「お腹を引き締めるために腹筋を頑張る!」
そう思って腹筋運動をしていると首が痛くなる方は少なくないと思います。
それでも頑張って腹筋をしていると、実は腹筋運動の本来の効果が得られないことが多いです。
腹筋運動で首が痛くなる理由と本来の効果を得るためのやり方を紹介します。
読んだ後はきっと腹筋運動をしても首が痛くなく、お腹の引き締めが期待できる腹筋運動ができるようになります。
腹筋運動で首が痛くなる理由
腹筋運動で首が痛くなる理由を話す前に、ぜひ知っておいてもらいたい知識として、「筋連鎖」という言葉があります。
筋連鎖とは、その名の通り筋肉が連鎖的に繋がっていることです。
筋肉は骨と骨を結ぶようについていますが、1つの筋肉が骨についた先からまたその次の骨を結ぶ筋肉がついています。
そして筋連鎖は物理的な繋がりだけでなく、筋肉の収縮や弛緩も一緒に、つまり機能的な繋がりもあるのです。
それを踏まえて首が痛くなる原因を考えてみましょう。
まず腹筋運動のトレーニングといえば、メインで鍛えるのは腹直筋だと思います。
腹直筋は6つないし8つにお腹が割れるための筋肉です。
この腹直筋は恥骨から肋骨についています。

そして腹直筋がついている肋骨から胸骨にかけて胸骨筋、胸骨筋がついている胸骨と鎖骨から側頭骨の乳様突起にかけて胸鎖乳突筋がついています。

つまり、簡単にいうと、腹直筋ばかり使う腹筋トレーニングをすると、首の筋肉である胸鎖乳突筋も一緒に収縮してしまうのです。
胸鎖乳突筋が収縮するようなトレーニングを繰り返すと筋肉は徐々に固くなってきます。
筋肉が固くなると血流や神経の関係から痛みを引き起こしやすくなりますが、その影響によって、腹筋運動をしていると首が痛くなるのです。
首が痛くならない腹筋
では、どのような腹筋をすると首が痛くならないのか。
先ほどの筋連鎖から考えてみましょう。
まず、腹筋運動で使う筋肉の中には腹直筋だけでなく、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋という筋肉があります。
外腹斜筋:胸骨や下位肋骨から恥骨や腸骨稜につく
内腹斜筋:腸骨稜から下位肋骨につく
腹横筋:内腹斜筋の内側で下位肋骨、腰背筋膜、横隔膜から腹直筋の内側、恥骨につく



細かいですが、これらの腹斜筋や腹横筋は肋骨についており、この肋骨には肩甲骨の内側から走行する前鋸筋があります。
これらのことから、前鋸筋ー外腹斜筋ー内腹斜筋ー腹横筋の筋連鎖の腹筋運動のトレーニングをすることで胸鎖乳突筋を使う頻度が減り筋肉自体も固くなりにくいために、首が痛くならないのです。
そして実際にこの筋連鎖を使う腹筋トレーニングをどうやってするのかをお伝えします。
ポイントは「脇を使う」ということです。

首が痛くならない効果的な腹筋運動
1、仰向けで腕を天井に伸ばす
2、天井に伸ばした腕を脇からさらに伸ばすようにする
3、胸が丸くなるまで伸ばしたら大きく頷いて頭部を持ち上げる
4、そのまま脇から伸ばすようにして状態を起こす
(肩甲骨が浮くくらいで十分)
この方法であれば、首は痛くならず、腹筋運動も特に横っ腹を使っている感覚になると思います。
この方法であれば首は痛くならない腹筋運動のトレーニングができるのです。
このように、トレーニングの中も筋連鎖、筋肉の繋がりを考えたものをすることで効果が変わってきます。
その基本的な考え方をもう少し知りたい方は下記をダウンロードしてみてください。
↓
https://mag.metaaxis.co.jp/taikan/
<保有資格>
・理学療法士
・JCMA認定体軸セラピスト
医療−介護−障害福祉の事業をする会社のマネージャー職。
理学療法士、ピラティス、体幹トレーナー、第1種衛生管理者で動きの専門家。
ビジネス全般、IPO、M&A、組織作り、育成・教育。ビジネスができる身体を。
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