こんにちは、理学療法士の中山です。
走ったり、野球のバットのように何か道具を使って遊んだりするとき、
「脇を締めて」と言う言葉をよく耳にします。
脇を締めろと言われて本当に脇を閉じると体幹部分が止まって安定するような感じがします。
しかし、実際に脇を閉じてままでバットが振れますか?脇を閉じたままでは走りにくくはありませんか?
実はこれ、文字通りに受け取るのではなく「脇を締める」に隠された本当の意味があるんです。
その意味とはいったいなんなのか?一緒に見ていきましょう。
〔脇を締めるは間違いではない〕
脇を締めるという言葉自体は間違いではありません。
実際に動作を行う上でも、場面によっては脇を閉じるように行うこともあります。
しかし、それだけでは当然動きにくいため場面によっては脇を開いた状態でも動く必要があります。
実際にプロのスポーツ選手を見ていても脇をギュッと閉じたまま動く人なんていません。
ですが、プロの方は往々にして脇を締めて使えています。
つまり、動作として見てみると、脇が開いていても閉じていても脇は締めることが出来るのです。
「、、、?」
ちょっと分からなくなってきましたよね。
では、次は「脇を締める」の本当の意味について見てみましょう。
〔脇を締めるの本当の意味〕
脇を締めるとは「脇の筋肉を使う」ということです。
ここで言う脇の筋肉とは前鋸筋(ぜんきょきん)と呼ばれる筋肉のことです。

前鋸筋は肩甲骨と体幹を繋いでくれている筋肉です。
この筋肉がうまく働いてくれるようになると体幹、肩甲骨だけでなく、さらにその先にある上腕骨がしっかり肩甲骨に収まってくれるようになるため力が安定して伝わりやすくなります。
ですので、前鋸筋が使えていると脇の開閉に関係なく、スムーズに力を発揮することができるようになります。
そうなると、走るときの腕の動きによる推進力がさらに活かすことができたり、よどみなくバットへ力を伝えることが出来るようになるのです。
脇を締めることが出来るようになるには
次に紹介する体操がおすすめですので試してみてください。
〔脇が締められるようになる腕まわし体操〕
・親指を脇の下に入れ肩甲骨を掴むように押さえる。
・押さえたまま腕を前後に5回ずつまわす。
・反対の腕も同じように行う。
動画はこちら
この体操を行うことで脇を締めるのに必要な
前鋸筋を使いやすくすることが出来るようになります。
また、前鋸筋は筋膜を介してお腹周りの筋肉とも繋がっているため
体幹が安定し勝手にフォームが良くなったり、バランスが良くなったりしてきます。
「脇を締める」とは少し感覚的な言葉になってしまうので今回の話のように受け取り手によっては意味合いが変わってきやすい言葉です。
もし、こどもや周りの方に脇について教えることがあれば今回の内容を参考にしていただければと思います。
ぜひ、試してみてください。
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中山照教
JCMA認定体軸セラピスト
パームセラピスト
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