高いレベルでスポーツをする人から普通のサラリーマンでも健康のためにするようなトレーニングとして、最もポピュラーと言えるのが腹筋ですが、腹筋をして鍛えている筋肉はどこでしょうか?
おそらくほとんどの人はシックスパックスと呼ばれる腹直筋ですが、腹直筋を中心に鍛えても実は得をすることは少ないのです。
腹筋のトレーニングを効率的にするポイントが、それがわかることで腹筋のトレーニングの効果を感じることができます。
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トレーニングは複数の筋肉が働く
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まず、トレーニング全般に言えることですが、「単独の筋肉だけを鍛えているわけではない」ということが重要となります。
先ほどお伝えした通り、腹筋にもいろいろな方法がありますが、多くの人は意識的にも無意識的にも腹直筋を鍛えると思っています。
腹直筋はお腹の前に付いている筋肉で、見た目でも重要視されやすいです。
もちろん、腹直筋が悪いわけではないですが、ここで考えたいのが「単独の筋肉ではなく、筋肉の繋がりがある」ということです。
筋肉は隣り合うもの同士で繋がりを持ちつつ連動して働きます。
例えば、肘を強く曲げると肘だけでなく肩も動きます。
これは、肘を曲げる筋肉である上腕二頭筋が肩にある三角筋と繋がりがあり、そのために肘と肩が連動して動きます。
このように、どんなトレーニングでも単独の筋肉ではなく複数の筋肉が繋がりを持つのです。
これを腹直筋で考えてみると、腹直筋は筋膜などを通じて首の胸鎖乳突筋や膝を伸ばす大腿四頭筋と繋がりを持ちます。
腹筋をしていて、
・首の前が痛くなる
・膝が伸びて足が浮いてしまう
という人は、この腹直筋の繋がりが働くことでそのような動きが出るわけです。
この腹直筋の繋がりは、スポーツをする人であればいわゆるアウターマッスルの繋がりのため、パフォーマンスは高くなりにくいです。
健康という視点でも、首や膝の負担が増えるため、痛みにつながる可能性もあります。
トレーニングは複数の筋肉が繋がりを持って働くことを踏まえると、腹筋のトレーニングで腹直筋を中心に鍛えることはあまり良くないのです。
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腹筋で意識すべき筋肉
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ほとんどの人は、腹筋では腹直筋を鍛えるというのが頭に刷り込まれています。
しかし、腹直筋を鍛えてしまうのでは、筋肉の繋がりから考えると避けたいところです。
まずは、腹直筋ではない、筋肉の繋がりで意識したい筋肉をちゃんと知ることが必要となります。
その筋肉は、「脇にある前鋸筋」、「お腹の横にある腹横筋」、「股関節の大腰筋」の3つです。
そしてこの筋肉を使うために意識したい身体の部位は、脇、みぞおち、股関節です。
<誰にでも必要な腹筋>
1.脇から腕を伸ばすようにして上体を起こす
2.みぞおちを丸めておく
3.お尻が浮かないように股関節を挟み込んでおく
この3点は、クロスポイントというインナーマッスルを働かせるための筋肉の交差点です。
クロスポイントを複数意識することで、インナーマッスルの繋がりを簡単に作ることができます。
インナーマッスルは動くための基本を作る筋肉でもあるため、高いレベルでスポーツをするためにトレーニングをする人から健康のためにトレーニングをする普通のサラリーマンまで、全ての人がやるべき腹筋のトレーニングなのです。
お腹の前ではなく、脇・みぞおち・股関節を意識した腹筋に取り組んでみましょう。
その取り組みをすれば、きっと腹筋のトレーニングで得を感じることができます。
記事執筆者:吉田
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