体幹の安定にはいろいろな要因が関わりますが、今回は「腹圧」について考えていきます。
腹圧というとお腹を凹ませるイメージがありますが、実はお腹を凹ませても体幹の安定には繋がらないことが多いです。
お腹を凹ませて体幹を安定させようと思っていた人がいるのなら、今回の記事を通して腹圧の理解と体幹の安定の考え方がわかり、安定した体幹に一歩近づくことができます。
腹圧を理解しよう
まず腹圧について理解を深めていきましょう。
腹圧とは、腹腔内圧のことを言います。
腹圧が高くなると、お腹周りの安定性が高まり姿勢の保持や体幹機能が上がります。
逆に腹圧が低くなると、お腹周りの安定性が低くなって姿勢が保てなくなったり体幹機能が働かなくなったりします。
この腹圧は腹腔にかかる圧ですが、その圧は筋肉によるものです。
その関わる筋肉は、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群です。

これらの筋肉がお腹周りを囲み、連動して働くことで圧がかかります。
つまり、これらの筋肉が連動して働かないと、腹圧は高まらないのです。
横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群を連動させる
腹圧を高めるためによく言われる言葉として、
「お腹を凹ませる」があります。
ただ、この場合だと、腹直筋に力が入りやすいです。
確かに腹直筋に力が入ってもお腹に圧がかかっている感覚がありますが、お腹周りを囲んでいないため腹圧は高まりません。
イメージとしては、前から圧をかけても横、上、下から圧が逃げてしまう感じです。
圧が逃げないために、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群をしっかりと連動させる必要があります。
<筋肉を連動させて腹圧を高める方法>
- 胸を膨らませるように息を吸う。
- 胸を膨らませたまま息を吐く。(お腹がしぼむ感じ)
- さらに胸を膨らませるように吸う。
- さらに膨らませた胸をそのままにして息を吐く。(さらにお腹がしぼむ)
- 最後にもう一度胸を膨らませるように息を吸う。
- また膨らませたまま吐いて、最後に楽にしてリラックスする。
この方法だと、お腹周りが全体的にしぼむ感覚になります。
お腹に力を入れたつもりはなくても、腹部周囲が力が入ります。
これが横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群を連動させやすい方法です。
この方法で、ぜひ腹圧を高めて安定した体幹を手に入れましょう。
今回紹介した筋肉は、いわゆるインナーマッスルになります。
インナーマッスルはそれぞれの筋肉で繋がりを持っているため、今回紹介した筋肉以外のインナーマッスルも大切です。
他のインナーマッスルについて、またその筋肉を活かす動きを知りたい方は下記も参考にしてみてください。
↓
https://mag.metaaxis.co.jp/taikan/
<保有資格>
・理学療法士
・JCMA認定体軸セラピスト
医療−介護−障害福祉の事業をする会社のマネージャー職。
理学療法士、ピラティス、体幹トレーナー、第1種衛生管理者で動きの専門家。
ビジネス全般、IPO、M&A、組織作り、育成・教育。ビジネスができる身体を。
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