体幹を鍛えれば、身体が安定してスポーツのパフォーマンスが上がるといったことから数多くのアスリートが体幹トレーニングを行なっています。
けれど、体幹を鍛えたことでパフォーマンスが上がったという人もいる一方で、パフォーマンスが上がらず怪我をしやすくなってしまったという人もいます。
同じようなトレーニングをしているはずなのに、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?
怪我をしやすくしてしまう体幹の鍛え方
体幹トレーニングで体幹を鍛えているにも関わらず、怪我がしやすくなってしまったり、パフォーマンスが伸びなくなってしまう原因はいくつかありますが、よくある原因としては3つあります。
1.肩が上がっている
2.背中(腰)が反っている
3.股関節が抜けている
1.肩が上がっている
肩が上がってしまっている状態というのは、三角筋や僧帽筋など肩のアウターマッスルが必要以上に働いてしまっています。
これらのアウターマッスルが働くと、体幹を安定させる役割を持つ体幹のインナーマッスルが働きにくくなってしまい、体幹が安定しなくなってしまいます。
また、肩のアウターマッスルは必要以上に働くと肩の動きを制限してしまい、肩への負担が大きくなってしまうのです。

2.背中(腰)が反っている
背中(腰)が反ってしまっている状態は、脊柱起立筋や広背筋などの背中のアウターマッスルが必要以上に働いてしまっている状態です。
背中のアウターマッスルが必要以上に働くと、身体を安定させる多裂筋や大腰筋などの体幹のインナーマッスルが働きにくくなります。
また、それによって腰への負担が大きくなり、腰を痛める原因にもつながることがあります。

3.股関節が抜けている
股関節が抜けた状態というのは、股関節が前に突き出てしまって、重心が前にいっていることを指します。
重心が前にいくと大腿四頭筋といったもも前のアウターマッスルが必要以上に働くようになります。
もも前のアウターマッスルは腹筋(腹直筋)と繋がっており、もも前の筋肉が必要以上に働くと、腹筋も働きやすくなってしまい、結果として体幹のインナーマッスルが働きにくくなってしまうのです。

体幹トレーニングを効果的にする2つの重要なポイント
体幹トレーニングで怪我をせず、身体のパフォーマンスを上げていくにあたって重要になってくるのが、アウターマッスルの過剰な働きを抑えた上で、体幹のインナーマッスルを働かせていくということです。

そして、体幹のインナーマッスルを働かせるには2つのポイントがあります。
それが、脇と股関節を同時に使っていくということです。
脇にある前鋸筋と股関節にあるハムストリングスはいくつかの筋肉(腹斜筋)を介し、体幹のインナーマッスルにつながっています。
そのため、脇と股関節を同時に使っていくことで、体幹のインナーマッスルが働きやすくなり、アウターマッスルの働きが抑えられるようになります。
ですので、体幹トレーニングするときはこれら2つのポイントを意識することで、身体を安定させ、パフォーマンスの向上をすることができるようになるのです。


脇と股関節を使った体幹トレーニング
今回は体幹トレーニングの中で最もポピュラーなプランクを例に脇と股関節を同時に使っている感覚を体感していただこうかと思います。
ワークを行なっていく前に一度プランクの姿勢をとってどこに力が入っているのか、辛い部分や痛い部分がないか覚えておいてください。
次に、股関節を使った感覚を確かめていきます。
1.足を腰幅に広げ、つま先を前に向け、足の位置を揃える。
2.股関節のV ラインの真ん中(恥骨の横)を触りながら股関節を曲げてお尻を後ろに引く。この時裏ももが伸びているのと足の裏のアーチが引き上がっている感覚を確かめる。
3.股関節を視点に元の位置に戻っていく。
4.これを10回繰り返す。
動画はこちら
https://youtu.be/beEC_45Nv3M
股関節の感覚を確かめたら次に脇を使いながらプランクの姿勢をとっていきます。
1.膝立ちになり、みぞおちを少し丸める。
2.両手を前に伸ばして、前ならえの体勢になる。
3.その状態のまま肩を下げ、先ほどの体操で触った脇に力を入れる。
4.その感覚を保ったまま両手を地面につけて、膝を伸ばし、股関節を軽く引いた状態で脇を使って身体を支える。
これら2つのポイントを上手く使うことができていれば、最初に行ったプランクよりも楽に姿勢がキープできているかと思います。
これは、脇と股関節を使ったことによって、前鋸筋とハムストリングスが働き、つながっている体幹のインナーマッスルが働きやすくなったからです。
体幹のインナーマッスルが働いた状態で体幹トレーニングをすることができれば、身体を全体を安定させることができるので、一流アスリートのようにスポーツでのパフォーマンスを上げることができるようになります。
スポーツや身体を動かす機会が多く、体幹トレーニングを行うことがあるという方は、ぜひ意識してみてください。
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