座っていると腰がズーンと重く辛い。
歩くときに腰にピキピキとした痛みがある。
ふと前屈みになったときに腰が痛む。
そういった腰の痛みの解消するために体幹トレーニングを行う人がいます。
体幹トレーニングで体幹を安定させることによって腰の負担が和らげ、痛みをなくすというものです。
しかし、体幹トレーニングを行うことで痛みがなくなってという人もいれば、一方でトレーニングをしても痛みが変わらなかった。むしろ前より悪化してしまったという人もいます。
なぜ、このような差が生まれてしまうのでしょうか?
腰の痛みを悪化させる体幹トレーニング
例えば、腰の痛みを取り除くためによく行う体幹トレーニングの1つとして、お腹を凹ませた状態で体幹の筋肉を鍛えていくドローインというものがあります。
このドローインでは腹横筋という体幹のインナーマッスルを鍛えていくことを目的としています。
腹横筋は体幹周りにコルセットのように取り巻いている形になっているので、腹横筋を使うことによって体幹周りが安定し、腰の負担を和らげることができるというものです。
しかし、ドローインを行うだけでは痛みを解消することは難しいものがあります。
なぜなら、体幹を安定させるためには、腹横筋以外のインナーマッスル(横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群)も同時に働かせなくてはならないからです。


ドローインでは、お腹を凹ませることで腹横筋を働かせることは出来るのですが、他の3つの筋肉はこの時働きにくい状態になっています。
これは、
・横隔膜は息を吸い込んだ時に、あばらからお腹の方向へ下がることで働く。
・多裂筋は背骨を反らす、ひねる動きで働く。
・骨盤底筋群は単独ではなく、他のコアユニットと共同で働き、腹横筋以外が働きにくい状態では骨盤底筋も働きが弱くなる。
という特徴があるためです。
体幹トレーニングをしても腰の痛みが変わらなかった、痛みが悪化してしまったというのは、4つの体幹のインナーマッスルを同時に使えず、体幹を安定させることができていないからなのです。
腰痛を解消する体幹トレーニングのやり方
体幹トレーニングで腰痛を解消していくためには、4つの体幹のインナーマッスルが同時に働くようにしていかなくてはなりません。
4つのインナーマッスルを同時に使うことによって、腹圧が上がり、体幹を安定させることが出来るからです。
具体的な方法としては、お腹を凹ませるのではなく、お腹を膨らませながら呼吸をすると良いでしょう。
お腹を膨らませた場合、
・腹横筋は伸ばされながら働く。
・横隔膜が働き、お腹の方向へ下がる。
・背骨が伸ばされ多裂筋が働く。
・他の筋肉が働くことで、骨盤底筋も伸ばされながら働く。
といったように4つのインナーマッスルが同時に働かせることが出来るようになります。
試しに、仰向けに寝た状態でお腹を凹ませた場合と膨らませた場合で脚を持ち上げることを行ってみてください。
膨らませながら脚を持ち上げた方が脚が軽く、持ち上げやすかったはずです。
これは、4つのインナーマッスルが働くことによって、体幹が安定するようになったためです。
舌を使えばさらに腰痛が和らぐ
先ほどのお腹を膨らませながら呼吸を行っていくだけでも効果はあるのですが、さらに効果的にする方法があります。
それが、舌を使って呼吸をしていくということです。
舌を使うことによって、舌の筋肉(舌骨下筋)が働くようになります。
この舌の筋肉は先ほどお伝えした4つのインナーマッスルといくつかの筋肉や筋膜を介して繋がっています。

ですから、舌を使いながら呼吸をしていくことによって、より4つの筋肉を働かせながら体幹を安定させることが出来るようになります。
具体的な方法としては、以下の通りになります。
・舌を上あごに付けた状態で口を閉じる。
・胸の中心とヘソから4横指下の部分にそれぞれ手を当てる。
・胸の中心に膨らませるように鼻から息を吸っていく。
・肺にある空気を半分吐き出して息を止め、ヘソから4横指下の部分を膨らませていく。
・膨らませながら息をゆっくりと吐き出していく。
・これを5回ほど繰り返す。
✳︎最初は慣れていないので、なかなかお腹を膨らませたまま息を吐くことが難しいかと思いますが、やっていくうちに出来るようになります。
このワークを行うことで4つのインナーマッスルが働くようになり、体幹を安定させることが出来るようになります。
体幹を安定させることが出来れば、腰の負担も少なくなるので、腰痛を解消することが出来るようになります。
腰に痛みを抱えている人や前に腰を痛めたことがあるという人は、ぜひこのワークを行ってみてください。
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