腕立て伏せの効果を最大化するための2つのポイント

こんにちは
理学療法士の松井洸です。

誰もが一度はやったことある腕立て伏せ。
一見簡単そうですが、正しくできていますか?

シンプルなトレーニングだからこそ、少し間違えると効果が半減してしまう恐れがあります。
それどころか、いくらやっても全く効果が出ないということもあり得ます。

正しく鍛えるための腕立て伏せの方法を一緒に見ていきましょう。

<腕立て伏せの2つのポイント>

・手をつく幅
・肘の向き

この2つのポイントをそれぞれ解説します。

<手をつく幅>

手をついた時の幅が広いと、アウターマッスルの胸の大胸筋(だいきょうきん)、肩の外側の三角筋(さんかくきん)が主に働きます。

手をついた時の幅が狭いと、二の腕の上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)、インナーマッスルの腱板筋群(けんばんきんぐん)が主に働きます。

幅が広いと肩と手の距離が長くなり、腕立てをコントロールするには大きな力が必要になります。
そのため、アウターマッスルの大きな筋肉が働きやすく、その分ファームがぶれやすくて狙った場所に効かせにくいです。

反対に幅が狭いと大胸筋などは働かず、肘の動きが大きくなるので上腕三頭筋が働きやすくなります。
また、脇がしまりやすく、肩のインナーマッスルが働きやすくなります。

しかし、狭すぎても窮屈で腕立てしにくく、余計な場所に力が入ってしまいやすいです。

つまり、広すぎず狭すぎず肩幅くらいがベストです。

<肘の向き>

肘が外側を向くと、僧帽筋(そうぼうきん)、菱形筋(りょうけいきん)が主に働きます。
また、脇がしまりにくくなるので、腱板筋群は働きにくくなってしまいます。

肘が内側を向くと、大胸筋、三角筋が主に働きます。

指が外側を向くと肩も外側へひねるように動くため、肩の後ろ側の筋肉が働きやすくなります。
また、それに伴い肘が内側を向いて肩甲骨も内側へ寄りやすくなるので、肘を曲げて身体を下ろす時に肩がすくみやすくなります。

肩がすくむと僧帽筋や菱形筋が働き、本来効かせたい二の腕や肩の筋肉が働きません。

肩甲骨は寄せずに肩を下げるように腕立てすると、肩甲骨は外へ開き脇の前鋸筋(ぜんきょきん)が働きやすくなります。
前鋸筋によって肩甲骨は安定するので、本来効かせたい二の腕や肩の筋肉が働きやすくなります。

つまり、指は真っ直ぐ前を向き、肘は後ろを向くのがベストです。

<腕立ての効果を高めるワーク>

手をつく幅で上腕三頭筋、腱板筋群。
指の向きと肘の向きで前鋸筋。

それぞれを腕立て前に働きやすい状態に整えておくと、他の筋肉の働きを抑えて腕立てすることができます。
それによって、さらに効果的に腕立てすることができます。

以下の運動前後で腕立てのしやすさを比べてみてください。

1.脇を反対の手で下からつかむようにさわる。
2.脇の後ろ側を押さえる。
3.押さえたまま、肩を前後に大きく回す。
4.それぞれ10回ほど回す。

運動後は腕立てに必要な筋肉が働きやすくなるので、腕立てもしやすくなります。

<まとめ>

・闇雲に腕立てをしても鍛えたい場所が鍛えられるとは限らない。
・手のつく幅、肘の向きで効果が変わる。
・腱板筋群、前鋸筋を働かせつつ腕立てすると、二の腕や肩周りを効果的に鍛えられる。

腕立ては簡単で誰でも知っているトレーニングだけに、正しい方法を細かく気にする方は少ないかもしれません。
ですが、そこにこだわるだけでかなり効果が変わるので、二の腕や肩を鍛えたい方は要チェックです。

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