「もっと全身を使って動け」
おそらく指導者であれば、このようなアドバイスを聞いたことはないでしょうか。
この一言でどう動けばいいのか伝わればいいのですが、選手に上手く伝わらないというケースもあるかと思います。
そんなときに重要になってくるポイントが、背骨を柔らかく使っていくということです。
今回はどうしたら全身を使って効率よく大きなパワーを発揮することが出来るようになるのか。
スポーツでパフォーマンスを上げるにはどうすればいいのかを具体的に説明していきます。
なぜ背骨が重要なのか?

背骨の役割としては大きく分けて3つあります。
・下半身から上半身、上半身から下半身へ力を伝える
・身体への衝撃を逃し負担を軽減する
・神経(中枢神経)の保護
特にスポーツでは、1つ目の役割のように小さな力で大きなパワーを発揮していくにあたって、下半身や上半身の力を全身に伝えていく中継点という意味で背骨は重要な役割を担っています。
しかし、その反面、背骨は構造的に固まりやすい場所でもあり、固まってしまうと、全身を使って動くことが難しくなってしまいます。
固まってしまう原因としてはいくつかありますが、よくある原因としては脊柱起立筋や僧帽筋といった背中の筋肉が必要以上に働いてしまっていることが挙げられます。

これらの筋肉は背骨に付着しており、身体を起こしたりするときや体幹を支えるとき、走ったりするときになどに働く重要な筋肉でもあるのですが、必要以上に働いてしまうと背骨の可動域を小さくしてしまいます。
実際に手を後ろで組んで身体を思いっきり反り、脊柱起立筋などの筋肉を働かせた状態でジャンプしたり、走ったりしてみてくさださい。
おそらく、通常よりも動きにくかったり、力が発揮しにくいと感じるはずです。
このように動きが変わるのは、脊柱起立筋などの背中の筋肉が必要以上に働くことによって背骨が固まり、全身へ上手く力を伝えることが出来なくなってしまい、結果として身体のパフォーマンスが低下してしまうためです。
では、どうすれば背骨を柔らかく使って全身で動くことができるようになるのでしょうか?
背骨を柔らかく動かせるようにする筋肉
背骨を柔らかく使って全身で動くようにするためには、まず脊柱起立筋や僧帽筋などの背中の筋肉の過剰な働きを抑えるようにしていく必要があります。
そして、その過剰な働きを抑えるために重要になってくるのか、大腰筋という体幹のインナーマッスルです。

大腰筋は脊柱起立筋を働きを抑え、背骨を1つ1つ柔らかく使えるようにするという役割を持っています。
ですので、背骨を柔らかく使って全身で動けるようにしていくためには、大腰筋を働かせることによって、脊柱起立筋などの筋肉の働きを抑えていく必要があります。
大腰筋を働きやすくした上で、背骨を柔らかくしていく方法は以下の通りになります。
・へそから4横指上のところに手を当てながら、みぞおちの力を抜いて背骨を丸くしたり、伸ばしたりを繰り返す(屈曲と伸展)。
・そけい部を軽く摩ってから左右に背骨を波うたせるように動かす。
・最後に前後に背骨を波打たせる動きを行い、その際に下から順に1つずつずらしていくイメージを持つ。
動画はこちら
背骨の中でも重要なポイント
固くなってしまった背骨を一度に柔らかくすることはなかなか難しく、時間がかかってしまうこともあるでしょう。
そこで、先ほどのワークを行うほかに、固まりやすいL5、Th12、Th3を中心にほぐしておくと良いでしょう。

具体的な方法としては、これらの背骨の横の部分をグリグリと手やボールなどでほぐしてみてください。
これらの場所は筋肉がいくつか重複して付着しているので、固まりやすくなっているのです。
特に胸椎12番あたりは大腰筋の付いている場所であり、ここが固まってしまうと大腰筋が働きにくくなってしまうため、ほぐして緊張を下げておく必要があります。
すると、先ほどの背骨を動かすワークがさらに効果的に行うことが出来るので、全身を使って効率よく動くことが出来るようになります。
指導の現場でなかなか動きが変わらない、パフォーマンスが上がらないといった選手がいたら、3つの背骨をほぐした上で背骨を意識するワークを試してみてください。
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