こんにちは
理学療法士の松井洸です。
お尻を綺麗に見せるために引き締めたい。
パフォーマンスを上げるためにお尻を鍛えたい。
そんな悩みを解決するためのお尻を鍛えるトレーニングにヒップリフトがあります。
仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げるトレーニングです。
これでお尻の筋肉は働きますが、やり方次第ではあまり鍛えられず、腰や膝を痛めてしまう可能性もあります。
お尻を正しく鍛えるための方法について解説していきます。
<間違った方法はお尻の外側が働く>
間違ったヒップリフトでは、お尻の外側にある中臀筋(ちゅうでんきん)が優位に働きます。

中臀筋が働きすぎるとデメリットが2つあります。
それが以下の2つです。
・骨盤が傾き、腰に偏ったストレスがかかる。
・足の外側のつながりを介して膝に偏ったストレスがかかる。
それぞれ以下に解説します。
<腰に偏ったストレスがかかる>
中臀筋は股関節に付き、股関節を外側に開く働きを持ちます。
股関節だけでなく、骨盤にも付いているため、骨盤を下へ引っ張って傾けるようにも働きます。
すると、骨盤に引かれて腰も同じ側に傾きます。
腰が傾くと、背骨の横に付いている脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、腰方形筋(ようほうけいきん)が縮むので過剰に緊張します。
反対側の脊柱起立筋と腰方形筋は伸ばされて、伸ばされすぎないように過剰に緊張します。

中臀筋側は縮んで緊張、反対側は伸ばされて緊張し、腰には偏ったストレスがかかるので、腰痛を起こす可能性があります。
<膝に偏ったストレスがかかる>
股関節の外側から太ももの外側を通って膝まで腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という大きな靭帯が伸びています。

骨盤が中臀筋に引かれて傾くことで、股関節は外側に開き、膝も外側に動くので、腸脛靭帯は引き伸ばされて緊張します。
また、中臀筋とのつながりもあるため、中臀筋が緊張することで腸脛靭帯はさらに緊張を高めます。
それによって、膝の外側は伸ばされるストレス、内側は潰されるストレスがかかり、膝の痛みが起こる可能性があります。
<正しいヒップリフトは内転筋を使う>
中臀筋を過剰に働かせないためには、内ももにある内転筋(ないてんきん)を使ってヒップリフトする必要があります。

内転筋は中臀筋とは反対に股関節を閉じる働きを持ち、股関節を後ろへ引く働きも持ちます。
つまり、ヒップリフトの動きと同じ動きで働きます。
筋肉の特性から、内転筋は中臀筋と反対の働きを持つので、内転筋が働くと中臀筋は働きが抑えられます。
また、内転筋は股関節のインナーマッスルである大腰筋(だいようきん)とつながりがあるので、内転筋を働かせると股関節が安定してヒップリフトすることができます。

股関節が不安定な状態では、中臀筋で無理やり股関節を固めて安定させてヒップリフトすることになるので、中臀筋が過剰に働いてしまうのです。
さらに、股関節を後ろに引く大臀筋(だいでんきん)の下側の繊維は内転筋とつながりがあります。
この繊維は内転筋と同じく股関節を閉じる働きがあるので、内転筋と大臀筋が働くことでより中臀筋を抑えてヒップリフトすることができるのです。

<正しいヒップリフトの方法>
以下の運動前後でヒップリフトの時のお尻の上げやすさを比べてみてください。
1.仰向けで両膝を立てる。
2.そけい部(ビキニラインの真ん中)を押さえる。
3.押さえたまま、そけい部と膝が直線上にあるようにお尻を持ち上げる。
4.10回程度繰り返す。
運動後はヒップリフトで簡単にお尻が持ち上がりませんか?
中臀筋が抑えられて、他のお尻の筋肉が働きやすなった結果、ヒップリフトが安定してできるようになったのです。
<まとめ>
・間違ったヒップリフトは腰や膝を痛める。
・間違ったヒップリフトは中臀筋が過剰に働く。
・脊柱起立筋、腰方形筋が過剰に働き腰が、腸脛靭帯が過剰に働き膝が痛くなる可能性がある。
・正しいヒップリフトは内転筋を働かせる。
・内転筋を働かせると中臀筋を抑えて安定してヒップリフトできる。
ヒップリフトに限らず、トレーニングで意識するべきポイントを知るのは重要です。
それを知っているかどうかだけで効果ががらっと変わるからです。
ヒップリフトでは中臀筋が働きやすいですが、内転筋を意識することで、身体を痛めることなく効率良くお尻を鍛えることができます。
是非お試しください。
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