こんにちは
理学療法士の松井洸です。
足腰を鍛えたい。足をすらっと引き締めたい!
このような気持ちがあっても、スクワットの形だけ真似すると膝を痛めてしまうことがあります。
膝を痛める人と痛めない人の違いは、スクワットで動く場所が違うのです。
膝を痛める人の多くは、膝を中心に動くのに対して、痛めない人はどこが中心に動くのか。
一緒に見ていきましょう。
<膝を痛めるスクワット>
膝を痛める人のスクワットは、膝が大きく曲がります。
膝が曲がると、前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が伸ばされます。
これらが伸ばされながらも緊張することで、膝を守るために安定させます。

大腿四頭筋を緊張させる方法でスクワットを繰り返すと、
ますます緊張が高まり、関節の動きを邪魔してしまいます。
関節の動きが悪くなる、筋肉が過剰に緊張してしまうことで、
膝の痛みの原因になってしまうのです。
この方法は、筋肉自体を大きくすることはできますが、
膝を守るために過剰に緊張している状態です。
なので、それが大きな力を発揮することにはつながりにくいですし、膝を痛めてしまっては本末転倒です。
<膝を痛めないスクワット>
膝を痛めない人のスクワットは、膝はほとんど曲がらず、股関節が大きく曲がります。
股関節を大きく曲げると、大腿四頭筋は緊張せず、裏もものハムストリングスが伸ばされて緊張します。

大腿四頭筋とハムストリングスはお互いに反対の動きを持つ筋肉で、
どちらかが緊張しすぎるともう一方の働きを邪魔してしまいます。
そして、ハムストリングスは股関節のインナーマッスルである
大腰筋(だいようきん)ともお互いに反対の動きを持ち関係し合っています。

なので、大腿四頭筋が過剰に緊張すると、
ハムストリングスの働きを邪魔し、それがまた大腰筋の働きをも邪魔してしまうことになるのです。
逆にハムストリングスを上手く働かせることで、大腰筋の働きを高めることができます。
大腰筋は股関節におけるインナーマッスルなので、股関節を安定させる役割があります。
股関節が安定することで、周りにあるお尻や太ももの筋肉も適切に機能を発揮することができるのです。
要は、足の力を発揮するためには大腰筋の働きが必須ということです。
つまり、膝を大きく曲げるような方法ではなく、
股関節を大きく曲げる方法でスクワットすることがポイントになるのです。
<インナーマッスルとアウターマッスル>
反対の動きを持つ関係だけでなく、大腿四頭筋と大腰筋は身体の深部のインナーマッスルと表面のアウターマッスルという関係性にあります。
インナーマッスルが関節を安定させるのに対し、アウターマッスルは関節を動かすための筋肉です。
関節の安定性がないと、アウターマッスルも十分に働けませんし、それがまた過剰に筋肉を緊張させてしまう原因になります。
つまり、大腰筋による関節の安定が大腿四頭筋の過剰な緊張を抑える役割も果たしているのです。
<膝を痛めないスクワットの方法>
膝の痛み、前ももの硬さを確認して以下の方法でスクワットしてみてください。
1.肩幅に足を開いて立つ。
2.そけい部(ビキニラインの真ん中)をさわる。
3.膝を少しだけ曲げ、お尻を突き出しつつ身体を前に倒す。
4.倒した位置で太ももの裏をトントンと叩く。
5.元の姿勢に戻る。
スクワットした後は膝の痛み、前ももの硬さが和らいでいませんか?
ハムストリングスが働く方法でスクワットすることで、大腰筋も働き、大腿四頭筋の緊張が抑えられたのです。
<まとめ>
・膝を大きく曲げるスクワットは大腿四頭筋と腸脛靭帯を過剰に緊張させる。
・股関節を大きく曲げるスクワットはハムストリングスが働く。
・ハムストリングスと大腿四頭筋は反対の働きを持つ。
・ハムストリングスと大腰筋も反対の働きを持つ。
・大腿四頭筋と大腰筋はインナーマッスルとアウターマッスルの関係性にある。
同じスクワットでも少しやり方が違うだけで効果が変わります。
スクワット以外の運動でも、やり方を変えるとどうなるのか考えてみるのも良いですよ。
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