こんにちは
理学療法士の松井洸です。
首が回らないとはよく言いますが、お金がない時だけではなくて、
本当に首が回らなくて困っている方はとても多いです。
そのせいで、仕事や普段の生活に支障が出てしまうと、
ますます何とかして解消したいという気持ちが強くなりますよね。
そんな首の症状が実は横腹からきている可能性があります。
良くしたいと思って、マッサージに通ったり、
ストレッチをしてみたりするけどあまり変わらない方も多いはずです。
それもそのはず、そのような方は首に原因がないからなのです。
一体どういうことか一緒に見ていきましょう。
<首を回らなくする筋肉>
首の痛みや動かしにくさの原因となることが多い筋肉が以下の2つです。
・胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
・僧帽筋(そうぼうきん)

胸鎖乳突筋は耳の下辺りから首の前を通って鎖骨の一番内側まで伸びています。
胸鎖乳突筋が緊張すると、あごが前に出るような形になります。
すると、首に対して頭が前に出た姿勢になります。
頭は重たい部位なので、
前に出た頭を支えようと首の後ろ側の筋肉が緊張して支える必要があります。
それが首の後ろ側から背中全体にかけて広がる僧帽筋(そうぼうきん)です。
また、頭が前に出ると、本来は前にカーブを描く首の背骨が真っすぐになってしまいます。
背骨はカーブすることで負担がかかりにくくできていて、
真っすぐになると必要以上に負担が首に集中するため、
さらに首の筋肉がこってしまうのです。
対して、僧帽筋は首の後ろ側についているため、
緊張すると後頭部を後ろへ引っ張ります。
すると、相対的にあごが上を向きます。
あごが上を向くと、目線も上に移動するため、
真っすぐ前を見るためには視線を下へ下げなければいけません。
そのために、胸鎖乳突筋があごを下へ引っ張るように働きますが、その結果、胸鎖乳突筋は緊張が高くなってこってしまいます。
また、僧帽筋は背中が丸くならないように伸ばす働きもあります。
僧帽筋が緊張するということは、
背中が必要以上に伸びるように働くということです。
背中の背骨は本来後ろにカーブを描いているので、
伸びる方向へ動くとカーブが真っすぐになってしまいます。
これも首と同じように、真っすぐになると負担が集中してしまうので、
さらに僧帽筋が緊張してしまう原因になりかねません。
そして、背中は首を支える土台でもあるので、
背中の問題は首にも当然影響を与え、首の負担を強くしてしまう可能性もあるのです。
<首へ影響する横腹の筋肉>
胸鎖乳突筋、僧帽筋の2つの筋肉を緊張させてしまう原因になるのが、
横腹の奥に存在する腰方形筋(ようほうけいきん)という筋肉です。
腰の背骨の横に左右1つずつありますが、片方だけ働くと腰を同じ側に曲げるように働きます。

実際やってみてほしいのですが、腰から身体をどちらかに傾けると、腰から上も同じ側に傾きますよね?
それでは目線が真っすぐにならなくて困るので、真っすぐにするためにバランスを取らなくてはいけません。
バランスを取るために働くのが、腰方形筋と反対側の胸鎖乳突筋や僧帽筋というわけです。
この2つの筋肉も片方だけ働くと、首を同じ側に曲げます。
腰が片方に曲がるのに対して、首を反対側へ曲げてバランスを取るということです。
その結果、首が回らなくなったり、痛みを感じるのです。
<横腹を整える運動>
腰方形筋は身体の奥にあるので、自分では中々整えるのが難しい場所です。
ですが、腹筋と腰方形筋はつながりを持っているので、腹筋から間接的に腰方形筋を整えることができます。
以下の運動前後で首の動かしやすさ、痛みを比べてみてください。
1.座った状態でみぞおちをさわる。
2.さわったまま、腰を曲げ伸ばしする。
3.さわったまま、腰を左右へ曲げ伸ばしする。
4.さわったまま、腰を左右へひねる。
5.それぞれの方向へ5回程度おこなう。
運動後は首が動かしやすくなっていませんか?
運動後は腹筋を介して腰方形筋が緩むので、腰の背骨が元の位置に整います。
それに伴い、胸鎖乳突筋、僧帽筋の緊張も緩むので、首が動かしやすくなったのです。
<まとめ>
・首が回らない原因は横腹にある。
・胸鎖乳突筋が緊張すると、首の背骨が真っすぐになる。
・僧帽筋が緊張すると、背中の背骨が真っすぐになる。
・背骨は真っすぐになると負担が集中しやすい。
・腰方形筋が緊張すると、腰が同じ側に曲がり、バランスを取るため首が反対側へ曲がる。
背骨は首、背中、腰とそれぞれが互いにバランスを取り合っています。
なので、首をマッサージしたりしても中々解消されない症状は、
首以外の腰や背中からきている可能性も考えて対策することが必要なのです。
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