・腰が反ってしまう(反り腰)
・背中が丸まってしまう(猫背)
ふと気がつくとこのような姿勢になってしまう人は、慢性的に肩・首が凝ったり、腰に張りや痛みを感じていませんか?
悪い姿勢には、それぞれの特徴があります。
反り腰→背中側の筋肉が縮こまっている。
猫背→お腹側の筋肉が縮こまっている。
このような姿勢が長い時間にわたっている人は、上記の筋肉をガチガチに固めています。
それにより、不快な症状が慢性化してしまうのです。
もちろん、姿勢を正すと不快な症状も治まってくる場合もあります。
ただ、姿勢の正し方には注意すべき点があります。
その注意点がさえ分かっていれば、見た目の姿勢が悪くても痛みや疲れなどの症状は起きにくくなります。
どいうことか、順を追って説明していきます。
良い姿勢にすれば大丈夫という訳でもない
見た目の悪い姿勢を正そうと姿勢を真っ直ぐにしても、かえって疲れてしまうことってありませんか?
それでも無視して良い姿勢を保とうとすると、
・猫背の人は、背筋を使い過ぎて腰が疲れてしまう。
・反り腰の人は、腹筋の中でもアウターマッスルの腹直筋だけに力が入る。
という状態になり、体幹の前後面の筋肉をガチガチに固める姿勢の正し方になってしまいます。
これでは、見た目の姿勢を正すことはできるかもしれませんが、根本的な痛みや疲れはなくなりません。
全ての基本は股関節を整える
実は反り腰や猫背は、体幹が安定しないために仕方なく取っている姿勢なのです。
体幹が安定しない原因に股関節が上手く使えていないことが考えられます。
股関節を上手く働かせることができなければ、股関節周りの筋肉に必要以上の力が入ってしまいます。
具体的に言えば、股関節周りの筋肉で、お尻の筋肉(大殿筋)への負荷が高まると、腰や背中の筋肉(広背筋)が連鎖して働き、反り腰の傾向が強くなります。
前ももの筋肉(大腿四頭筋)への負荷が高まると、前ももと繋がっている腹筋の緊張が高まり、猫背の傾向が強くなります。
股関節を上手く使うことができれば、股関節周りの筋肉の緊張が抜け、筋肉のつながりを介して反り腰や猫背などの姿勢を整えることができます。
ではどうすれば、股関節を上手く使えるようになるのでしょうか。
股関節を上手く働かせるために、積極的に働かせたい筋肉があります。
その筋肉というのが、大腰筋です。
大腰筋は、体幹の筋肉(横隔膜~腹横筋~内・外腹斜筋)と繋がっています。
これらの筋肉は、骨盤の筋肉(骨盤底筋)や背中のインナーマッスル(多裂筋)とともに、腹圧を調整する役割を持ちます。
大腰筋を積極的に働かせることによって、筋肉の繋がりを介して腹圧の調整が上手くなります。
このようにして、体幹を安定させることができるようになると、腹筋や背中の筋肉などのアウターマッスルを無理に使わずとも姿勢を安定させることができます。
悪い姿勢のままでも身体の負担を減らすことができる
ここまで猫背や反り腰のことについて述べてきましたが、猫背や反り腰であっても、身体に痛みや疲れを感じない人がいます。
実は、これには2つのパターンが考えられます。
1つ目は筋肉が固まり過ぎ、身体の感覚が鈍っているパターンです。
2つ目は体幹のインナーマッスルを積極的に働かせることによって、悪い姿勢によって生じる負荷を多くの筋肉で分担して軽減しているパターンです。
重い荷物を1人で持つより、多くの人で持った方が負担は小さくなるように、身体にかかる負荷も多くの筋肉を使って分担させると、身体は楽になります。
2つ目の身体の使い方をするにあたっても、やはり先ほど述べた股関節の働きが重要になってきます。
悪い姿勢による痛みや疲れをなくす股関節のワーク
<やり方>
1.脚を腰幅に開いて、つま先を真っ直ぐ正面に向ける。
2.かかと荷重で膝が前に出ないように、お尻を後方へ突き出し(=股関節の屈曲)、モモ裏に張りを作る。
3.モモ裏の張った部分を締めるようにして、立位姿勢に戻る(=股関節の伸展)。
動画
姿勢を正さなければ不快な症状もなくならない考える人は少なくありません。
ですが、見かけは悪い姿勢でも股関節を働かせ、インナーマッスルを積極的に利用すると、身体にかかる負荷を抑えることができます。
長年の癖でなかなか姿勢を矯正することができない、という方は、せめて股関節を上手く使えるようにしてみてください。
見た目の姿勢が変わらなくても、症状が軽快になる筈です。
ぜひ、試してみてください。
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ヘッドトレーナー
<保有資格>
JCMA認定体軸セラピスト
JCMA認定ヨガセラピスト
RYT200
NASM-PES
NSCA-CPT
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