体軸コンディショニングスクールの上田です。
学生時代、陸上の十種競技をしていた僕には、深刻な悩みがありました。
それは、肩を挙げると生じる謎の激痛でした。
槍投げの種目の際には、激痛に顔を歪めていたことをよく覚えています。
病院に行き、レントゲンやMRIで患部を診てもらっても全く異常が見つからず途方に暮れていましたが、あることに気が付きました。
それは、ランニングの調子がいいときには、肩の痛みが幾分か治まることです。
一体なぜ、そうなったのでしょうか?
今回のお話は、肩・首コリや四・五十肩にお悩みの方へのヒントになるかと思います。
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「ちょっと肩周りが張っているからモミほぐして欲しい。」
痛みや、コリを感じるポイントをモミほぐしてもらうと心地よいですが、
一時的に良くなっても、またぶり返してしまうことがよくあります。
そのような場合、症状が出ているポイント以外に問題を抱えているかもしれません。
肩周りに不快な症状を感じる人は、肩甲骨を上手く動かすことができない人が多いです。
肩甲骨の動きの中でも、上方回旋における筋肉の働き方に着目するとよいでしょう。
肩甲骨の上方回旋とは、前鋸筋・僧帽筋の上部・下部を主動作筋とした肩甲骨を上方に回旋する動きです。
腕を挙げる(肩関節の屈曲・外転運動時)動きは、肩甲骨の上方回旋と肩甲上腕関節での上腕骨の動きが組み合わさることで成立します。
そのため、肩甲骨の上方回旋が上手くできなければ、肩(肩甲上腕関節)で動きをカバーし、負荷が集中することで肩回りに痛みやコリを感じやすくなるのです。
このことからも、肩甲骨の上方回旋をスムーズに誘導できると、肩周りに不快な症状を起こさない身体を作ることができます。
しかし、一点、注意するべきことがあります。
<僧帽筋が積極的に働くことの怖さ>
肩甲骨の上方回旋は、主動作筋の前鋸筋・僧帽筋上部・下部がバランス良く働くことで、スムーズな動作になります。
しかし、僧帽筋が積極的に働くと、適切なバランスが崩れ、肩甲骨が背骨に近い位置で上方回旋が起きます。
そうなると、肩甲骨上角と背骨の間の筋肉が挟みこまれる形で圧縮され、動きに制限がかかるのです。
肩で肩甲骨の動きをカバーすることになり、大きな負荷がかかるのです。
また、肩が挙がらないと身体を反らして、肩の動きをカバーする人がいます。
この動きは、僧帽筋を含めた腰背部の筋肉を緊張させ、結果的に肩甲上腕関節に大きな負荷をかけてしまいます。
<前鋸筋を積極的に働かせる大きなメリット>
一方で前鋸筋を積極的に働かせると肩甲骨が背骨から離れたところで上方回旋をするため、動きの制限を受けず上手く腕を動かすことができるます。
このように肩甲骨の上方回旋における主動作筋内に優劣の関係を作ると、肩甲骨は上手く動いてくれます。
<大腰筋を働かせると、さらに腕が挙がる>
大腰筋を上手く働かせること(=股関節を上手く使うこと)で、腕の動きが良くなるケースが多いです。
大腰筋は、横隔膜~腹横筋~内・外腹斜筋~前鋸筋へと筋連結・筋連鎖しています。
そのため、股関節を上手く働かせることで大腰筋~前鋸筋までの筋肉群の優位度が高まり、肩甲骨の上方回旋がスムーズになります。
[脇と股関節を働かせワーク] -花輪のポーズ-動画:https://youtu.be/Rnj2PMwVAzQ
1、脚を肩幅に開き、指先と膝を外に向けて、みぞおちの力みを抜く。
2、胸の前で合掌し、肘が地面に近づくような力を加える。→脇に力が入る。
3、みぞおちを丸めたまま、膝が足首より極端に前に出ないようにしゃがみこむ。
4、両肘を両膝の内側に当て、押し広げつつ、骨盤を前後左右にゆすったり、軽くバウンドしたりする。
5、みぞおちを丸めたまま股関節を使って立ち上がる。
このワークを行うことで、大腰筋~前鋸筋の優位度を効率よく高めることができます。
腕の動きが悪くなったり、肩が痛くなるときには、肩甲骨の動きに問題があるケースは少なくありません。
そして肩甲骨の動きに問題があるときには、股関節に問題を抱えているケースが多いです。
僕の肩の痛みが、ランニングの調子がいいときに幾分和らいだのは、股関節を上手く使うことで、肩周りの筋肉の状態が整っていたからです。
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