二の腕をスッキリさせるために、鍛えてもなかなか効果が出ない。
そのような悩みを持つ人の多くは、二の腕を細くするために、ある間違いをしている可能性があります。
実は二の腕をスッキリさせるためのポイントは「お尻」にあるのです。
二の腕をスッキリさせることとお尻がどのように関係があるのかを確認して、効果的に二の腕を鍛える方法を見ていきましょう。
二の腕の筋肉を鍛えるための条件
二の腕の筋肉は、上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)と呼ばれる筋肉です。
この筋肉は、主に肘を伸ばすときに使う筋肉です。
肘を伸ばす動き、つまり、腕立て伏せで肘を曲げ伸ばしすることで二の腕は鍛えられます。
ただ、この方法で二の腕をしっかりと鍛えるためにはある条件が必要です。
その条件は「肩甲骨を安定させる」ことです。

腕立て伏せは、肩が安定しているからこそ、肘をスムーズに曲げ伸ばしできます。
もし肩が不安定だった状態で腕立て伏せをすると、肘を伸ばす動きでも肩や手首に負担がかかってしまい、二の腕の上腕三頭筋がうまく使われません。
つまり、正しく二の腕を鍛えるには、肩が安定していて、手首や肩ではなく肘がきちんと伸びる必要があるのです。
肩甲骨の安定とお尻の筋肉
二の腕の筋肉である上腕三頭筋をしっかりと使うためには、肩甲骨の安定が必要です。
その肩甲骨の安定は、背中の筋肉(広背筋)がポイントとなります。
この広背筋は、背中や腰の背骨から肩甲骨の表面を通り、肩甲骨の外側から上腕骨に付きます。

肩甲骨の表面を通るため、例えば広背筋が固くなっていると肩甲骨の動きを止めてしまいます。
肩甲骨の動きが止まると安定するのでは?
と思う人もいるかもしれませんが、腕(上腕骨)の動きに合わせて1番安定するところに肩甲骨も動くのことが本当の安定になります。
もし肩甲骨の動きが止まってしまうと、腕に合わせて肩甲骨が動かなくなり、腕の場所によっては肩甲骨が安定しない場所になることもあります。
つまり、肩甲骨が動きのなかで安定するためには広背筋の固さがないことが必要なのです。
この広背筋の固さは、反対側のお尻の筋肉(大殿筋)がポイントとなります。
広背筋は反対側の大殿筋と繋がりがあり、筋肉のつながりは、お互いに関係し合うため、一方が固くなればつながっている筋肉も固くなりやすいです。

その考えから紐解くと、大殿筋が固くなると反対側の広背筋も固くなってしまいます。
まとめると、
大殿筋の固さ→広背筋の固さ→肩甲骨が動かなくなる→肩が安定しない→二の腕が鍛えられない
となります。
これを考えると、二の腕を鍛えるためには、鍛えたい方と反対側のお尻の筋肉の固さがないことが、二の腕を鍛えて引き締める条件になるということです。
お尻の固さをとる運動
大殿筋と広背筋は、みぞおちの裏側辺りで腰を覆う筋肉の膜ともつながっています。
つまり、この筋肉の膜の緊張が減ることで、大殿筋や広背筋の固さも少なくすることができます。
今から紹介する運動の前に、一度今のお尻の固さ、肘の曲げ伸ばしのしやすさを比べてみてください。
それを確認してから次の運動をしてみましょう。
<お尻の固さをとる運動>
- 椅子に座る、もしくは立つ
- みぞおちを軽くさわる
- みぞおちをさわったまま、腰を曲げ伸ばしする
- みぞおちをさわったまま、腰を左右に倒す
- みぞおちをさわったまま、腰を左右へひねる
- それぞれ10回ずつ程度繰り返す
運動を終えたら、先程のお尻の固さや二の腕の曲げ伸ばしのしやすさをもう一度確認してみましょう。
お尻の固さがあった方や肘の曲げ伸ばしがしにくかった人は、おそらく先ほどよりも固さや曲げ伸ばしがしやすくなっていると思います。
ぜひ二の腕をしっかりと引き締めたいときは、まずはさきほどの運動でお尻をほぐしてから二の腕を鍛えていきましょう。
今回のように、運動をする場合は、その筋肉とのつながりを考えることで、一見関係なさそうな筋肉が影響して効果を出せないこともあります。
『間違いだらけの体幹トレーニング』には筋肉のつながりを考えたトレーニングの基本が書いてありますので、ぜひ一度手にとってみてください。
https://mag.metaaxis.co.jp/taikan/
<保有資格>
・理学療法士
・JCMA認定体軸セラピスト
医療−介護−障害福祉の事業をする会社のマネージャー職。
理学療法士、ピラティス、体幹トレーナー、第1種衛生管理者で動きの専門家。
ビジネス全般、IPO、M&A、組織作り、育成・教育。ビジネスができる身体を。
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