立っていると疲れやすいし、腰や膝が痛い・・・
その原因は足腰が弱っているのかもしれません。
足腰を疲れにくくするためには、足と腰を繋ぐ股関節を使った定期的な運動が欠かせません。
その股関節をきちんと働かせるためには、ある筋肉を正しく使える必要があります。
そして、その筋肉が骨盤底筋です。
骨盤底筋は、骨盤の底を覆うハンモック状の筋肉です。

この骨盤底筋には以下の役割があります。
・内臓を支える役割
・排泄の役割
・他の筋肉と協働して腹圧を作り、体幹を安定させる役割
この3つの役割は、一般的にも言われてることです。
これに加えて、骨盤底筋は股関節を動かすときに以下の役割を果たします。
脚を挙げるとき(股関節屈曲時)→伸びながら力を発揮
地面を蹴るとき(股関節伸展時)→縮みながら力を発揮
骨盤底筋は、この伸び縮みを使い分けることで、股関節の働きを助けているのです。
ですが、これは、骨盤底筋が正しく働いている場合においてのみ言えます。
では、骨盤底筋が正しく働かないと、どのような影響が出るのでしょうか?
骨盤底筋の固さは、股関節の動きを制限する
骨盤底筋が固いと上手く伸びながら力を発揮できず、股関節を曲げにくくなります。
イスに座るときであれば、股関節を上手く曲げることができないと膝で動きをカバーし、ようとします。
膝で動きをカバーするというのは、大腿四頭筋(前もも)に余計な力が入った状態です。

このような状態になると膝関節に大きく負荷をかけてしまいます。
つまり、骨盤底筋が固いと股関節を上手く使えなくなるばかりか、膝を痛める原因にもなるのです。
それでは、骨盤底筋は柔らかくすればいいのかというとそういうわけでもありません。
確かに筋肉の柔軟性は必要ですが、ただ柔らかいだけではダメなのです。
骨盤底筋に力が入っていないと腰が痛くなる
どういうことか、順番に説明するので一緒に体験してみましょう。
イスに座った状態で、両方の坐骨にグッと手を当てて下さい。
そこの皮膚や肉を左右に広げるようにすると、骨盤底筋を伸張させることになります。
その状態で立ち上がると、腰が反りやすくなります。
本来、立ち上がる時は股関節が伸びる動きが主体なのですが、「腰が反る動き」が加わり、イスから立ち上がる度に腰に負担がかかることになります。
つまり、骨盤底筋が柔らかく力が入っていないと、日常生活動作や身体のために行っている定期的な運動によって、腰に負担をかけてしまうのです。
ですので、骨盤底筋には縮む/伸ばすの両方の力の使い方が必要で、適切なタイミングで使い分けることが重要です。
以下の運動で、股関節の動きに応じて骨盤底筋を正しく使うことができます。結果、股関節を正しく使えるようになります。
骨盤底筋を適切に働かせるワーク
股関節スクワット
1、脚を腰幅に開いて、つま先を真っ直ぐ正面に向ける。
2、かかと荷重で膝が前に出ないように、お尻を後方へ突き出し(=股関節の屈曲)、モモ裏に張りを作る。
3、モモ裏の張った部分を締めるようにして、立位姿勢に戻る(=股関節の伸展)。
この運動を行った後、以下の動きを加えた股関節スクワットを行ってみてください。
股関節の動きがスムーズになるはずです。
2のタイミングで、お尻の穴を広げるように両坐骨に手を当てて広げる(骨盤底筋を伸ばす)。
3のタイミングで、お尻の穴を縮めるように両坐骨に手を当てて狭める(骨盤底筋を縮ませる)。
このように、骨盤底筋が適切なタイミングで縮む/伸びるように促すことができ、股関節の使い方を向上させることができます。
またこの筋肉は、インナーマッスルで有名な大腰筋とのつながりがあります。
この筋肉が適切なタイミングで縮む/伸びるが出来ると、大腰筋も働きやすくなります。結果、体幹の安定性も向上します。
ですので、足腰を丈夫にするためには、やみくもに身体を動かす前に、股関節を正しく使うことができる身体の環境づくりが必要なのです。
ぜひ、参考にしてみてください。
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