これはスポーツはもちろん、日常生活の中の動きなども含めて、トレーニングをする人であればどんなレベルであっても考えることです。
そのパフォーマンスを上げるためには、人の本来の動きをいかに引き出せるかが重要です。
本来の動きというと、身体の中でも固まりやすい背骨に着目されることが増えてきましたが、今回は背骨を意識せずにパフォーマンスを上げる話をしていきます。
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パフォーマンスが上がるための要素
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人は脊椎動物と言われるだけあって、背骨の動きは人の動きのパフォーマンスに大きく影響します。
背骨は頚椎7椎、胸椎12椎、腰椎5椎の24椎があります。(仙骨も含まれる場合あり)
猫背の人や胸を張りすぎてしまう人がなかなかパフォーマンスが上がらないのは、この24椎の動きが制限されてしまっているからです。
そのため、ピラティスやトレーニングなどではよく背骨1つ1つを動かすように指導されたりします。
ただ、背骨を1つ1つ動かせと言われても、実際に1つ1つ動かせているかどうかはわからないです。
むしろ、1つ1つ動かそうと意識するあまりに、逆に動きがぎこちなくなってしまっていることもあります。
背骨をしっかりと動かしたい場合は、背骨を意識しないことがポイントです。
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背骨を意識せずに背骨を動かす
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背骨を動かしたいなら背骨を意識しない。
一般的には動かしたい部分を意識することで、動きの学習をしていきます。
当スクールでも、動かしたい部分があれば、触って意識しながら動くことが多いです。
実際に背骨のワークでも、背骨を1つ1つ触りながら前後屈・側屈・回旋の動きをします。
ただ、背骨のワークのための背骨の動きならいいのですが、実際の動きの中で背骨を使うことを前提としたピラティスやトレーニングの中で、背骨を意識して動かすのはかなり難易度が高くなってしまいます。
例えば、背骨を意識させることだ多いトレーニングの1つにヒップリフトというお尻上げの動きがありますが、背骨を意識したとしても股関節などの他の関節も結果的に動きます。

このように、意識するということはその部分を中心に動かしているということになりますが、それ以外も結果的に動きが出てきます。
背骨を動かすポイントは、背骨を意識するのではなく、結果的に背骨が動いているという状況にすることにあります。
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結果的に背骨が動く方法
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結果的に背骨を動かすときは、あるポイントを意識することでできるようになります。
先ほどのヒップリフトで解説してみましょう。
一般的に背骨を意識するヒップリフトと結果的に背骨が動くヒップリフトの2つの方法をお伝えします。
<背骨を意識したヒップリフト>
1.膝を曲げて仰向けで寝る
2.骨盤を軽く持ち上げてお尻を浮かす
3.そのまま背骨を1つ1つ床から離すように持ち上げていく
4.背骨を持ち上げたら、1つ1つ床につけるようにして戻していく
<結果的に背骨を動かすヒップリフト>
1.膝を曲げて仰向けで寝る
2.そけい部とみぞおち(へそから指4本上)、脇を触って意識する
3.肩が上がらないように脇を軽く締めつつ、みぞおちを軽く丸めたまま、骨盤を少し持ち上げる
4.みぞおちを丸めたまま、そけい部を高くしていく(結果的に背骨がから離れる)
5.そけい部が上がるところまできたら、そのままみぞおちを丸めたまま下ろして、最後にそけい部を床につける
ぜひ一度両方のヒップリフトを実践してみてください。
結果的に背骨を使うヒップリフトは、いわゆるクロスポイントと呼ばれる筋肉の交差点のそけい部、みぞおち、脇を意識した方法です。
背骨を意識して動くと、猫背にはなりにくいかもしれませんが、胸を張りすぎてしまいそれによって背骨の動きを制限してしまうことが多く、背骨を意識したヒップリフトもそのようになってしまう可能性が高いです。
クロスポイントを意識して結果的に背骨を動かすヒップリフトであれば、猫背にもなりにくく胸を張りすぎてしまうことも少なくなるため、背骨をしっかりと動かせるようになります。
この方法であれば、色々な動きの中でもクロスポイントを意識できれば背骨の動きも出していけるようにもなってきます。
ぜひ、背骨を動かしたいときは背骨を意識せずにクロスポイントを意識してみてください。
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記事執筆者:吉田
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