姿勢は気をつけているけど、腰が痛い時がある…
背骨が真っすぐになっている姿勢は見た目はきれいですが、腰痛を起こす原因の1つになります。
それはなぜなのか、一緒に見ていきましょう。
<良い姿勢が腰痛を起こす理由>
背骨は本来、首、背中、腰とそれぞれがS字カーブを描いており、そのS字カーブがたわむことで、身体にかかる負担を吸収しています。
しかし、背骨は全体が一直線に近づくと、負担を和らげる機能は発揮することができなくなります。
すると、背骨の近くの靭帯や筋肉にも負担をかけることになり、それが腰痛を起こす原因になるのです。
真っすぐが良いのは見た目だけで、身体を守る機能としては良くないと言えます。
<身体にかかる負担を減らすには>
マッサージなどで腰痛が一時的に良くなっても、背骨が真っすぐのままだとしたら、また腰痛を感じる可能性は高いです。
そうならないためには、背骨の本来のS字のカーブを取り戻すようにすることが必要です。
そこで必要なのが、腹筋と背筋のバランスをとること。
たとえば、背筋の脊柱起立筋が働きすぎていることが、背骨を真っすぐにすることを強くしているので、腹筋を働かせる必要があります。
ただ、背骨が真っすぐな状態は腰にも負担がかかりやすいため、闇雲に腹筋することはかえって腰痛を強くしてしまうかもしれません。
そこでポイントとなるのが、大腰筋です。この筋肉は背骨のS字カーブを作る筋肉の1つで、しかもインナーマッスルです。
インナーマッスルは関節を安定させる役割を持つので、大腰筋が働くことで腰にかかる負担を和らげることができるのです。
さらに、
大腰筋は、腹横筋(ふくおうきん)や腹斜筋(ふくしゃきん)という腹筋とつながりを持っています。
腹斜筋は、脇にある前鋸筋(ぜんきょきん)とも繋がっています。
前鋸筋
↓
腹横筋
↓
腹斜筋
↓
大腰筋
このような筋肉のつながりを利用して、大腰筋が働きやすい状態を作ることで、腰へ負担をかけずに腹筋することができます。
<大腰筋を働かせる腹筋の方法>
以下の腹筋運動の前後で、腰の痛みを比べてみてください。
1.仰向けで両膝を立てる。
2.両手を前へならえにして、指先を突き出す。
3.突き出しつつ、身体を起こす。
4.突き出しつつ、身体を元に戻す。
5.10回程度繰り返す。
運動前より腰痛が和らいでいませんか?
腕を突き出すことで脇にある前鋸筋が働き、それによって大腰筋も働きやすくなります。
その結果、腰が安定するので、腰痛が和らいだのです。
<まとめ>
・背骨が真っすぐになりすぎると腰痛を起こす可能性がある。
・背骨はS字のカーブをえがくことで身体にかかる負担を和らげている。
・背骨の関節に負担がかかると、その周りの靭帯や筋肉にも負担をかける。
・身体にかかる負担を和らげるために背筋が過剰に緊張する。
・背筋と腹筋のバランスが腰を安定させる。
・背筋と腹筋のバランスをとるにはインナーマッスルを働かせる。
世間一般では良い姿勢も実はそれが腰痛の原因となっている可能性があります。
良い姿勢ばかりに惑わされず、身体にとっても良い姿勢なのかを考える必要があります。
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