ストレッチやマッサージをしているのになかなか肩こりが治らない。
そんな方は鏡を見ながら深呼吸をしてみてください。
・深呼吸をして肩が上がる人
・吸った時に胸やお腹が膨らんで背中や腰が少し反るという人
それが肩こりの原因となっている可能性があります。
なぜ呼吸をするときに肩が上がると肩こりにつながるのか。
どうすれば肩こりが解消されるのか。
今回は肩こりと呼吸の関係を紐解きながら、解説していきたいと思います。
深呼吸の効果
深呼吸はリラックス効果があると言われていますが、なぜそうなるのかを少しだけ解説してみます。
深呼吸をすると迷走神経と言われる神経が働いて、心拍数が少なくなります。
この働きは、自律神経の1つである副交感神経活動が優位となるためです。
また、深呼吸をして息を吸う時間よりも息を吐く時間を長くすることで、副交感神経をより高めるという報告もあります。
ホルモンの話も交えると、このことから、深呼吸をすることで副腎髄質のノルエピネフリン分泌と交感神経の興奮が抑制され、副交感神経が有意に働くとも言われています。
簡単に表現すると、深呼吸をすることで副交感神経が働いてリラックスができるということです。
つまり、深呼吸がリラックスさせるわけではなく、深呼吸がきっかけで副交感神経が働いてリラックスができるわけであり、逆に興奮状態で深呼吸をしていてもリラックスができないことになります。
肩こりになる人の特徴
ここで、肩こりになってしまう人の特徴を考えてみましょう。
肩こりになってしまう人の特徴として、
・吸ったら肩が上がる人
・吸った時に胸やお腹が膨らんで背中や腰が少し反る人
と挙げました。
なぜ身体がそのように動くのかというとそのように動く筋肉を使っているからです。
この動きになる筋肉といえば、
・三角筋や僧帽筋(肩や首のアウターマッスル)
・脊柱起立筋や腰方形筋(背中や腰のアウターマッスル)
があります。
アウターマッスルというのは、基本的には大きな動きをする時に必要な筋肉であり、どちらかというと落ち着いている時に働くというよりは、興奮していたり意識したりすると働きます。
興奮している時は交感神経が優位になりやすいため、胸とお腹を意識しすぎてしまう深呼吸はアウターマッスルを使っているということ、つまり副交感神経が働いておらずリラックスしにくい状態なのです。
このことから、吸ったら肩が上がる人や吸った時に胸やお腹が膨らんで背中や腰が少し反る人は呼吸が上手くないためリラックス効果も少なく、アウターマッスルが興奮状態のままにあります。
呼吸の時に常にアウターマッスルである肩や首の筋肉を使うからこそ、肩こりになってしまいやすいということです。
ちなみに、深呼吸は普段の呼吸がベースとなるため、深呼吸がうまくできていない人は普段の呼吸もうまくできていないことが多いです。
呼吸は1日に18000回ほどするため、毎日18000回も肩や首の筋肉を使っているということにもなり、呼吸が上手くない人は肩こりになってしまうのも当たり前と言ってもいいかもしれません。
肩こりを解消する脇を使った呼吸
では、どうすれば肩こりが解消されるのか。
肩こりを解消するためには先ほどお伝えした交感神経の働きを抑え、副交感神経の働きを優位にしていく必要がありますが、これは筋肉でいうとインナーマッスルを使うことが必要ということになります。
インナーマッスルというと、先程のように肩こりにはなりにくい筋肉であるため、上手くインナーマッスルを使った呼吸ができれば肩こりも減りやすいです。
ただ、インナーマッスルはアウターマッスルと違って大きな動きになるものではなく、また身体の内部にある筋肉なので、目に見えるものでもため意識するのも難しく感じてしまいます。
そこで体軸理論では、インナーマッスルを効率的に使うために、クロスポイントという筋肉の交差点を活用しており、そのクロスポイントを活用することで全身のインナーマッスルを働かせることができます。
そして、今回重要となってくるクロスポイントは「脇」です。
脇は前鋸筋という肩に関わるインナーマッスルを働かせるポイントで、前鋸筋ー腹斜筋ー腹横筋ー横隔膜といったように、インナーマッスルが連動して呼吸で最も必要となる横隔膜が働きやすい状態になれます。
実際にここで一度、いつものように深呼吸をしてみましょう。
何度か深呼吸をして吸いやすさや深さなどを確認したら、脇を使った深呼吸をやってみましょう。
<脇を使った深呼吸>
1.楽な姿勢で座る(もしくは立つ)
2.脇の後ろ(腕と背中の付け根あたり)を触って意識する
3.意識した脇を軽く下げるようにする
4.その状態で大きく呼吸をする
動画はこちら
どうでしょうか。
上手く脇を支えていれば、いつもの呼吸よりも吸いやすさや深さが増えていると思います。
そして、その実感があるということは、インナーマッスルをしっかりと支えているということにもなります。
肩こりはアウターマッスルの使いすぎと肩の筋肉という特定の場所に負担が集中することで起こりやすいですが、この脇を使った呼吸をすることで、インナーマッスルを使うことはもちろん、筋肉のつながりもあるため負担も分散されやすく、より肩こりを減らしやすい状態になります。
なかなかストレッチやマッサージで肩こりが良くならないと感じる方は、呼吸から変えてみるのもオススメです。
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