野球の大リーグでトップの活躍を見せているダルビッシュ投手。
150キロを超える変化球は打者だけでなく、観ている者も圧倒されると感じている人は多いのではないでしょうか。
そんな彼のピッチングを支えているのが「肩甲骨の柔らかさ」です。
この「肩甲骨の柔らかさ」があるからこそ、今シーズンの活躍ができているのかもしれません。
今回はダルビッシュ投手の身体の使い方の秘密に迫りつつ、スポーツを上達させるために最も重要なポイントもお伝えしていきたいと思います。
なぜ肩甲骨が柔らかいと良いのか?
肩甲骨が柔らかいというのは、単純に肩甲骨周りの筋肉が柔らかいというだけではありません。
筋肉が柔らかいのはもちろんなのですが、肩甲骨を上手く使えていることをいいます。
肩甲骨が上手く使えているというのは、肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)が働いている状態のことを言います。

肩のインナーマッスルが働くと、肩関節が安定して体幹から上半身に効率よく伝えられるようになるためです。
ダルビッシュ投手のように150キロを超えるボールをなんなくコントロールできているのは、肩甲骨が柔らかいことによって、上半身が安定した状態で投げることができているからなのです。
脇を使うと肩甲骨を柔らかく動かせる
肩甲骨を柔らかく動かせるようになるためには、ポイントがあります。
それが、脇の下の筋肉(前鋸筋)を使うということです。

脇の下の筋肉を使うことによって、肩甲骨と腕の骨(上腕骨)が一致した状態となります。(ゼロポジション)
この肩甲骨と腕の骨が一致した状態というのは、先程お伝えした肩のインナーマッスルが働きやすく、肩の負担が最も少なくなります。
ですから、脇を使うことができれば、肩甲骨を柔らかく使うことができ、体幹からの力を上半身に効率よく伝えることができるようになるのです。
肩甲骨を柔らかく使えるようになるワークは以下のとおりになります。
・手の下に肩をつき、指先はまっすぐ正面を向け、膝は股関節の真下につく。
・両腕で床を押すことで、肩甲骨間を拡げ、広い背中を作る。
・肩を下げながら床を押し、脇の下の力を感じる。
・さらに脇を締めたまま頭を垂らし、おへそを地面に近づけていくと肩甲骨が浮き出てくる。
※動画もありますのでよろしければご覧ください。
股関節が使えればもっと肩甲骨が使えるようになる
先程の肩甲骨を上手く使えるようになるポイントとして、脇の下の筋肉を挙げました。
しかし、実はもう一つ前提として使えなければならないポイントがあります。
それが、股関節です。
それはなぜかというと、下半身が安定していない状態でいくら肩甲骨を使えるようにしても、体幹が安定せず、上手く上半身に力を伝えるができないからです。
股関節には、体幹のインナーマッスル(大腰筋)が付いています。

体幹のインナーマッスルは体幹を安定させる役割を持つほか、いくつかの筋肉を介して脇の下の筋肉までつながっています。
そのため、股関節を上手く使って体幹インナーマッスルを働かせることで、体幹を安定させながら、下半身から体幹、体幹から上半身へと効率よく力を伝えることができるようになります。
昨シーズンのダルビッシュ投手のYouTubeに上がってる動画と今シーズンの動画などを見比べてみると、わかりやすいかと思います。
今シーズンの方が脚を前にスライドした時に上手く股関節に乗りながら、全身を使ってボールを投げていることがわかります。
股関節を使えるようになるワーク
股関節を使えるようになるワークは以下の通りです。
・足を肩幅に開いて、足の指先と膝を正面に向ける。
・外くるぶしに体重をかけて、そけい部(股関節のつけ根)を触る。
・触ったまま、膝が前に出ないように、お尻を後ろに突き出す。
・太ももの後ろ側のつけ根の部分が伸びる感じが得られる。
・伸びた太ももの後ろ側の部分を絞めるように力を使って、股関節を支点に身体を起こす。
*この時、腰を反らさないようにします。
動画はコチラ
2つのワークは、野球はもちろん、テニスやバスケ、サッカー、ラグビーなど他のスポーツでもかなり有効なワークになっております。
スポーツを上達させて、普段のパフォーマンスをさらに上げたいと思っている方は、ぜひワークを行なってみてください。
今回紹介したような身体の使い方がさらに知りたい方は以下の無料PDF書籍をダウンロードしてみてください。
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