体幹トレーニングの極意
〜筋肉は締めながらゆるめる〜

スポーツやダイエットなどでよく体幹を鍛えるために四つ這いになって身体を一直線にするトレーニングがあります。

このトレーニングをやったことがある方は多くいると思いますが、やって動きやすくなったり、お腹周りが引き締まったという人もいればあまり効果が出ず、怪我をしてしまったという人もいます。

なぜ、こういった違いが出てきてしまうのでしょうか?

違いは固定と安定

同じトレーニングをしていても、効果が出やすい人と出にくい人の違いは、固定をしているか安定をしているかの差です。

まず、固定と安定の違いから考えてみましょう。

固定:一定の位置に止まって動かないこと。また、動かないようにすること。

安定:平衡状態に微小な変化を与えても、もとの状態とのずれがわずかの範囲にとどまること。

言葉の意味から見てみると、固定は全く動かない状態で定めることで、安定は状態が多少変化しても元に戻れる形で定めることです。

建物で例えると、外壁を強固にして固めているのが固定であり、外壁よりも柱となる部分を中心にして柔軟な作りにしているのが安定となります。

スカイツリーがわかりやすい例ですが、スカイツリーの壁はそこまで強調していないですが、柱となる部分を工夫することで、耐震構造を強化しています。

日本は自身大国とも言われるため、建物の構造もそもそも自身で動かされることが前提で考えているため、多少動かされても元に戻れる安定を図っているのです。

このことを踏まえて人の身体で考えると、身体も動くことが前提であるため、固定ではなく安定を考えたトレーニングが必要となります。

トレーニングにおいて、固定はアウターマッスルが中心となっているもの、安定はインナーマッスルが中心となったものといえます。

先ほど例にあげた体幹を鍛えるために四つ這いになって身体を一直線にするトレーニング(プランク)で効果に違いが出る理由は、アウターマッスル中心で固定となっているのか、もしくはインナーマッスル中心で安定となっているのか、がポイントになるのです。

動ける強い体幹を作るために

このように考えていくと、「アウターマッスルはいらない」という言葉が出て来ることがあります。

結論を先に言うと、アウターマッスルは必要です。

確かに、アウターマッスルが強く働きすぎると、固定となるため動きが制限されます。

しかし、アウターマッスルの多くは、関節を大きく動かすためには必要な筋肉のため、大きな動きになればなるほど必要になってきます。

アウターマッスルを使わないと、結局動けないということです。

ただ、そこには柱となるインナーマッスルが不可欠であり、インナーマッスルが使えている状態をまず作ることが、動ける体幹を作る一歩となります。

その一歩となるための、簡単なエクササイズを2つ紹介しましょう。

<体幹と下半身のエクササイズ>

■セットポジション
仰向けのポジションになり、片手でみぞおち、もう片方の手をそけい部に置く。

■動作
1.みぞおち(ヘソ上指4本分)を床につける。
2.股関節を曲げて、膝を股関節の上まで持ち上げる。
3.腰が反らないように、足を下ろす。
動画はこちら

■注意点
・膝を伸ばさない(動かさない)
・みぞおちを固めない
・反り腰にならない
・お尻を浮かさない

<体幹と上半身のエクササイズ>
■セットポジション
仰向けのポジションから、両腕を天井に伸ばす。
肩を下げて脇は締めておく。

■動作
1.顎を引き、頭を床から持ち上げる。

2.脇から両腕を胸の前へ押し出す。肩甲骨が外転し、胸が丸くなる。

3.みぞおちを丸めて胸を起こす。

4.みぞおちから順に身体を下ろす。

動画はこちら

■注意点
・首で上半身を持ち上げない
・肩を上げない
・腹部の力だけで動かない
・お尻を浮かさない
・股関節を常に締めておく。
・頭を遅らせて持ち上げない。

この2つのエクササイズは体幹を固めずに動くための基本となります。

まずはこの2つのエクササイズから安定する体幹を作っていきましょう。

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写真

元BJリーグ
プロバスケットボール選手
翁長明弘

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Bodyline School 代表

<保有資格>
・理学療法士
・JCMA認定体軸セラピスト

医療−介護−障害福祉の事業をする会社のマネージャー職。
理学療法士、ピラティス、体幹トレーナー、第1種衛生管理者で動きの専門家。
ビジネス全般、IPO、M&A、組織作り、育成・教育。ビジネスができる身体を。