こんにちは
理学療法士の松井洸です。
腰が痛いと何をするにも億劫で、動くと腰が痛くなるかもしれない…という気持ちになりますよね。
痛みを何とかしたくて、腰をほぐしてもすぐに元に戻ってしまって悩まされていませんか?
ほぐしても腰痛が元に戻ってしまうのは、腰に原因がないからです。
原因の1つに、頭を覆う膜が関係していることがあります。
まさか腰が痛いのに頭の膜が関係しているわけがないと思う方はこのまま読み進めてください。
<頭皮筋膜と腰痛の関係>
頭を覆う膜のことを頭皮筋膜(とうひきんまく)と言います。

頭皮筋膜は、身体の後ろ側の筋肉とのつながりを持っています。
頭皮筋膜
↓
胸部脊柱起立筋(きょうぶせきちゅうきりつきん)
↓
腰部脊柱起立筋(ようぶせきちゅうきりつきん)
↓
ハムストリングス
↓
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)

これによって、頭皮筋膜と腰部の脊柱起立筋はつながりを持っているので、頭皮筋膜の固さが脊柱起立筋も固くしてしまう場合があり、それによって腰痛が起こる可能性があります。
そのため、頭皮筋膜が固まって腰痛を起こしている場合は、腰をほぐしても元に戻りやすく、先に頭皮筋膜の固さをとる必要があるのです。
<脊柱起立筋が固まるデメリット>
では、脊柱起立筋が固まると何が悪いのかと言うと、主に以下の2つがあります。
・腰椎(ようつい)の前へのカーブが強くなる。
・身体の前側の筋肉のつながりが弱くなる。
それぞれ順に見ていきましょう。
<腰椎の前へのカーブが強くなる>
脊柱起立筋が緊張して固くなると、腰を反らす方向へ動くため、前へのカーブが強くなります。
これの何が悪いかと言うと、背骨はいくつもの背骨が積み重なって作られています。
前へのカーブが強くなると、背骨の後ろ側には圧縮するようなストレスがかかります。
背骨の後ろ側には、靭帯や小さい筋肉がいくつもあるため、圧縮ストレスがかかることで、それらの組織にもストレスが加わり、痛みが起こります。
反対に、背骨の前側の靭帯などは伸ばされてしまい、ますます前へのカーブが強くなりやすく、脊柱起立筋の緊張が落ちにくくなってしまうのです。
また、腰を反らす脊柱起立筋が強く働くと、腰を曲げる腹筋が働きにくくなり、体幹は弱くなってしまいます。
<身体の前側の筋肉のつながり>
上述した通り、脊柱起立筋は身体の後ろ側の他の筋肉とつながりを持っていますが、
身体の前側にも筋肉のつながりがあります。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
↓
大胸筋(だいきょうきん)
↓
腹直筋(ふくちょくきん)
↓
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
↓
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)

これらの筋肉も上手く使えなくなっている可能性があります。
その結果、脊柱起立筋の働きはさらに強くなり、より緊張を高めてしまうことになります。
このことから、脊柱起立筋が単独で緊張を強くしているわけではないので、腰だけほぐしても元に戻ってしまうのです。
<耳から頭皮をほぐす>
ここまでのことから、頭皮筋膜によって脊柱起立筋の緊張を高めている場合は、まずは頭皮筋膜をほぐす必要があります。
以下の運動後に頭皮と脊柱起立筋の固さ、腰の痛みをチェックしてみてください。
1.耳の真ん中辺りを人差し指と親指でつまむ。
2.つまんだ耳を真横へ引っ張る。
3.引っ張ったまま前後へ大きく回す。
4.それぞれ10回程度繰り返す。
運動後は頭皮と脊柱起立筋の固さ、腰痛が和らいでいませんか?腹筋が入りやすくなり、体幹も安定していませんか?
耳を回すことで、耳の周りにある頭皮筋膜が伸ばされてほぐれるため、腰痛が和らいだのです。
<まとめ>
・腰痛に頭皮筋膜が関わっている可能性がある。
・脊柱起立筋は身体後ろ側の筋肉とつながっている。
・脊柱起立筋が固くなると、腰のカーブを強くする。
・脊柱起立筋が固くなると、後ろ側のつながり全体が固くなる。
・耳を回すことで頭皮筋膜をほぐすことができる。
腰と頭皮と一見離れた部位ですが、実はつながりがあって、頭皮の影響で腰痛を起こしている可能性もあります。
腰をほぐしてもあまり腰痛が変わらない場合は、頭皮にも着目してみてはいかがでしょうか。
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