鍛えるべき筋肉 鍛えない筋肉
〜もも裏を鍛えれば体幹は安定する〜

10数年前、サッカー日本代表の長友佑都選手が行っていたトレーニングとして流行り始めた体幹トレーニングは、スポーツではもちろんのこと、日常で身体を健康にしていくためのものとして当たり前になりつつあります。

体幹トレーニングを行うことによって、体幹が安定するようになり、スポーツが上達した。
体幹が鍛えられたことで、腰痛がなくなり、くびれができるようになったという声はよく聞きますね。

しかし、その一方で、体幹トレーニングを行ったことで、身体に無駄に負荷をかけてしまい、スポーツの上達を妨げてしまうことや身体を痛めてしまう方が多くいます。

同じように鍛えているはずなのに、なぜこのような違いが出てしまうのでしょうか?

鍛えなくてもよい筋肉

例えば、体幹トレーニングで代表的なものとして、ヒップアップや腰痛予防などに効果があるトレーニングで、ヒップリフト(バックブリッジ)があります。

このトレーニングは、お尻と背中が強化されるイメージがありますが、やり方を間違えればお尻の筋肉(中殿筋や大殿筋)の過度な強化となります。

お尻の筋肉は本来、鍛えなくてもよい筋肉です。

これはなぜかというと、お尻の筋肉を鍛えすぎてしまうと、外ももの筋肉(大腿筋膜張筋)や前もも(大腿四頭筋)なども発達し、股関節と膝が外方向に引っ張られ(過剰な外旋ポジション)、股関節がうまく使えなくなります。

すると、腰がつられて反った状態になりやすくなるため、腰にある筋肉(腰方形筋)を無駄に緊張させて身体を支えようになり、腰に負担がかかります。

お尻の筋肉を過度に鍛えすぎたことが原因で、運動の妨げや腰痛を引き起こす原因になるのです。

全身にある鍛えなくてもよい筋肉

お尻の筋肉以外に鍛えなくてもよい筋肉は、実は他にもあります。

・前ももの筋肉(大腿四頭筋)
・首の筋肉(僧帽筋)
・肩(三角筋)

この3つの筋肉とお尻の筋肉は、本来、体幹トレーニングを行う際に鍛えなくてもよい筋肉です。

鍛えなくてもよいというと語弊があるかもしれませんが、あえてフォーカスを当てて鍛えずとも、日常の動きの中で自然と鍛えられている筋肉なので無駄に鍛えなくてもよい筋肉なのです。

腕を上げる動作、脚を上げる動作などで自然と使うしかない筋肉です。
ですから、あえて鍛えなくても良いのです。

では、体幹を安定させ、スポーツを上達させたり、日常で動きやすい身体にするためには、どうすればいいのでしょうか。

裏ももを鍛えると体幹は安定する

体幹トレーニングでは、先ほど述べた4つの筋肉ではなく、体幹のインナーマッスル(大腰筋や腹斜筋)を鍛える筋肉としてフォーカスをあててトレーニングすることが重要になっていきます。

先ほどの、ヒップリフトで言えば、体幹のインナーマッスルが使ってトレーニングすることができれば、お尻の筋肉の余計な働きを抑えることができるようになります。

結果、股関節と膝が外に引っ張られることもなく、腰が反らなくなるので、腰の負担も減り効果的に体幹を鍛えることができるようになります。

しかし、ここで注意して欲しいのが、体幹のインナーマッスルだけを強化する訳ではありません。
ある一箇所の筋肉だけを強化するのではなく、そこにつながる筋肉を全てを使えるようにしていくことで体幹は安定します。

例えば、体幹のインナーマッスルであれば、

大腰筋~骨盤底筋~内転筋〜ハムスリングス

といった繋がりがあるので、内ももや裏ももまで連動させて鍛えると体幹は安定します。

そうすることで、体幹トレーニングは腰痛を解消するための運動としても使え、、スポーツを上達させることにもなるのです。

インナーマッスルを使った正しい体幹トレーニングのやり方

違いを感じやすくするためにまず、何も考えずに仰向けに寝た状態でお尻を上げ下げしてヒップリフトを行ってみましょう。

ヒップリフトを行ったら、その後歩き、感覚を覚えておいてください。

インナーマッスルを使いやすくするワーク

・前に出した脚の股関節のVラインの中央を手で軽く押さえ、股関節を折りたたむように身体を曲げておじぎをする。
・この体勢の状態で、内ももと裏ももの筋肉を軽く叩く。
・その後、股関節から身体を起こす。
・この動きを3回繰り返し、かつ反対の脚でも同じように行っていく。

このワークを行ったらもう一度ヒップリフトを行い、歩いてみてください。

最初に行ったときよりも足が軽かったり、動きすくなっていませんか?
これは、内ももや裏ももに刺激を入れたことによって、体幹のインナーマッスルが働いた状態で体感トレーニングができるようになり、体幹が安定するようになったためです。

おうち時間が続いていて自宅で鍛える機会が増え、体感トレーニングをする方も増えているという方はぜひ、参考にしてみてください。

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