身体の柔らかさを判断する時に、立った状態から前屈して床に指が届くかどうか見る方法があります。
このときに身体が固くて床に手が届かないという方がいます。
そういった場合に身体を柔らかくする方法としては、裏ももや腰回りをストレッチしたり、ほぐしたりするというものがあります。
しかし、なかなか身体の柔らかさが変わらないという方は、耳の周りをほぐすと床まで前屈できるようになるかもしれません。
前屈と耳というと関係ないように思えるかもしれませんが、これらの場所、実は深く関係しているのです。
一般的な身体を柔らかくするための方法
前屈が硬い場合、一般的には足を伸ばして座った状態からつま先に手を伸ばして裏もも(ハムストリングス)を伸ばしたり、仰向けで寝た状態で腰(腰方形筋や脊柱起立筋など)をひねってストレッチする方法があります。

これらの方法だと、確かに裏ももや腰はストレッチできるのですが、これらだけをストレッチするだけでは前屈できるようになりません。
なぜなら、前屈する時には裏ももや腰の筋肉の筋肉が伸びるだけでなく、それらの筋肉と繋がっている別の筋肉も伸びているからです。
裏ももや腰の筋肉は耳の周りにある筋肉(側頭筋)まで繋がっています。
ですので、耳の周りの筋肉が固まっていることが原因で腰や足の筋肉が固くなっている場合、耳の周りの筋肉までほぐさないとストレッチでの効果はあまり期待できないのです。
耳は全身と繋がっている
もう少し詳しく解説していきたいと思います。
実をいうと耳の周りの筋肉は、首から背中、腰、太ももと繋がっています。
耳からの繋がりは以下のように、身体の表面と身体の深い場所の2つの繋がりがあります。
表面の繋がり
耳の周りの筋肉(側頭筋)
↓
額の筋肉(前頭筋)
↓
肩の筋肉(僧帽筋)
↓
背中の筋肉(広背筋)
↓
お尻の筋肉(大殿筋)
↓
外ももにある靭帯(腸脛靭帯)
↓
スネの外の筋肉(長腓骨筋)

身体の深い場所の繋がり
耳の周りの筋肉(側頭筋)
↓
額の筋肉(前頭筋)
↓
肩の筋肉(僧帽筋)
↓
肩甲骨と背骨の間の筋肉(菱形筋)
↓
背中の筋肉(脊柱起立筋)
↓
裏ももの筋肉(ハムストリングス)
↓
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)

このように、耳から身体の表面、身体の深い場所の両方に繋がりがあり、耳の周りの筋肉が固くなると両方の繋がりが固くなるので、前屈もできなくなってしまうのです。
先ほど前屈で耳の周りをほぐす必要があると言ったのは、耳の周りの筋肉をほぐすことで、繋がりのある筋肉の緊張をなくすことができ、深く前屈できるようになるからです。
股関節を支点に動かすとさらに柔らかくなる
耳の周りの筋肉をほぐすことと合わせて、前屈する時の身体の使い方も柔らかさに大きく影響します。
前屈で身体が固いと感じる方は、腰から身体を曲げて前屈していることも考えられます。
なぜ腰から前屈すると、深く曲げられないのかというと股関節がほとんど動かないためです。
ですが、股関節から前屈すると股関節の動きもしっかりできますし、腰もそれに合わせて動いてくれるので、身体が柔らかく使えるのです。
身体を柔らかくする2つのワーク
以下のワークをする前に前屈した時の柔らかさを比べてみてください。
1.耳の中央を親指と人差し指で挟む。
2.挟んだまま真横へ引っ張る。
3.引っ張ったまま前後へ大きく回す。
4.10回ずつ繰り返す。
さらに、股関節から前屈できるように以下の運動も併せてやってみてください。
1.肩幅に足を開いて立つ。
2.そけい部(ビキニラインの真ん中)を軽く押さえる。
3.押さえたまま身体を前に傾ける。
4.元の姿勢に戻る。
5.10回繰り返す。
動画はこちら
運動後は楽に前屈できて、柔らかくなっていませんか?
これは、耳の周りの筋肉と繋がりを持つ筋肉の緊張がなくなって、股関節から前屈できるようになったからです。
耳の周りは意外と固くなっていることが多い場所です。
隙間時間を使ってこまめに耳を整えてあげましょう。
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