スポーツをする方、ヨガなどのフィットネスをする方が抱えている良く抱えている不調の一つに、股関節の付け根の痛み、違和感があります。
具体的には股関節の付け根の前側、ビキニラインの真ん中あたりです。対処法としては、股関節の付け根周囲の筋肉をほぐしたり、筋トレをする方法があります。
しかし、痛みが良くならない方は、原因が股関節になく、足首の固さが原因の可能性があります。
一体どういうことか一緒に見ていきましょう。
なぜ、股関節が痛くなるのか?
なぜ、股関節の付け根に痛みが起こるのかと言うと、まず股関節に負担がかかるような動きや姿勢があることが考えられます。
わかりやすいようにサッカーで例えますが、何度も繰り返しボールを蹴っている中で、股関節に負担が来るような動きをしてしまっているということです。
ボールを蹴る際、足を後方に振りかぶると、腹筋(腹直筋)から太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が伸ばされます。

蹴る瞬間、伸ばされた筋肉は力を発揮する必要があるため、急激に縮みます。(伸張反射)
伸ばされる動きと縮む動きが急激に何度も繰り返された結果、股関節の付け根周囲の筋肉には大きな負担が加わるのです。
サッカーをしていない方でも、股関節が固い人だとこの痛みはよくあることです。
ヨガでも同じことです。
股関節が固まっている状態でポーズを取ったりしていると、動きの中で筋肉が伸ばされたり、縮む動きが何度も繰り返され、股関節の付け根周囲に負担が加わるのです。
これらのことを考えると、股関節周囲に負担がかからないような身体の使い方が重要となるのです。
股関節から足首までの筋肉の繋がり
股関節には、股関節を安定させる重要な役割を持つ、大腰筋というインナーマッスルが付いています。

大腰筋が働いていることで、股関節を安定させたまま動かすことができるので、大腰筋が働いていない状態では股関節にかかる負担は大きくなるということになります。
大腰筋は、
・内ももの内転筋
・裏もものハムストリングス
・膝裏の膝窩筋
・ふくらはぎの後脛骨筋

これらの股関節から足首まで筋肉によって繋がっています。
大腰筋が固くなったり働かなくなったりすることで、筋肉の繋がりを介して他の筋肉も固くなってしまいます。
つまり、大腰筋だけほぐしたり鍛えても他の筋肉まで固くなっていると、すぐに元に戻ってしまったり、痛みが解消されなくなってしまうのです。
そこでポイントとなるのが、筋肉には必ず、対になる役割を持つものが存在しているということです。
大腰筋の脚を持ち上げる動きに対して、脚を後ろへ動かす役割を持つ筋肉が存在します。
それがお尻の付け根から膝の裏側まで付いているハムストリングスという筋肉です。
大腰筋とハムストリングスは骨盤を介してお互いに関係し合っています。
さらに、ハムストリングスは足首の筋肉(後脛骨筋)に繋がっているので、後脛骨筋をほぐすことで大腰筋とハムストリングスの緊張をなくすことができ、それぞれの働きも高めることができます。
試しに股関節の痛み、裏ももとふくらはぎの固さをチェックしてから以下の運動を試してみてください。
1.ふくらはぎの内側と骨の間を押す。
2.内くるぶしから膝の近くまで間をたどっていく。
3.たどりながら足首を左右へ回す。
4.特に硬さや痛みを感じる部位を中心的におこなう。
もう一度チェックしてみると、そけい部の痛みは改善、裏ももは適度な張りができてふくらはぎのは柔らかくなっているはずです。
股関節と背骨と骨盤の関係
股関節の運動では、太ももの大腿骨という骨が主に動きますが、大腿骨だけが動くわけではありません。
大腿骨と一緒に骨盤と腰の背骨も動くことで、大きな動きを可能とし、股関節にかかる負担を減らしています。
もう一度、股関節の痛みをチェックして以下の運動を試してみてください。
もう一度、股関節をチェックすると痛みや違和感が和らいでいるかと思います。
これは、この運動によって大腰筋が優位に働き、大腿骨と一緒に骨盤と腰の背骨が動きやすくなります。
股関節痛でお悩みの方は、今回ご紹介した運動を是非お試しください。
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ヘッドトレーナー
<保有資格>
JCMA認定体軸セラピスト
JCMA認定ヨガセラピスト
RYT200
NASM-PES
NSCA-CPT
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