こんにちは
理学療法士の松井洸です。
例えば首のコリですが、マッサージやストレッチをしても、
その場だけの改善で終わってしまいます。
実は首コリは、肩や腰、
股関節にまで多岐に渡って影響を及ぼすため、
首だけの問題ではなくなっているのです。
首のコリが身体へどういう影響を与えるのか、一緒に見ていきましょう!
<首は影響を受けやすい場所>
背骨は首の頸椎(けいつい)、背中の胸椎(きょうつい)、腰の腰椎(ようつい)の3つに分けられます。

頸椎の上には頭部が乗っていて、頸椎は頭部と胸椎に挟まれる形になっています。
頭部は4〜6kgもの重量があるため、頭部が少し前に出ただけで、首もそれに合わせて前に出ます。
また、背中を丸めて胸椎が曲がっても、上にある頸椎は前に出ます。
このように、頸椎は簡単に位置が変わってしまう場所にあるのです。
なので、首の問題は首以外に問題があることが多いです。
<身体全体へ悪さをする僧帽筋>
首で問題となりやすいのは、僧帽筋(そうぼうきん)です。
後頭部から肩、背中にかけて広く付いている筋肉のため、僧帽筋が硬くなると頸椎や胸椎の動きを大きく制限してしまいます。
その結果、首のコリや痛みが起こりやすくなります。
また、僧帽筋が硬くなることで、肩、腰、股関節の動きも悪くしてしまう可能性があります。
僧帽筋は肩の側面にある三角筋(さんかくきん)とつながりがあるため、僧帽筋の硬さは三角筋にも影響を与えます。
すると、肩が動かしにくくなり、肩の動きの悪さ、肩の痛みを起こす可能性もあります。

さらに、僧帽筋は腰から腕に付く広背筋(こうはいきん)ともつながりがあり、僧帽筋の硬さは広背筋にも影響するため、腰の動きの悪さ、痛みも起こす可能性があります。

そして、広背筋からお尻の大臀筋(だいでんきん)にもつながっており、僧帽筋の硬さが大臀筋まで影響すると、股関節の動きの悪さ、痛みを起こす可能性があります。

このように、僧帽筋の硬さが原因で首だけでなく、肩や腰、股関節にまで影響を与えるため、色々な場所に痛みを起こす可能性があるのです。
<僧帽筋を緩めるには多裂筋>
僧帽筋は表面にある大きな筋肉で、いわゆるアウターマッスルです。
主に関節を動かすために働きます。
反対に、深層にある小さな筋肉をインナーマッスルと呼びます。
頸椎から胸椎にあるインナーマッスルは多裂筋(たれつきん)と呼ばれ、背骨の関節を安定させるように働きます。
インナーマッスルが効いていないとアウターマッスルで背骨を安定させようとするため、僧帽筋が過剰に緊張して硬くなります。
ですが、多裂筋が働いていれば、僧帽筋が緊張して関節を安定させる必要がないので、僧帽筋は緩みます。
つまり、僧帽筋を緩めるには、多裂筋を働かせる必要があるのです。
以下の運動前後で首や肩、腰などの動かしやすさ、痛みを比べてみてください。
1.横向きに寝る。
2.両腕を顔の前方へ真っ直ぐ伸ばす。
3.両手を合わせる。
4.上側の手を大きく前後へ動かす。
5.背中から動かすように手を前後に10回程度動かす。
胸椎は背骨をひねる動きに関わり、背中から手を動かすようにすると、結果的にひねる動きが加わるため、多裂筋が働きます。
そして、僧帽筋が緩むので、色々な症状が解消されるのです。
<まとめ>
・首のコリや痛みは僧帽筋が関与する。
・頸椎は頭部と胸椎の間にあり、それぞれから影響を受けやすい。
・僧帽筋の影響で肩、腰、股関節にも影響を与える。
・インナーマッスルの多裂筋が働くと僧帽筋が緩む。
色々な症状には実は関連性があることも多いです。
そういった場合、関連するポイントを解消した方が1つ1つの症状に対して考えるよりずっと早く症状が良くなります。
このような視点でも考えてみてくださいね。
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