スポーツを上達させるための近道としては、体幹を安定させ、強くすることはとても大切なことです。
体幹を安定させるための方法の中に腹筋を鍛えることが挙げられます。
しかし、腹筋ばかり鍛えているとかえって体幹が弱くなってしまったり、スポーツが上達しない原因となってしまうことがあります。
腹筋を強化すれば体幹に力が入るようになり、安定しそうな感じがしますが、なぜなのでしょうか?
腹筋トレーニングは体幹を不安定にさせる?
一般的に体幹を安定させるとなると、腹筋(腹直筋)を鍛えることをメインにしたトレーニングを行う場合が多くあります。

実際、体幹トレーニングをやったことがある方は、お腹にグッと力を入れて踏ん張り、姿勢を維持する、上体起こしをやってお腹に力が入るようにするといった経験をしたことがあるのではないでしょうか。
これは、腹筋を鍛えることによって、姿勢が維持しやすくなったり、体幹周りに力が入り当たり負けしなくなるといった効果があると言われているためです。
しかし、腹筋ばかりに偏って鍛えてしまうと、かえって体幹が不安定になって、姿勢が維持できなくなってしまったり、相手と競り合ったときにすぐに当たり負けてしまうといったことが起きてしまいます。
なぜなら、腹筋ばかりを鍛えてしまうと、腹筋とつながっているももの前(大腿四頭筋)にも必要以上に力が入るようになり、それによって股関節周りの筋肉が固まってしまうからです。

股関節には体幹を安定させる役割を持っている体幹のインナーマッスル(大腰筋)がついています。
ですから、腹筋ばかり偏って鍛えることによってももの前が疲労し、股関節が固まってしまうと、体幹のインナーマッスルも働きにくくなってしまい、体幹が不安定になってしまうのです。
もも裏で体幹を安定させる
では、体幹を強くした上で、スポーツを上達させていくにはどうすればいいのでしょうか。
体幹を安定させるためには、前提として体幹のインナーマッスルが働いている状態で体幹を鍛えていく必要があります。
そのためには股関節を上手く使いながら、体幹のインナーマッスルが働くようにしていく必要があるのですが、普段からインナーマッスルが使えていないと意識するのは難しいものがあります。
そこで、重要になってくるのがもも裏を意識して動くということです。

もも裏は体幹のインナーマッスルとつながっており、もも裏を意識して使っていくことで体幹のインナーマッスルも働きやすくなって、体幹が安定するようになります。
以下のワークはもも裏を使いやすくするワークになりますので、ぜひやってみてください。
内ももを連動させて体幹を安定させる
先ほどのもも裏のワークだけでも体幹が安定した状態で動けるようになります。
ですが、もも裏のワークと合わせて内ももも鍛えていくとさらに体幹が安定して、姿勢がキープしやすくなったり、当たり負けないようになります。

以下のワークは内ももを使いやすくするワークになります。
変化を見るために、片足立ちで立って体幹のぐらつき具合や立ちやすさなどをチェックしておくと良いでしょう。
・片脚を一歩前に出す。
・前に出した脚の股関節のVラインの中央を手で軽く押さえ、股関節を折りたたむように身体を曲げておじぎをする。
・この体勢の状態で、内ももと裏ももの筋肉を軽く叩く。
・その後、股関節から身体を起こす。
・この動きを3回繰り返し、かつ反対の脚でも同じように行っていく。
ワークを行ったら、片足立ちをして先ほどとどう変わったか変化を見てみてください。
おそらく、先ほどよりもバランスが取りやすくなったり、立ちやすくなっているはずです。
これは、内ももに刺激を入れることによって、内ももとつながっているもも裏が働くようになって、股関節が上手く使えるようになったためです。
股関節が上手く使えれば、体幹のインナーマッスルも働きやすくなり、体幹が安定するようになります。
今回紹介した2つのワークは誰でも簡単にできるようなものですので、ぜひ運動する前やトレーニングなどで行なってみてください。
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https://mag.metaaxis.co.jp/taikan/
ヘッドトレーナー
<保有資格>
JCMA認定体軸セラピスト
JCMA認定ヨガセラピスト
RYT200
NASM-PES
NSCA-CPT
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