「大臀筋を使って」とは言ってはいけない理由

お尻周りの筋肉を鍛えたいと思ったときのトレーニングにヒップリフトがあります。

そのヒップリフトをするときに「大臀筋を使って」や「お尻の筋肉を意識して」と言われるかもしれませんが、この言葉がヒップリフトで得られる効果を半減していることに気付いているでしょうか?

ヒップリフトをしてもなぜか足のラインが綺麗に見えなくなったり、膝が痛くなったりすることもありますが、その原因がこの言葉にある可能性が高いです。

ヒップリフトは単純な動きではありますが、だからこそその効果を確実に引き出すための言葉が重要です。

その言葉が何なのか、それを筋肉の繋がりから解説してみましょう。

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大臀筋の作用と繋がりからみるヒップリフト

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お尻の筋肉は「大臀筋」と呼ばれる筋肉です。

大臀筋は股関節を伸展(後ろに動かす)する作用があります。

ヒップリフトのようにお尻を上げる動きがまさにそれです。

もう1つ、足を外側にひねる股関節の外旋という作用も少し含んでいます。

また、筋肉は隣り合ったもの同士で繋がりを持って連動して働くという特徴もありますが、大臀筋は大腿筋膜張筋という太ももの外側の筋肉とも繋がって連動しています。

つまり、大臀筋が働けば、大腿筋膜張筋も働きやすいということになります。

大腿筋膜張筋は太ももの外側の筋肉の中心にもなるため、そこが使われると外側の筋肉がどんどん発達していきます。

外側の筋肉が発達してくるということは、相対的に内側の筋肉である内転筋があまり使われなくなってくる可能性が高いです。

そうなると、よく言われるO脚に近い足のラインになってしまいやすくなります。

また、大腿筋膜張筋は大腿四頭筋と呼ばれる膝を伸ばす筋肉との関連性もあるため、膝の負担も増えてしまうのです。

これを踏まえて、ヒップリフトをするときにどういう言葉で指導する(される)でしょうか。

「お尻の筋肉を使って持ち上げて!」

「でも足は開かないようにして!」

「内腿も力入れるよ!」

「もっとお尻上げて!足開いてきたし閉じてよ!もっとお尻上げてね!、、、」

このような言葉が多いと思いますが、先ほどの大臀筋の作用や特徴と照らし合わせると、何かおかしいことに気づきます。

大臀筋は股関節の外旋の作用があるため、ヒップリフトで大臀筋を使うと足が開く力になりますし、筋肉の繋がりからも内腿には力が入りにくいにもかかわらず、指導する(される)ときは大臀筋を意識させています。

これは大臀筋の特徴と反対のことを求めてしまっていますし、これでは矛盾が起きてしまいます。

大臀筋を使いつつ足を閉じて内腿も使うというのは、そもそも矛盾するため実践できないことです。

何よりそれを求めてしまうと「お尻上げて!→足開く→足閉じて!→お尻の力抜ける→お尻上げて!→足開く・・・」の負のスパイラルをさまよってしまいます。

大臀筋を使うことはどういうことなのか、それを使うことでどういう動きになるのか、その動きが目的に合っているのか、そういったとことをしっかりと踏まえた上での言葉が必要になるのです。

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ヒップリフトに求める効果は何か

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では、そもそもヒップリフトに求めている効果は何でしょうか。

股関節の伸展ができるようになることでしょうか。

おそらく違いますよね。

何かしらの動作のパフォーマンスを上げるために必要な効果をヒップリフトから得られると判断したからだと思います。

(ダイエットなどの目的もあり得ますが)

もし、ヒップリフトの効果を股関節伸展するためだけを求めてしまうと、もともと良くしたいと思っていた動作のパフォーマンスも股関節伸展だけすれば良くなるということになります。

しかし、動作というものはそんなに単純ではなく、あらゆる関節や筋肉が連動して成り立っています。

つまり、動作のパフォーマンスが上がる筋肉の繋がりという絶対的な基準を認識できれば、知っておかないと、ヒップリフトの指導と求める効果が矛盾してしまいます。

この絶対的な基準となる筋肉のつながりは、体軸筋と呼ばれる体幹を含む全身のインナーマッスルのつながりです。

ヒップリフトもこの体軸筋を使うように指導することで、本来の目的である動作のパフォーマンスを上げやすいです。

この体軸筋を使うヒップリフトは大、臀筋ではなくハムストリングスの特に上部を意識して使います。

ハムストリングスの上部は、だいたい坐骨の下あたりになります。

お尻を上げる大臀筋のヒップリフトではなく、坐骨の下を上げるハムストリングスのヒップリフトをぜひ実践してみてください。

ハムストリングスは、同じ体軸筋のつながりで内転筋や大腰筋といった股関節の内側にある筋肉が連動するため、自然と足は開かずに内腿に力が入るヒップリフトになると思います。

今回はヒップリフトを例にしましたが、どのようなトレーニングでも、この絶対的な基準の体軸筋を使わないと、指導と効果に矛盾が生まれます。

指導と効果に矛盾を生まないようになるためには、その筋肉を使うことはどういうことなのか、それを使うことでどういう動きになるのか、その動きが目的に合っているのか、を明確にすることが大切です。

そして、それを元とした言葉で指導することが、トレーニングの目的達成のためには必ず必要になることです。

ぜひヒップリフトをするときは、「大臀筋を使う」ではなく「ハムストリングス」、「坐骨の下」、「もも裏の上の方」を取り入れてみてください。

きっとヒップリフトでの効果を感じやすくなると思います。

 

 

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記事執筆:吉田

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