テニスやサッカー、バスケなどスポーツで素早く動くために、かかとを浮かせて素早く動けといったようにつま先重心で動くようなアドバイスをよく聞きます。
しかし、一方で昔から身体を安定させるためには、重心をかかと寄りにすることが大事といったことも聞きます。
どっちが正しくて、どっちがより高いパフォーマンスを発揮できるようになるのでしょうか?
つま先立ち、かかと立ちのメリット、デメリット
つま先立ちとかかと立ち、どちらが良いのかを述べる前に、それぞれのメリットとデメリットを解説していきたいと思います。
まず、つま先立ちについてです。
よくスポーツではつま先立ちになることによって、素早く動けると言われています。
これはなぜかというと、つま先立ちになることによって、地面に対して効率的に力を伝えられ、より強くパワーを発揮することが出来るからです。
僕たち人は、走るときやジャンプするとき、左右にステップを踏むときなど、地面から足が離れる瞬間に地面から跳ね返ってくる力を利用して動く力に変えています。
このとき、地面と接触している部分が少なければ少ないほど、地面に対して効率よく力を伝えることができます。
一般的につま先立ちの方が速く動けると言われているのはこのためです。
ただ、重心が前に行くので、その分体勢が前のめりになりやすいこと、地面と足の接触している部分が少なくなるので不安定になりやすいといったデメリットがあります。
反対にかかと立ちは、つま先立ちに比べて地面と足の接触している部分が多くなるので、安定しやすくなります。
ただし、つま先立ちのところでも解説しましたが、かかと立ちの方が地面との接触部分が多くなりますので、地面へ力を伝えにくくなり、素早く動きにくくなります。
試しに、つま先立ちの状態とかかと立ちの状態で動いてみてください。
つま先立ちをしたときは、素早く動ける分、不安定感が出て、かかと立ちをしたときは安定感が出る分、動きが遅くなるかと思います。
スポーツで身体を安定させて素早く動く方法
実際のスポーツでは、どのスポーツでも身体を安定させた状態で、素早く動くことが求められます。
では、安定感を出しながら素早く動くためにはどうすればいいのでしょうか?
素早く動くためには、地面に対して効率的に力を伝えていく必要があり、そのためにはつま先立ちの姿勢のように地面との接触部分を少なくしていく必要があります。
しかし、つま先立ちをした場合、地面との接触部分が少なくなるので、身体を安定させることがかかと立ちに比べて難しくなります。
そこで重要になってくるのが、かかと立ちの時の身体の使い方をつま先立ちでできるようにするということです。
かかと立ちのときの身体の使い方の特徴としては、つま先立ちと比べて裏ももの筋肉(ハムストリングス)や内ももの筋肉(内転筋)が働きやすくなっています。


2つの筋肉は体幹を安定させるために必要な体幹のインナーマッスル(大腰筋)とつながっています。

そのため、つま先立ちのときにこれらの筋肉を上手く使えれば、体幹のインナーマッスルも働き、身体を安定させた状態で素早く動くことができるようになります。
ちなみに、最近テニスのアメリカの国際大会で準優勝して世界ランキングを急激に上昇させた西岡良仁選手もつま先立ちの状態でありながら、上手く身体を安定させた状態で素早く相手のボールに追いついてカウンターを決めることを得意としていますね。
(ただ、彼の場合疲れが溜まっていたり、調子が悪い時は重心が前にいき、それによって逆を突かれた時の対応が遅れてしまうことがありますが…。)
つま先立ちで身体を安定させるワーク
つま先立ちで身体を安定させるワーク①
・腰幅で立ち、つま先とかかとが正面にくるように一直線にする。
・外くるぶしに意識しながら、膝をゆるめ、ビキニラインの中央を両手で押さえる。
・手を挟むように意識しながら、お尻を後ろに引いてお辞儀をする。
・起き上がるときは裏ももの張りを感じながら起き上がる。
・5回ほど行う。
動画はこちら
つま先立ちで身体を安定させるワーク②
・つま先立ちでさきほど行った①のワークを行っていく。
・5回ほどゆっくりバランスをとりながら行う。
終わったら再度、つま先立ちの状態で動いてみてください。
先ほど動いたときよりも安定して動きやすくないですか?
これはワークを行ったことで、つま先立ちの状態でも体幹のインナーマッスルを使って
身体を安定させながら素早く動くことができるようになったためです。
今よりもスポーツをもっと上達させたい。
もっとパフォーマンスを高めていきたいと言った人はぜひこのワークを行ってみてください。
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ヘッドトレーナー
<保有資格>
JCMA認定体軸セラピスト
JCMA認定ヨガセラピスト
RYT200
NASM-PES
NSCA-CPT
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