こどものスポーツ上達のカギは脇にある

こんにちは
理学療法士の中山です。

こどもにスポーツを教えるとき、
よく「脇をしめて!」という言葉を耳にします。

確かに脇をしめることはとても重要なのですが、
素直に言葉通りに受け取ってしまうと
ただただ運動がヘタになってしまいます。

では、本当の意味での「脇をしめる」とは
どのようなことを言うのでしょうか?

一緒にみていってみましょう。

〔2種類の脇のしめ方がある〕

「脇をしめて」と言うと、
こどもは素直なので、本当に脇を閉じて
体幹に腕をギュッとくっつけるようにしてしまいます。

もちろん、場合によっては
これでうまくいくこともありますが、
スポーツにおいては、これではなかなか
うまくいかないことの方が多いでしょう。

と言うのも、この意味で脇を閉じてしまうと
肩や胸の筋肉にムダに力が入ってしまい
力加減がうまくいかなかったり、
動きが固く雑になってしまうからです。

野球を例にすると、

・力んでしまいコントロールがさだまらない
・脇を閉じたことによりバットを大きく振れない
・飛んでくるボールの動きに合わせられない

というようなことが起きてしまいます。

ここまでが、1つ目の脇しめ方です。

次は、もう1つの脇のしめ方について、
見ていってみましょう。

〔もう1つの脇のしめ方〕

もう1つについては脇を「締める」と表現します。

これは脇の筋肉である前鋸筋(ぜんきょきん)を
使って動くことを言います。

なぜ、この筋肉を使うのかと言うと、
前鋸筋は腕への力の伝達をスムーズにしてくれたり、
体幹や下半身の筋肉と連動して
からだを安定させてくれる役割があるからです。

ちなみに、この前鋸筋を使っての
脇を締めた状態というのは、
脇を開いていようが閉じていようが
あまり関係ありません。

簡単に言うと見た目の問題ではなく、
前鋸筋が使えているかいないかの違いです。

前鋸筋を使って脇を締めるには
次に紹介する体操がおすすめですので
試してみてください。

〔脇が締まりやすくなる腕まわし体操〕

・親指を脇の下に入れ肩甲骨を掴むように押さえる。
・押さえたまま腕を前後に5回ずつまわす。
・反対の腕も同じように行う。
 
動画はこちら
https://youtu.be/rAkCAfS3zsY

前鋸筋が使えているかいないかを確かめるには、

・体操を行う前に両腕を前に伸ばして、
中指の先がどの程度伸びているかを覚えておく。
(左右の手で見比べておくと分かりやすいです)
・腕まわし体操を行う。

この順序で行い、最初と比べ腕がより遠くへ伸びていたら
前鋸筋が使いやすくなっていると言えるでしょう。

ぜひ、試してみてください。

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中山照教

理学療法士
JCMA認定体軸セラピスト
パームセラピスト