〜体幹を安定させる足腰の鍛え方〜
体幹トレーニングが流行り始めて早10年。
今やトレーニングといえば体幹トレーニングというほどかなり馴染み深いものになりました。
体幹トレーニングを行うことによって、体幹が安定するようになり、スポーツが上達した。
体幹が鍛えられたことで、腰痛がなくなり、くびれができるようになった方はいます。
しかし、その一方で、体幹トレーニングを行ったことで、身体に無駄に負荷をかけてしまい、スポーツの上達を妨げてしまうことや身体を痛めてしまう方が多くいます。
同じように鍛えているはずなのに、なぜこのような違いが出てしまうのでしょうか?
鍛えなくてもよい足腰の筋肉
体幹トレーニングで代表的なものとして挙げられるのが、ヒップアップや腰痛予防などに効果があるトレーニングで、ヒップリフト(バックブリッジ)というものがあります。
このトレーニングは、お尻と背中が強化するというものですが、やり方を間違えるとお尻の筋肉(中殿筋や大殿筋)の過度な強化となります。

お尻の筋肉は本来、鍛えなくてもよい筋肉です。
なぜなら、お尻の筋肉を鍛えすぎてしまうと、外ももの筋肉(大腿筋膜張筋)や前もも(大腿四頭筋)なども発達し、股関節と膝が外方向に引っ張られ(過剰な外旋ポジション)、股関節がうまく使えなくなります。

すると、腰がつられて反った状態になりやすくなるため、腰にある筋肉(腰方形筋)を無駄に緊張させて身体を支えようになり、腰に負担がかかります。
お尻の筋肉を過度に鍛えすぎたことが原因で、運動の妨げや腰痛を引き起こす原因になるのです。
全身にある鍛えなくても鍛えられる筋肉
お尻の筋肉以外に鍛えなくてもよい筋肉は他にもあります。
・前ももの筋肉(大腿四頭筋)
・首の筋肉(僧帽筋)
・肩(三角筋)



この3つの筋肉とお尻の筋肉は、本来、体幹トレーニングを行う際に鍛えなくてもよい筋肉です。
鍛えなくてもよいというと語弊があるかもしれませんが、あえてフォーカスを当てて鍛えずとも、日常の動きの中で自然と鍛えられている筋肉なので無駄に鍛えなくてもよい筋肉なのです。
腕を上げる動作、脚を上げる動作などで自然と使うしかない筋肉です。
ですから、あえて鍛えなくても良いのです。
では、体幹トレーニングは頑張ってするほどの効果はないものなのでしょうか?
裏ももを鍛えると体幹は安定する
体幹トレーニングで効果を出すには、先ほど述べた4つの筋肉ではなく、体幹のインナーマッスル(大腰筋や腹斜筋)を鍛える筋肉としてフォーカスをあててトレーニングすることが重要になっていきます。


先ほどの、ヒップリフトで言えば、体幹のインナーマッスルを使ってトレーニングすることができれば、お尻の筋肉の余計な働きを抑えることができるようになります。
結果、股関節と膝が外に引っ張られることもなく、腰が反らなくなるので、腰の負担も減り効果的に体幹を鍛えることができるようになります。
しかし、ここで注意して欲しいのが、体幹のインナーマッスルだけを強化する訳ではありません。
ある一箇所の筋肉だけを強化するのではなく、そこにつながる筋肉を全てを使えるようにしていくことで体幹は安定します。
体幹のインナーマッスルであれば、
大腰筋~骨盤底筋~内転筋〜ハムスリングス
といった繋がりがあるので、内ももや裏ももまで連動させて鍛えると体幹は安定します。



そうすることで、体幹トレーニングは腰痛を解消するための運動としても使え、、スポーツを上達させることにもなるのです。
インナーマッスルを使った体幹トレーニングのやり方
やる前とやった後でわかりやすいようにまず、何も考えずに仰向けに寝た状態でお尻を上げ下げしてヒップリフトを行ってみましょう。
ヒップリフトを行ったら、その後歩いてその時の感覚を覚えておいてください。
・片脚を一歩前に出す。
・前に出した脚の股関節のVラインの中央を手で軽く押さえ、股関節を折りたたむように身体を曲げておじぎをする。
・この体勢の状態で、内ももと裏ももの筋肉を軽く叩く。
・その後、股関節から身体を起こす。
・この動きを3回繰り返し、かつ反対の脚でも同じように行っていく。
このワークを行ったらもう一度ヒップリフトを行い、歩いてみてください。
最初に行ったときよりも足が軽かったり、動きやすくなっていませんか?
これは、内ももや裏ももに刺激を入れたことによって、体幹のインナーマッスルが働いた状態でトレーニングができるようになり、体幹が安定するようになったためです。
自粛要請が続き、お家でトレーニングをする機会が増えた方はぜひ、参考までにトレーニングしてみてください。
今回紹介した正しい体幹の鍛え方をもっと知りたい方は下記の無料PDFをダウンロードください。
https://mag.metaaxis.co.jp/taikan/
ヘッドトレーナー
<保有資格>
JCMA認定体軸セラピスト
JCMA認定ヨガセラピスト
RYT200
NASM-PES
NSCA-CPT
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