腹筋を割りたい!
そう思って、腹筋を鍛えた方はたくさんいますが、
腹筋が割れるどころか、かえって身体は重く動きにくくなり、
腰を痛めてしまった方が多くいます。
腹筋を鍛えつつ、身体も軽く動かしやすくする方法を一緒に見ていきましょう。
<上体起こしのデメリット>
仰向けで両膝を立てて、膝に向かって上体を起こすという方法が
一般的な腹筋の方法です。
この方法で、いわゆるシックスパックと呼ばれる腹直筋(ふくちょくきん)という筋肉が鍛えられます。

ですが、腹直筋を鍛えすぎるとデメリットもあります。
それは、体幹のインナーマッスルが働きにくくなることです。
<体幹のインナーマッスル>
腹直筋はいわゆるアウターマッスルと呼ばれる身体の表層の筋肉です。
そんなアウターマッスルと対になるのが、身体の深層にあるインナーマッスルと呼ばれる筋肉です。
体幹で言うインナーマッスルにあたる筋肉が、腹横筋(ふくおうきん)、大腰筋(だいようきん)といった筋肉です。

インナーマッスルは関節を安定させる機能があり、
アウターマッスルは関節を動かす機能があります。
体幹で言うと、腹横筋、大腰筋が背骨を安定させてくれるからこそ、
腹直筋が背骨を動かして上体を起こすことができるのです。
しかし、筋肉にはアウターマッスルが働きすぎると
インナーマッスルが働きにくくなるという特性があります。
一般的な腹筋では、
腹横筋、大腰筋に比べて腹直筋が働きすぎる可能性があります。
なので、腹直筋自体は鍛えられ、腹筋は割れるかもしれませんが、
インナーマッスルはどんどん働きにくくなってしまうのです。
<インナーマッスルが働かないデメリット>
インナーマッスルは関節を安定させると言いました。
関節が安定しないまま関節を動かすと、
関節は不安定なまま動くことになるので、
関節や関節の周りの組織を傷つけてしまうリスクがあります。
それが腰痛につながったりするのです。
ですが、腹直筋が緊張していると腹横筋、大腰筋は働きにくく、
関節は安定できません。
では、どうやって関節を安定させるかと言うと、
腹直筋をさらに緊張させます。
アウターマッスルの腹直筋をさらに緊張させて、
関節自体の動きを制限することで関節へ負担がかからないようにするのです。
アウターマッスルの本来の機能は関節を動かすことなので、
関節を動かすことと関節を安定させることの2つの機能を同時におこなおうとすることは無理があるのです。
その結果、身体は重く感じ、動きはぎこちなくなってしまうのです。
<インナーマッスルを働かせた腹筋>
腹筋を鍛えつつ、インナーマッスルを働かせるには、
前鋸筋(ぜんきょきん)を使います。
前鋸筋は肩甲骨の内側からあばら骨に伸び、
お腹を対角線に反対の股関節へ伸びる腹斜筋(ふくしゃきん)につながります。
腹斜筋は深層の腹横筋、大腰筋とのつながりがあります。
前鋸筋
↓
腹斜筋
↓
腹横筋
↓
大腰筋

このような脇から体幹のインナーマッスルへのつながりがあるのです。
つまり、前鋸筋を使いつつ腹筋することで、
インナーマッスルを使いつつ腹直筋を鍛えることができるので、
身体は軽く動きやすくなっていきます。
以下の運動前後で、
その場で前屈したり歩いたりして身体の動かしやすさを比べてみてください。
1.仰向けで両膝を立てる。
2.両手を天井に向けて突き出す。
3.両手を突き出しつつ上体を起こす。
4.両手を突き出しつつ元に戻る。
運動後は身体は軽く動かしやすくなっていませんか?
前鋸筋を使って腹筋したことで、つながりのあるインナーマッスルの筋肉も働くようになったからです。
<まとめ>
・腹筋しすぎると身体が重く動きにくくなる可能性がある。
・腹筋しすぎると体幹のインナーマッスルが働きにくくなる。
・一般的な腹筋では、腹筋は割れても身体は重く動かしにくくなっていく。
・前鋸筋は体幹のインナーマッスルとのつながりがある。
同じ腹筋でも少し視点とやり方を変えるだけで効果が変わります。
世間一般で言われているようなスタンダードな方法であったとしても、それが必ずしも正しい、身体にとって良いとは限らないということを頭に置いておいてください。
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