野球やテニスなどのスポーツや武道でよく「脇を締めろ」という言葉をよく聞きます。
このことは、スポーツを上達させる上でとても重要なことです。
しかし、多くの人は間違った方法で脇を締めてしまっています。
脇を閉じることと締めることは違う
脇を閉じるというのは、腕を体幹に押し付け、ギュッと閉めるような動きのことです。
このような形で多くの人は脇を締めろという言葉を聞くと脇を閉じようとしてしまっていることが多いです。
腕を体幹に押し付けると、胸の筋肉(大胸筋)や背中の筋肉(広背筋)といったアウターマッスルが働きやすくなります。
胸の筋肉は肩の筋肉(三角筋)なと繋がっているので、肩関節の表面上の筋肉が働きやすくなってしまいます。
すると、かえって肩が上がりやすくなってしまい、体幹からの力を上手く上半身に伝えられなくなり、パフォーマンスの低下を招いてしまうのです。
脇を閉じずとも締める
もう少しわかりやすいように、野球を例に例えていきたいと思います。
例えば、バッティングで脇が閉じた状態だと、内角は打てるかもしれませんが、外角は打つことができません。
しかし、外角を打つときに脇が締まっていなくてよいのかというとそういうことではありません。
外角を打つときも肩を下げて、肩甲骨を外に開き、脇の筋肉(前鋸筋)を働かせることで脇が締まった状態を作らないと体幹が安定せず、インパクトの瞬間にうまくボールに力を伝えることができないのです。
こういったように実際のスポーツでは脇が閉じた状態でなくとも、脇が締まっている必要があります。
脇を締めた状態にする方法
では、脇を締めた状態というのはどういうことなのか。
脇を締めた状態というのは、肩が下がって肩甲骨が外に広がっている状態のことを言います。
肩が下がって肩甲骨が開いていると脇の筋肉が働き、胸の筋肉や肩の筋肉などのアウターマッスルの働きが抑えられます。
脇の筋肉は脇腹の筋肉(腹斜筋)と繋がっており、脇腹の筋肉は体幹のインナーマッスル(腹横筋~横隔膜~大腰筋)と言ったような繋がりを持っています。
ですので、脇を締めることができるとこれらインナーマッスルが働きやすくなるため、体幹が安定するようになり、体幹から上半身に効率的に力を伝えることができるようになるといったわけです。
脇を自由に締めるためのワーク
・手の下に肩をつき、指先はまっすぐ正面を向け、膝は股関節の真下につく。
・両腕で床を押すことで、肩甲骨間を拡げ、広い背中を作る。
・肩を下げながら床を押し、脇の下の力を感じる。
・さらに脇を締めたまま頭を垂らし、おへそを地面に近づけていくと肩甲骨が浮き出てくる。
※動画もありますのでよろしければご覧ください。
このワークを行うことで肩が下がって、肩甲骨が拡がりますので、脇の筋肉が効き、脇が締まった状態となります。
脇を正しく締めることができれば、体幹から上半身にかけて効率的に力を伝えることができるようになりますので、スポーツパフォーマンスが上がり、結果としてスポーツが上達
します。
野球やテニスだけでなく、他のスポーツでも大切なことなので、ぜひ行ってみてください。
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