オリンピック選手や世界トップのアスリートが必ず習得している身体の使い方に「立甲」というものがあります。
この「立甲」という肩甲骨を立たせる身体の使い方ができると、身体を動かすとき必要最低限の力で大きな力を発揮することが出来るようになるのですが、あなたはこのことをご存知ですか?
肩甲骨を立たせるとは
「立甲」とは肋骨に対して肩甲骨が垂直に立っている状態のことです。
この肋骨に対して肩甲骨が垂直に立っているというのは、脇の筋肉(前鋸筋)が働き、肩周り(三角筋)や背中(僧帽筋)のアウターマッスルの無駄な力が抜けている状態のことを指します。

このような状態になると、広い範囲でゼロポジションが獲得できるようになります。
ゼロポジションとは、肩甲骨と上腕骨が平行な位置関係にある状態で、肩関節を安定させる役割を持っている筋肉(ローテーターカフ)が働きやすくなり、肩を安定させることが出来るようになります。

肩関節を安定させた状態を作ることが出来れば、肩自体への負担が減らせるだけでなく、肩回りや背中周りのアウターマッスルに無駄な力が入らずに最低限の力で上半身を動かすことが出来るようになります。
そして、脇の筋肉が働くことによって、繋がっている脇腹の筋肉(外腹斜筋)や体幹のインナーマッスル(大腰筋や横隔膜など)を連動させて身体を動かすことが出来るようになります。

繋がっている筋肉同士を連動させて動かすことが出来れば、
下半身からの力を上半身へ、上半身からの力を下半身へ効率的に力を伝えることが出来るようになるので、スポーツで身体を動かすときに必要最低限の力でより大きな力を発揮することが出来るようになるといったわけです。
ちなみにですが、最近でニュースで、野球の大谷翔平選手は肩甲骨が柔らかく、立てることができると特集されていました。
彼のような世界トップのアスリートが立甲を習得しているのは、立甲の状態で身体を動かすことによって、ゼロポジションの獲得と脇の筋肉を働かせ、全身を連動させてより質の高いパフォーマンスを発揮するとができるといった理由があるからなのでしょう。
立甲のやり方と注意点
・肩の真下に手をつき、指先はまっすぐ正面を向け、膝は股関節の真下につく。
・両腕で床を押すことで、胸を丸めて肩甲骨間を拡げ、広い背中を作る。
・肩を下げながら、脇を締め、脇の下の力を感じながら床を押す。
・さらに脇を締めたまま頭を垂らし、おへそを地面に近づけていくと肩甲骨が浮き出てくる。
※動画はこちら
https://youtu.be/kjAosluYs1c
立甲を行なっていくときの注意点としては、アウターマッスルに力が入りすぎないようにするということです。
特に、肩甲骨が立っていても肩が上がった状態で立甲をしてしまうと、肩周りのアウターマッスルが働きやすくなってしまい、脇の筋肉を使うことが出来なくなってしまいます。
肩甲骨が立っているかどうかという見た目だけでなく、脇の筋肉がしっかりと使えているかどうか確認しながら行うと良いでしょう。
しっかりと立甲が出来るようになれば、ゼロポジションの獲得や全身を連動させた身体の使い方が出来るようになるので、最小限の力でより大きな力を発揮することが出来ます。
スポーツはもちろんのこと、日常の生活にも活かすことが出来ますので、ぜひあなたも試してみてはいかがでしょうか。
立甲を学べて、運動に必要な解剖学を学べる講座
【体感アナトミーはこちら】
↓ ↓ ↓
https://shop.metaaxis.co.jp/product/therapist-feel-anatomy/
最新記事 by 体軸コンディショニングスクール (全て見る)
- ビックボスの秘策⁉新庄監督から学ぶ姿勢の極意 - 2022年3月10日
- こどもの運動神経が良くなる肩甲骨の使い方 - 2022年3月8日
- 靴底で分かるこどもの歩き方の特徴 - 2022年2月22日