こんにちは
理学療法士の松井洸です。
お尻を綺麗に見せたい。
垂れたお尻を何とかしたい。
こんな想いからお尻の筋トレに励む方も多いですが、闇雲にしても逆効果になることを知っていますか?
逆効果にならず、効果的にお尻を鍛えるには、股関節のある筋肉の3つの機能が重要になります。
そして、股関節の付け根をさわると、効率的にヒップアップできます。
どういうことか、詳しく見ていきましょう。
<お尻を鍛えて綺麗に見えない理由>
お尻の筋肉は、大殿筋(だいでんきん)、中殿筋(ちゅうでんきん)といった殿筋群から構成されています。
殿筋群の働きの1つに、骨盤を後ろへ傾けるというものがあります。

これによって、立った状態で殿筋群が過剰に働くと、
太ももに対して骨盤が後ろへ傾きます。
それに伴い、関節のつながりで腰が丸く、
股関節と膝が曲がる方向に動きやすくなります。
この姿勢では、お尻が垂れる方向へ各関節が動いています。
つまり、お尻を鍛えすぎるとお尻が垂れて見えてしまう可能性もあるということです。
お尻を鍛えても垂れて見えないようにするためには、大腰筋(だいようきん)という股関節のインナーマッスルの機能が重要です。
大腰筋の主な機能は以下の3つです。
・骨盤を前に傾ける
・背骨を真っすぐに保つ
・股関節を安定させる
それぞれお尻に関連させて、順番に解説します。
<骨盤を前に傾ける>
殿筋群は骨盤を後ろへ傾けるのに対し、大腰筋は骨盤を前へ傾けます。

殿筋群だけが過剰に働きすぎると骨盤は後ろへ傾いてしまいますが、
大腰筋が働いていれば骨盤を正中に保つことができます。
殿筋群と大腰筋は骨盤を介して、
互いに拮抗しあう関係にあるので、
どちらかだけが働きすぎると骨盤は一方へ傾いてしまいます。
筋肉の特性としても、拮抗しあう筋肉の一方が働きすぎると、
もう一方は働きが邪魔されてしまうため、働きが弱くなってしまうのです。
そうならないために、殿筋群ばかり鍛えずに大腰筋も働きやすい状態へ整える必要があるのです。
<背骨を真っすぐに保つ>
骨盤が後ろへ傾くのに伴い、腰は曲がりやすくなります。
ですが、大腰筋は背骨を真っすぐに保つ機能があるので、
大腰筋が働くことで腰が曲がることを防ぐことができます。

また、元々腰周りの筋肉が弱いと腰は曲がりやすく、それによって骨盤も後ろへ傾きやすくなります。
これでは、腰からの影響で骨盤が後ろへ傾いているので、臀筋群をいくら鍛えてもお尻は垂れて見えるままです。
そこで、元々の腰の弱さを解消するためにも大腰筋がポイントになります。
<股関節を安定させる>
骨盤が後ろへ傾くと、股関節と膝は曲がりやすくなります。
この影響で、前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は膝がさらに曲がるのを防ぐために、常に緊張した状態になります。

大腿四頭筋は膝だけでなく、股関節を曲げることにも働く筋肉です。
大腿四頭筋は股関節のアウターマッスルで、インナーマッスルの大腰筋と拮抗し合う関係にあります。
インナーマッスルは関節を安定させる筋肉なので、アウターマッスルが過剰に働くと関節は不安定となり、それを防ぐために大腿四頭筋はさらに緊張します。
それがさらに股関節を曲げることに働き、骨盤が後ろに傾いた状態から前へ傾けることが難しくなります。
つまり、股関節の安定性を高め、大腿四頭筋の働きを弱めるために大腰筋の働きが重要なのです。
<大腰筋の働きを高める運動>
以下の運動をした後に臀筋群のトレーニングをしてみてください。
1.肩幅に足を開いて立つ。
2.片手はみぞおちに、もう片手はそけい部(ビキニラインの真ん中)をさわる。
3.さわっている側の股関節を後ろから前へ回す。
4.さわっている側の股関節を前から後ろへ回す。
5.手を入れ替えて反対も行う。
この運動をしてから臀筋群を鍛えるようにすると、お尻は垂れずにヒップアップすることができます。
<まとめ>
・お尻を鍛えすぎると骨盤が後ろへ傾き、垂れて見える可能性がある。
・お尻を綺麗に見せるには大腰筋の働きが重要。
・大腰筋が働くと骨盤が後ろへ傾かずに正中を保つことができる。
・大腰筋が働くと腰が曲がらずに真っ直ぐ保つことができる。
・大腰筋が働くと股関節が安定して大腿四頭筋の過剰な働きを弱めることができる。
トレーニングをする際は、良いことばかりではなく、悪い影響もあるかもしれないと考えてするようにしましょう。
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