。
つまり、ハムストリングスと内転筋を働かせると、
膝への負担をかけずにダイナミックな走りができるのです。
<股関節を上手く使う運動>
以下の運動前後で走っている時の股関節と膝の動かしやすさを
比べてみてください。
1.肩幅に足を開いて立つ。
2.そけい部(ビキニラインの真ん中)をさわる。
3.そけい部を支点に、お尻を後ろへ突き出しながら身体を前へ倒す。
4.元の姿勢へ戻る。
運動前より股関節も膝も動かしやすくなっていませんか?
股関節を支点に動かしたことで、ハムストリングス、内転筋、
大腰筋が働きやすくなったからです。
<まとめ>
・膝で走ると膝を痛めてしまいやすい。
・膝で走ると股関節の動きも悪くなる。
・股関節で走ると膝への負担は少ない。
・股関節で走るとダイナミックな走りができる。
何か動作を見るときは、どこを支点に動くのか、その支点となる場所がどのように変化していくのかに注目してみてください。
そういった見方が、動きを見るポイントになります。
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