幼い頃から注目され、今や世界最高峰の場所で活躍するようになったサッカー日本代表の久保建英選手。
彼のプレーは「全身がバネみたく弾むようにプレーしている」と解説者が言っていました。
確かに久保選手のように全身をバネのように使って動いている選手は素早く、しなやかな動きをします。
よくこういった動きができる要因としては、
・幼いころから運動しているから。
・生まれつき筋肉の質が違うから。
・運動センスがあるから。
などと言われたりしますが、このバネの正体とは一体なんなのでしょうか?
そもそも身体のバネってなに?
そもそもの話になりますが、全身をバネのように使って動くというのは、『伸長反射』のことを指します。
伸長反射とは、筋肉が急激に引き伸ばされることによって、筋肉の中にあるセンサー(筋紡錘)が反応し、引き伸ばされた筋肉を勢いよく縮ませる反応のことをいいます。
全身をバネのように使って動いている人は、この伸長反射を上手く連続的に利用しながら全身を動かし、効率よく力を発揮しています。
冒頭でお伝えした久保選手もよくドリブルなどで相手を抜くときやシュートを打つ瞬間は、伸長反射を利用することによって、キレのある動きや威力のあるシュートを打っています。
では、どうすれば実際のスポーツで伸長反射を上手く利用し、身体を動かすことができるのでしょうか?
全身をバネのように使えるのはセンスだけではない
伸長反射を上手く利用しながら、全身をバネのように使えるようになるには、身体を動かすために必要な能力があります。
実はあの動きはセンスがあるからできるわけではないのです。
そして、それは「筋肉を力ませない」ということです。
伸長反射を上手く利用するためには、筋肉の伸び縮みをスムーズにする必要があり、そのためには筋肉に余計な力みがない状態にしなければなりません。
特に、全身をバネのように使えず、動きが固くなってしまう人の特徴としては、もも前(大腿四頭筋)やお尻(中殿筋)、腹筋(腹直筋)、肩や首の筋肉(三角筋や僧帽筋)といったようなアウターマッスルが無駄に緊張している傾向にあります。


アウターマッスルは、大きな力を発揮する時に大事な筋肉ではあるのですが、必要以上に使ってしまうと動きを固くしてしまい、結果として伸長反射が上手く利用できなくなってしまいます。
極力、余計な力みがない状態にしなくてはならないといったのは、そういった理由があるからなのです。
そして、身体に無駄な緊張がない状態にするために重要になってくるのが、脇(前鋸筋)と股関節の筋肉(大腰筋やハムストリングス)を働かせるということです。


これらの筋肉は上半身と体幹、体幹と下半身を繋ぐ筋肉なので、働かせることによって全身を上手く連動させることができるようになります。
また、脇、股関節の筋肉と繋がっている体幹のインナーマッスル(横隔膜や骨盤底筋群など)も働くようになるので、アウターマッスルの無駄な緊張がなくなり、伸長反射を上手く利用することができるようになります。
なので、脇と股関節を上手く使えるようにすることで、全身をバネのように使って動かすことができるようになるのです。
脇と股関節を使えるようにするためのワークは以下の2つのワークです。
股関節を使えるようにするワーク
1.腰幅で立ち、つま先とかかとが正面にくるように一直線にする。
2.外くるぶしに意識しながら、膝をゆるめ、ビキニラインの中央を両手で押さえる。
3.手を挟むように意識しながら、お尻を後ろに引いてお辞儀をする。
4.起き上がるときは裏ももの張りを感じながら起き上がる。
5.5回ほど行う。
脇を使えるようにするワーク
・手の下に肩をつき、指先はまっすぐ正面を向け、膝は股関節の真下につく。
・両腕で床を押すことで、肩甲骨間を拡げ、広い背中を作る。
・肩を下げながら床を押し、脇の下の力を感じる。
・さらに脇を締めたまま頭を垂らし、おへそを地面に近づけていくと肩甲骨が浮き出てくる。
これら2つのワークを行うことによって、脇と股関節を使えるようにする基礎ができます。
脇と股関節が使えるようになれば、繋がっているインナーマッスルが使えるようになって、アウターマッスルの余計な力みがなくなります。
結果、伸長反射を上手く使えるようになって、バネのような動きができるようになります。
サッカーはもちろん、全てのスポーツを上達させるにあたって、重要になってきますので、ぜひ運動前やトレーニングなどに取り入れてみてください。
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