足裏の機能を余すことなく使えていますか?
足裏には土踏まず(内側縦アーチ)だけではなく、拇趾球〜小趾球までのアーチ(前方横アーチ)、小趾球からカカト(外側縦アーチ)までのアーチがあります。
正直にいうと、アーチが3つあるだけでは身体が機能的に使えているとは言えません。足裏のアーチには、
- アーチが潰れることで衝撃を吸収する。
- アーチが固くなることで力を上半身に伝える。
この2つの機能が働く必要があります。足裏が整うとどのくらい変わるのでしょうか?
アーチがあるだけでは意味がない
足裏のアーチが本当に機能している状態というのは、アーチがあることとは別です。潰れたり固くなったり動く必要があるのです。
アーチが潰れることで股関節にかかる負担を吸収する
私たちが普段歩いているときに、どのくらい股関節に負担がかかっているか知っていますか?それも、足裏のアーチが正常な状態での話です。
その答えは、
- 歩いているときに、3〜4.5倍
- 階段の登り降りのときに、6.2〜8.7倍
の負担が股関節にかかっていると言われています。
体重が50kgだとすると、
歩いているだけで、150kg〜225kg
階段を使ったりすると、310kg〜435kg
も股関節に影響を与えているのです。
数字が大きすぎてイメージできないかもしれませんが、高さ180cmを超えるくらいの4〜5人用の冷蔵庫が100〜150kgくらいの重さなので、歩くたびに股関節にそれがのしかかっているというと分かりやすいでしょうか?
ちなみに、400kg付近なら、グランドピアノくらいの重さですね。

もし足裏のアーチがなかったり、衝撃を吸収できない固まったアーチだったとしたら、いかがでしょうか?股関節にかかる負担はもっと大きくなりそうですよね?
アーチを固くすることで身体に力を伝える
アーチには、衝撃を吸収するだけではなく硬くなることで力を発揮する役割もあります。足の裏を触りながら、足の指を反らせるように上げてみてください。そうすると、足の裏が固くなるのが分かるはずです。
これは、体幹から股関節を動かすことで生んだエネルギーを地面に伝えて動くために非常に重要な仕組みです。
もし柔らかかったら、「のれんに腕押し」「ぬかに釘」のような状態になるでしょう。体幹の使い方をいくら改善して股関節の動きやすさを良くしたとしても、結局は、その力を100%発揮することができません。
固まっているとどうなるのか?
足の裏が硬いことに意味があるわけではありません。硬い状態からバネのように元の状態に戻ろうとするときに力を発揮するのです。固まっていたとしたら、元に戻る力は発揮されにくくなるので、それもまた身体に地面を蹴る力を伝えることができない原因になるでしょう。
つまり、衝撃を吸収する地面を蹴る力を利用するには、”足裏のアーチがあることが大事”なのではなく、アーチが潰れたり固くなったり柔軟性があることが重要だということです。
足のアーチの機能を高めるワーク
それでは、足裏のアーチを機能的に作るためのワークをお伝えします。このワークをすることで、アーチを機能的にするだけではなく、足のアーチを作ることにも役立ちます。
それを体感してもらうために部屋の中を一周ゆっくり歩いて、歩きやすさを確認してください。外にいる方は20歩ほど歩いてみて、歩いている感じを確認してください。
足裏のクロスポイント
- 足の指を除いた状態での足裏の中央を手の親指でグッと押さえる。
- 1のポイントを押さえたまま、グーパー10回繰り返す。
ワークが終わったら、もう一度部屋の中を一周歩いてみてください。きっと歩きやすさが変わったはずです。股関節にかかる負担も軽減されるので、股関節に痛みがあった人はこのワークで痛みが減ったかもしれません。
ワークが終わったら、もう一度部屋の中を一周歩いてみてください。きっと歩きやすさが変わったはずです。股関節にかかる負担も軽減されるので、股関節に痛みがあった人はこのワークで痛みが減ったかもしれません。
足裏の機能を高めることで、あなたが元々持っていたけれど、発揮できていなかった力が発揮できるようになった結果です。
運動パフォーマンスを上げるだけではなく、 身体の不調や悩みを解消するには、身体が繋がっていることを前提にしてトレーニングやストレッチなどのコンディショニングをする必要があります。
全身をつながっているものとして、機能的にしていくトレーニングに興味がある人はこちらの「間違いだらけの体幹トレーニング」がオススメです。
金田翔吾
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